ガブロヴォの友人家族が「遊びにおいでよ!」とよんでくれました。ガブロヴォ・・・ ブルガリアではけっこう大き目の、言うなれば「地方の中堅都市」ですが、黒海沿いのリゾート、ヴァルナやブルガスに行く主要幹線道路から少し入り込んだところにあるからか、今まで一度も行ったことがなかったなァ・・・ 屋外民族博物館「エタラ」や「ユーモア博物館」など、有名観光地もあるんですが・・・ ということで、行ってみよう!!
ガブロヴォには高速道路でヴァルナ方面に向かう道を通る方が速いんだけど、ラベンダー畑が見られるかもしれない!と思って「バラの谷」経由で行ってみることにしました。この道だと、日本人が住んでいることで有名(?)なシプカ村から、大きな塔のあるシプカ峠を通っていくことになります。シプカ村まではスイスイ・・・ 思ったほどラベンダーはなかったけど、それでも時々ふ~っととてもいい香りが・・・ シプカ村に入ってだれか日本人がいるかなァ、と思って真ん中まで行ってみましたが・・・ まァ、一番暑いお昼時、そりゃいませんわな。
シプカ村からさあ、シプカ峠に入ろう! ここからならあと1時間以下でガブロヴォの友人宅に着くなぁ、と思っていると、峠の入口にパトカーが止まってバリケード。あれっ!! 通行止め?! じゃあどうしたらいいの?と警察のおじさんに聞くと、
「ここからカザンラク方向に4,5Km戻ったところから山に登って、ブズルジャの「チニヤ」のところからシプカのパメトニック(=石碑)のところに回って行くんだ」・・・ チニヤ?つまりは「お皿」!! そう呼んでるんだ、ブルガリア語で地元の人たちは・・・
遠くからシプカ峠の山なみを見ると、もちろんシプカ峠の露土戦争の記念碑が見えるのですが、そこから右の方に目を移すともう一つ記念碑のようなものが・・・ 実はここ、廃墟マニア、共産アートマニアには垂涎の場所!! なぜかというと、このブルガリアのまんまん中、バルカン山脈の山の上に共産党本部の建物がっ!!
まるで「ウフォ」(つまりUFO)みたい!! UFO=フライング・ソーサー(空飛ぶお皿)だらか「お皿」なのか・・・ でも、なんでここにこんな巨大な建物があって、そしてそれが廃墟になってるの?!
後でガブロヴォの友人家族に聞いた話によると、1891年、この山の中でディミトル・ブラゴエフがブルガリア共産党(正確にはブルガリア社会民主党)の集まりを開いた重要な場所だったんだって・・・ だからってホントにこんな山の中にこんな大仰なものをつくらなくっても・・・ここに建材運ぶだけでも大変だったろうに・・・
ワタシの勝手な予想では山の上に立っているこの廃墟、ただただポツネンとあるのか、と思ったのですが、けっこうな人でにぎわっています!! ただ単にシプカ峠が閉鎖されてるからじゃなく、わざわざこの廃墟を見に来てる人がたくさんいる!!
うれしそうに写真を撮っています。そして・・・
よりこの廃墟に近づいてみると、車がいっぱい停まってる!! ケータリングに洋服をいっぱい積んだ車、そしてメイク用のテント・・・ 映画の撮影だっ!!
そういえば最近ヴィトシャ山でもこんなの見たけど、同じ映画かな?じゃあゾンビ映画だっ!!
