ある晴れた土曜日の午後・・・ 老若男女あふれるリューリンのパザール・・・ と教会の真横にある野外ステージの周りに人だかり・・・ 
ステージ上には・・・革ジャンロン毛ヒゲ面のにーちゃんたち!!! 歌っているのはブルガリア語だけどなんだかアメリカっぽいロック・・・ そして次の曲は・・・
あの有名なフレーズ・・・ 「ジャッジャッジャーン・ジャッジャッジャジャ～ン!!」 とアンプからエレキの大音響!! あの「深紫」の「湖上の煙」（古っ!!笑） ワタシの世代だったら、ギターを初めて手にしたら必ず練習するあのイントロ（笑）!! でも何でリューリンでライブ？ と見ると政党の旗が。つまりそれは選挙運動でした。「エヴロ・コミッシア」つまり欧州議会のブルガリア代表議員を選ぶもので、各党はソフィア市内の地下鉄駅やパザールなど人の動きのあるところにスタンドを設けビラ配りなどをしていましたが、リューリンでは元ジャーナリストが新しく作ったポピュリスト政党「検閲のないブルガリア」の選挙運動がロックコンサート・・・ これって何の主張?!（笑） ちなみにコンサートなどで得票しようというのはブルガリアの選挙運動では常套手段らしく、ロマの人たちの住居区「ファクルテタ」では既存政党のコンサートで「赤一色」だったそうな・・・
ブルガリアだけでなくヨーロッパ全体でこの欧州議会の選挙が行われましたが、どこも「極右」が躍進した、という話・・・ この手の政党の主張の一つは「移民反対!!!」というもの。つまり旧西側のヨーロッパ諸国ではたぶん、「ブルガリア人なんて入れるなーっ!! 来るな～!!」みたいなこと。もう一つの主張は「ＥＵ反対!!」 つまり欧州議会に来る各国代表が欧州連合に後ろ向き・・・ 「ウチの国はＥＵから出たいんだ!!」というコトです。何かヘンなの～!! ＥＵ維持のための議会じゃないの？
ちなみにこのロックコンサートをやっていた政党は他の政党と連合を組んでいますが、そのうちの一つが「（旧ユーゴスラビアの）マケドニアはブルガリアの一部だ!!」と強く主張している国家主義政党ВМРО（ＶＭＲＯ）。今回の選挙でも大々的に「ロマ・トルコ人を追い出せ～! 不法移民たちを締め出せ～!!」と主張。西ヨーロッパ側では追い出されそうな側ですが、こっちはこっちで少数派の人々を追い出したいらしい。以前ソフィア中心部のジャーミヤ（イスラム教のモスク）を襲撃した極右政党「アタカ」（＝攻撃？）も似た様な主張をしていますが、そこの党首も元ジャーナリストだったなァ・・・
そんな感じな「お選挙サンデー」だったのがこないだの日曜日でしたがイマイチ盛り上がらなかったような・・・ 卒業式シーズンを告げる「キリルとメドディの日」が前日の24日（土曜日）なのでその日は格好の卒業パーティー日和のはずなのに、選挙という事でアルコール類の販売は禁止!! 外食産業にとっては書き入れ時の日なのに、どこも閑古鳥・・・ だから盛り上がらなかったような。そして選挙のことよりもサッカー好きの人たちにはワールドカップがどうなるのか？の方が気になるようです、っつーか、ブラジルの設備はちゃんと整ったのかなー?!
先日、ちょっとおトモだちが来るので、この庶民の街リューリン内でよさそうなところにでも席を取ってご招待しようかな～、というコトになりました。外食大好き!! ウキウキ!! しかもこういう理由のあるときですからちょっと新しいところも開拓したいなァ・・・
と、そんな時トランバイ（市電）Ｎｏ．８に乗っていると、ブルガリア人でいーっぱいのテラス席の横を通りました。そこはブルガリアの全国チェーンレストラン「Ｈａｐｐｙ」。ブルガリア人は「ヘピ」と呼びます。本当にいっつもいーっぱいなんですよね～。特にディナータイム!! お金のない人でもこれを見ると行って見たくなっちゃいますヨネ～!! ワタシはずーーーっと以前に一回だけこのレストランチェーンのお店に行ったけど、イマいち印象にない・・・ でもこんなに人気だし、気になってはいました。
そしてもう一つ、気になる理由・・・ それはお寿司を出していること!! ホテル・ケンピンスキ（旧ニュー・オータニ）の元レストラン桜の「幸せ寿司」については他のいろいろなブルガリア在住日本人の方のサイトを見ると出てきています。う～む、がんばっているのは分かるけど、お寿司のクオリティーとしてはどうかな？
で、アビトレンスキ・バル（卒業パーティー）が始まりつつあるとある土曜日の午後、家族連れでにぎわうこの店に行ってみることにしました。中に入るとアルコール類の充実したカウンター!! これが「呑み」が大好きなブルガリア人をひきつけているのでしょうか？
そして壁には「上を向いて歩こう」の歌詞が日本語で書かれています。本格的に日本っぽくしたいらしいけど・・・ で、１０貫にぎりのコンボセット（１９レバだったかな?）とその他ちょこちょこととってみました。暑かった日の午後なのでここはビールで♪
結論からいうと、ネタは及第点。サーモン、海老、穴子は冷凍でしょう。マグロとスズキ（とメニューに英語で書いてあったけど）はたぶんギリシャから持って来れます。シャリは・・・ 本当には「おにぎり」というべきかなァ～と・・・ まぁほろっとくずれないから箸の使い方が不安なブルガリア人たちには食べやすいかも。ま、おいしかったですヨ!!