階段を上って建物に近づくと・・・ ううっ、なんか獣臭い~ と思ったら周りは馬のウンコだらけ。そして建物の周りを飛び交うツバメたち。共産アートの行く末はやはりツバメたちの共産団地なのか・・・
中はボロボロになっているそうですが、昔のモザイクなんかあるらしい・・・(「ブルガリア 廃墟 山頂」で検索してみてください。出て来ますヨ!) もちろん「立入禁止」と書かれ、玄関は閉鎖されていますが、横の小さな破れから「自己責任」で入っていく観光客(特に外国人多し)はいます。
でもそれは「禁じられた遊び」。いずれにしてもワタシはおなかとお尻がひっかかりそうなのでやめときました。「悪い子のみんなはマネしないでね!」
一国の首都だけど、いまだに馬車が市内を走り回ってペットボトルを集めてるソフィア・・・ この素朴さ、ナデジュダ、リューリンの「専売特許」ではありません。このユル~い感じ。ブルガリア人ってホント、ゆ~ったりが好きみたい。
7月に入ってソフィアの人たちは田舎や海にバカンツィア!!というのも多く、いつもの交通渋滞は少し落ち着いています。でも車両数そのものがすごい勢いで増えているので、9月以降みーんながソフィアに帰ってきたらこりゃ~大変だーっ!! にしても、アチーっ!! 日中30度越えしますよーっ!!
こんな時、遊びに行けないオンタイムのブルガリア人たち・・・ 男性も女性もTシャツ+半パン・・・っつーか、これ、ジャンルでいうと「バミューダ」? 今の人は何て言うんだろう。
あたしの世代だと古いGパンをひざくらいで切ってはくっていう、もう、とってもとっても仕事に着て行く服装には当てはまらないヤツ。Tシャツ着てるならまだいいけど、男の人は上半身ハダカでスマホ片手にグラサン。そんな格好で力仕事ならまだしも書類やラップトップをもってオフィス?という不思議な光景も見ます。
女の人も・・・50代以降の人はゆったりとしたスカート、という日本人のアタクシにもわかりやすく、受け入れやすい(?)服装の人が多くいます。でも、それより若い人はちょっとどうなのっ?! って思っちゃうくらい。この半パン、自分でGパンを切って、というよりも、もうその形で売られている、という・・・
これはもしかして半パンを製造して売る、というよりは「売れ残ったのを半パンにして売りさばく!」っつーんじゃないのか? あと、女の子たちの背中出し加減がもォ~っ!! 前から見たらエレガントなマダムスタイルなのに、背中はパックリっ!! それも背中の真ん中がっ!! その部分の布だけ切り取ったの? その布でカバンでも作れそうなくらい・・・
そしてブラ丸見えじゃーんっ!! しかも「見せブラ」じゃなくって、いつものヨレヨレのヤツーっ!! アラフィフおばさんのアタクシ的には「コラーっ(怒)!!」と言いたくなります。暑いから仕方ないけど、もうちょっと注意しないとーっ!! 「夏は心のカギが甘くなるワ、ご用心っ!」って歌もあるし!!・・・ああ、昭和(笑)。
それは月曜日。こっちで買った安物のタブレットが壊れたので、まだ保証期間だったから修理に行こうと出かけました。そのお店はギリシャに本社のあるコンピュータ・ショップで、ソフィアのまん真ん中、スラベイコフの本屋街から少し入ったところにあります。さあ、どうやって行こうかな? 地下鉄をセルディカ駅で乗り換えて、スラベイコフを通るトラムに乗ろう。と、行き先を見ると「メトロスタンツィア・ヴィトシャ」行?!
あれっ?地下鉄はまだそこまで延びてないはずだけど・・・ 試しに終点まで乗ってみちゃえ!!
スラベイコフ通りから怪しげな露店の並ぶ、地下鉄3号線工事真っ最中のオデオンの交差点を抜け、セミナリアの森を抜けていくと、元「ヤポンスキ・ホテル」の旧「ホテル・ケンピンスキ」=今は「ホテル・マリネラ」のところで大通りに出てきます。もう地下の工事はずいぶん前から出来上がってたわけで、元のトラムの終点「フラデルニカ」の整備が完成し、地下鉄「ヴィトシャ」駅の工事も終わったからまずはトラムから走らせることにしたようです。でも、ニュースでは地下鉄駅の開業は7月31日って言ってたのになあ・・・
ここにはショッピングモール「パラダイス・センター」がで~ん、と鎮座。ソフィア動物園やトクダ病院にも近く、山の方から下りてくるバスの乗り換えターミナル的な場所なのですが・・・ トラムやバスからは信号を渡らないとモールに入れない・・・ それじゃあちょっと足が遠のいちゃうのか、実際この大きなモール、けっこうガラガラだった・・・ 大丈夫?
そんなことを考えながら数日、水曜日にタブレットを引き取りにまたソフィアの中心街に行こうと地下鉄に乗ろうとすると・・・ あれっ!! 行き先が「ジェームス・バウチェル」から「ヴィトシャ」に変わってる!! でも何かの間違いじゃない? 試運転してて表示だけそうなってんじゃないのォ? 第一、開業予定日まで10日以上あるのに出来上がるって、「ブルガルスカ・ラボタ」からは考えられないから~(笑)
今までの終点「ジェームス・バウチェル」に着いて、おばさんが一人降りて「ここが終点だから降りなさいよ」みたいな感じて手を振ってます。でも乗ってる人のほとんどは降りません。そしてドアが閉まって・・・まるで今までもそうだったかように発車・・・ そしてすぐに終点に到着!!
今までの地下鉄駅とは違うサインがよりわかりやすく、そして頭上も広々として明るい駅!! この雰囲気とお祝いムード(?)で、若者たちも、
夏服のレディもうれしそう!新しい駅の写真を携帯で撮っています。(古い区間ではよく「地下鉄内は撮影禁止だ!」なんて警察に怒られるけど、新しい区間ではあんまり言われないのはなぜ?)
この駅、トラムの終点よりもう少し先まで伸びていて、地下鉄の改札口から地上に出ることなくモールに入れるっ!! これはソフィア地下鉄史上初!! これでかなり閑古としてた「パラダイス・センター」にも活気がもどってくるでしょうか・・・
ニュースを見ると、どうやら20日、ワタシが地下鉄に乗る前のどこかの時点で開業セレモニーが行われたらしい… そしていつものようにソフィア市長ファンダコヴァ女史とブルガリアの首相ボリソフ氏があいさつ・・・ 「今日は預言者エリヤ(ブロロック・イリヤ)の日・・・かの本の述べるごとく、主と、そして私が付け足すにEC(=EU、つまり欧州連合)無しには何もなされない・・・」 ウ~む、お金の出処へのヨイショでしょうか、それにしてもいつも彼のコメントは「人を不快にさせる何かを持っている」(by信繁www)・・・
地下鉄工事、これで一段落・・・ではなく、市内中心部の大目抜き通りを閉鎖してモッカ3号線鋭意建設中!! ファンダコヴァ女史によると7駅が建設中で、今年中に5駅つくりはじめるらしいけど・・・
昔は全線開通がバーバ・ヴァンガの予言レベルで2080年って言われてたけど、まあ東京オリンピックと同じ2020年くらいには3号線、出来上がるかなぁ・・・
何か田舎くささ漂う首都の北部、ナデジュダ区・・・ ここで友人たちに何かともらう「スラトコ」(=甘い、の意、スィーツ?)つまり甘味はジャムのことです。
皆、フルーツの季節になるとすっごく一生懸命ジャムや野菜類の保存食をつくります。さっすがにもうソフィア市内でどこでもスーパーがあって、冬でもサラダで食べられる野菜が売られている昨今、蒙古の保存食づくりの習慣はすたれつつあると思ったのですが、そこは首都の田舎村、ナデジュダ!! 昨年の夏、友人の御年80歳のターニャはその保存食づくりで大きな鍋を誤ってひっくり返し、足に大やけどを負いました。って、そこまでやんなくてもターニャんちの真ん前に大きなドイツ系スーパー「リドル」があるってのにっ!!