久々の「ヘピ」でしたが、メニューは豊富で、セルビチョールキ（ホール係のおネエさんたち）も親切!! カード払いもＯＫのようです。ただ一つ一つの盛りは控えめなのでデカ盛り好きの人にはちょっとおサイフにキビしいかも・・・
最終的にはそのおトモダチとは中華に行っちゃいました。日本人じゃないけどここソフィアでも中華は人気だもんネ。そぉ～だなァ・・・ どうしても自分で作ったのではないお寿司が食べたくなったらここに来るかなァ・・・ アメリカ人の友人がワタシと一緒に「寿司を食べたい」とか言い出したらヘピにご招待、でもいいかなァ・・・ 何となく・・・っつーか、どういうときに利用したらいいのかな？ 日本人のワタシがここに招待したら、つまり「ヘピ」の寿司は日本人公認ってことになるもんネ・・・ ちょっと考えさせてもらいます。
雨模様だった日々が急に夏のような陽気に変わった、庶民行きかう街リューリン・・・ そんなとある木曜日の午前、いきなりポカッとヒマができたので心にきめました。 「よ～し!! 今日こそ服、買うゾ!!」 最近はどうも決心して買いに行かないと行けない・・・ あのものすごい量の服の中に入って行くと何時間も見て回っちゃいそうで、疲れちゃうんですよね～。で、安いと思ってどんどん手に持っちゃって、会計するとたいがいこういう中古服はキロなんぼで、けっこう出費しちゃうんです。
で、リューリンの中でも大型の「マニア」という中古服チェーンに朝10時半頃に行ってみました。すると、開店を待つ30人くらいのお客!! 日差しが急にきつくなったので日陰で待っている人たちも!! えぇ～っ!? いったいどういうコト? 数分すると若い店員が、「お待たせしましたー」と扉を開けます。するとその大勢の客はドドーッと全員が入店し、そのまま２階のほうに向かっていきます。
ダダーッと子供連れのロマの家族から、７０代くらいの年金世代のおじいちゃん、おばあちゃん中心の集団が走って店の階段を上るのを見て、ノープランのワタシもつられて上に行ってみました。きっと何かあるに違いないっ!!
行ってみて気付いたのですが、毎木曜日、マニアの「Ｂエリア」（リューリン店では２階部分）の商品は全てキロ２レバ（約１ユーロ）で、その上２０％ＯＦＦ!! さらにここで商品を買うと、「Ａエリア」（１階部分）の商品（キロ２０レバですけど）も全て２０％ＯＦＦになる、というシステムだそうです。開店時間までに入口で行列を作っていた庶民の皆さんはそのことを以前から知っていたようです。その２階はというと、も～～う日本のバーゲン初日と同じくらいの混雑ぶり。片っぱしから買い物カゴにみんな入れていってます。特にスゴいのはＭ３のちゃんじーたち!! 男性服売り場でエキサイティング・ショッピング～♪（笑） あーだこーだとまたもや大音量!! で爺会話!! 男の人がこんなに服買いに来るって何かヘンに見えるけど面白い!!
みんな山ほどの服・・・ セーター、ブラウス、シャツ、ズボン、スカートにその上シーツやタオル、スカーフ、くつにかばんまでいっぱい買い込んだのに払うのは４～５レバくらいの人がいっぱい!! ホックホクの笑顔です。ワタシも思わず「マニア」のメンバーズカードをつくっちゃいました。 「５レバお買い上げごとに１トチカ（＝ポイント）、５０ポイントで全商品２０％ＯＦＦにさせていただきます!!」 ５０×５で２５０レバも買わんといかん・・・ でもこの不景気なリューリンでちょっと皆がイキイキしているように見えた日でした。
市内いたるところで大規模工事中の、ブルガリアの首都ソフィア・・・
川を挟んだ通りの片側を完全封鎖して工事を始めた「スリヴニツァ大通り」、外国人、日本人観光客にもおなじみの「ライオン橋」から工事現場をのぞいてみると、けっこう深く掘り下げています。この下には地下鉄も走っているけど、ということは地下鉄はもっと深いところを走っているのネ・・・
完成予想図は・・・ こんな感じ!! ライオン橋を真ん中にして大きなロータリーになるみたいですネエ・・・ そしてスリヴニッツァ大通りを直進する車はアンダークロス・・・ 川床と同じ高さまで道路が掘り下げられるようで、なんだかパリのセーヌ川沿いの道路みたい（?）と思ったけど、ここの場合は川と道路の間に高い壁ができそう・・・ でも、いつか絶対に溢れて通行止めになるネ、これは・・・ そもそも、地下鉄工事のときにもこの橋のとこ、けっこう工事してたんだから、何でそんときに一緒にやってしまわなかったんだろう、という素朴な疑問が・・・
地下鉄工事といえば、空港までの地下鉄延長、ずいぶんと進んでいるようです。トンネルは全部掘り終わったようで、いまは枕木やレールを敷いたりしているみたい。工事で掘り返した跡地にはきれいな道路が作られています。そして空港第2ターミナルの横には駅もできてきました!!
駅の端っこは丸みを帯びたデザイン!! なかなかオシャレですが・・・ でも、空港のターミナルに直接つながらない感じ・・・ ちょっとツメが甘くないっすか?! そして何より、もうこんなに出来てる感じなのに、まだまだ路面を掘り返して工事しているムラドスト4丁目ビジネス・センター行きと開業予定が同じ2015年春、ってのはどういうコト!?（怒）
こんな工事が終わるとビックリするほど便利でスムーズになるんでしょうけどねぇ・・・ 確かに新しくアンダークロスが出来た「ボエンナ・ボーニッツァ（軍病院）」のところやロシア大使館に入るところの交差点はスイスイと車が流れます。でも完成するまでの間はガマンガマン・・・ ソフィア徳洲会の近くの「セミナリア」交差点、そしてセルビア方面からのソフィアの入口、そして何よりウチのすぐ近所、リューリン地区から外環道に出る「フィリポフツィ」の交差点はいつも大渋滞!! ある日には同じ方向に行く111番のバスが見える範囲だけで7台つながっちゃいました!! ああァ・・・ 後から後から取って付けたような工事・・・ もうちょっとどうにかなんないのかなァ・・・ 早く出来上がらないかなァ・・・
時々登場する、当年13歳、100匹以上の子猫を生み、今や化け猫（?）の域に達している「シャレヌシュカ」の飼い主、テメヌシュかばあちゃんの嘆き・・・ 「エミリアが貸したお金を返してくれない!!」
同じ住居棟に住むエミリアは５０代。息子とテレビ局に勤めていてキチンと収入もあるのに、年金生活者テメヌシュカのところにしょっちゅうお金を借りに来ます。
「電話代が払えないと仕事に支障をきたすの。お願い、２０レバ貸して!!」
「息子が出張に行かなきゃ行けない、けどガソリン代が手元になくて・・・ お願い、２０レバ貸して!!」・・・ ってな具合らしいっス。足が痛くて買い物にも行けないテメヌシュカからすると、なんだかしょっちゅう出歩いているエミリアに買い物をよく頼んでいるので、まァ“もちつもたれつ”、お金もすぐに返してくれれば問題はないんだけど。どうも最近は滞り気味・・・ ついにトータル３０００レバくらい貸したお金が返ってこないんだとか。自分の薬代にもひびいてきちゃった。「もう貸さなきゃいいじゃん!!」と言っても、エミリアは『一度来たら貸してくれるまで帰らない作戦」だそうで、もう最後には貸して帰ってもらうんだそうです。ご近所みんなこのエミリアの性格を知っていて、だれも相手にしてないもんだから、ますますテメヌシュカばあちゃんのところに来ているのです。
この冬の間、ウチの住居棟も「珍客」というか、このヴホッド（入口）から忍び込んで階段の最上階のところで越冬しようとしたホームレスがいたらしいのです。ウチの下の階に住むご近所さんから、
「だから夜の間は必ずカギをかけて寝ないとダメよ!!」 聞くところによると地下室に侵入され、保存食がいくらか盗まれたみたい。日本人からするとこれは完全な「不法侵入、占拠、窃盗」に見えるんだけど、その辺ブルガリアに住んでワタシも少しおおらかになったのかなぁ・・・ この超不景気なブルガリア、もしそういうホームレスを追い出したとしてその辺で凍死、餓死されたりでもしたら寝覚めが悪くなりそうだし。ワタシのせいじゃなくても、ネ・・・
どこのウチにも盗みには入らなかったんでよかった～!! そしてそのうち暖かくなってきたらいなくなったから、本当にただ、ブルガリア語でいうところの「ポッスロン」（「雨露をしのぐ場所」の意。ちなみにこの言葉、「ポッド」（下）という語と「スロン」という語に分けれるのですが、スロンって「象」って意味なんですよ・・・ 「象の下」?!）を一時的に必要としていただけらしい。にしても、平気でひとんチ（？）に居座るとは・・・
ちなみに、上記のエミリアのような人のことを「ナハレン（女性形はナハルナ）」というそうです。自分の利益や権利を強く主張する人のことを言うのですが、この言葉、ワンワンと吠え立てて周りを威嚇して自分の縄張りを主張するノラ犬にもつかわれる形容詞。まァ、そういう勢い、ということのようです。最近のソフィア、特に西側の庶民エリアではよく聞きます。こっちは治安もどんどん悪くなってきて、「リューリンってヤバいよネ～」と言われつつあります・・・。