このジャムの類、「ウチの庭の木からとれたいちじくで作ったの~」的なのは抜群においしいっ!! 風味も素晴らしいものがとても多いのでいいんですよね~。よく高速道路から一本入ったいわゆる「旧道」沿いで自家製野菜と、こういうビン詰めのを売っているオバちゃんたちから買うこともできます。
スーパーでも、このテのジャムは「コンフィチュール」とシャレた名前で売られています。甘さ控えめで、極甘好きブルガリアのおばあちゃんたちの手作りと比べるとおとなしい印象です。よりブルガリア土産っぽいジャムを、と言われるなら「バラジャム」と「シプカ(=ローズヒップ)」ですけど、コレはかなりもらう人の好みによるかなぁ・・・福岡のおみやげでいう「に0かせんぺい」みたいな・・・(笑。ワタシは好きだけど・・・)
あと、甘いものでいうとはちみつもおススメです。今ちょうど今年のはちみつが出てきていて、これはスーパーではなくパザールで買うのがおすすめですよ~っ!! 採取された花の種類もわかります。香りが全然違って面白いですヨ!! ハーブティーとセットにしておみやげにしたら女性に喜ばれそう。
甘いお菓子でブルガリア名産・・・これがちょっとムズいっ!! ロクム、ハルヴァなどあるのですが、これはブルガリアというよりトルコからバルカン地方全体にあるものなので、ブルガリアみやげっていうとね~!! でもまァ、ロクムでいうと、このゼリーのような求肥のようなお菓子、ブルガリアでウェハースにはさまってるのがあって、コレはワタクシおススメですね~。
中でも「ヘリ」というのはおいしいっ!! そして超極甘です。濃い目の紅茶と会いますよ~!!
ああ、このパザールにたくさんの果物が並ぶ季節、おばあちゃんたちは競ってスーパーで砂糖を10kg単位で買っていきます。「さァ~いっぱいつくって孫たちに配るわよ~っ!!」 あっ、ブルガリアに来られた際にはぜひ、生の果物も楽しんでくださいネ!! ソフィアではぜ~ったいに「キルコフ」つまり「ジェンスキー・パザール」を歩いてみてください!! キロ売りなので1個2個では売ってくれないけど、大きなトマトなら4,5個だから食べちゃえる範囲だし、もし「1キロは多い!!」と思われるなら、「ポロヴィンカ(=500g)」って言ってみて!! でも買物してる時や歩いてる時に手荷物には気を付けてネ。
「近いうちにブルガリアに行きます!」というだんだんさんのリクエストにお答えして・・・どんなものが日本へのおみやげにいいか・・・というと、一つはラキアでしょう。果実が原料の蒸留酒で、ブランデーの仲間ですが、あんなにキチンと貯蔵しません。こっちの人々は作ったそばから飲んじゃうから・・・(笑)
果実もぶどうやあんず、プラムなどいろいろで、しかもブルガリアではそこら辺りに実のなる木があるので、その辺から集めてくればラキアなんてすぐ出来ちゃう!!という感覚です。一番よくもらうのが「ジャンキ」のラキア!!
ジャンキはプラムの一種で、アメリカでは「アラビアン・プラム」的な名前で知られています。近くに住んでいる人は皆、その辺の果実の木を熟知していて、「この木の実は甘い、この木のはすっぱくてダメ」と甘い実だけ集めていきます。だからウチの建物のすぐ横に
「ヴィシュニ」(サワーチェリー)、
「チェレシ」(さくらんぼ)、そしてこの「ジャンキ」の木があるのですが、人々はこのジャンキの実だけを集めてくっ!! 高級さからいうと順番が違うような・・・ サワーチェリーの方が高そうなのに!! ほかの木の実には目もくれず・・・ 取られずに残った実はボトボトと道に落ちてそこで発酵開始!!
だから夏場は甘酸っぱく臭いニオイがドォーッと!! でも、アルコール度数を上げて風味豊かなラキアをつくるには素材の果実が普通に食べてもおいしいものの方がいいもんね。ワタシにはよくわかんないけど・・・(違いの分からない人間なもんで・・・ダバダ~。笑)
ぶどうのラキアはまず普通にワインをつくって、その搾りかすでもう一度発酵>蒸留してラキアにするそうです。ホントにもォ~ブルガリア人って酒好きー!!! おいしいラキアにこだわる人は搾りかすではなくキチンとぶどうでつくる、ということもあるそうですが、もう蒸留されていると何からできているかも分かんないし。
人によってはジンなどの蒸留酒をもう一度蒸留してアルコール度数75度くらいの「ラキア」をつくったりもします。(でもそれってもうラキアじゃないよネぇ。ちなみに写真はウチの大家、エンチョおじさんの作品。見ただけじゃ何だか分かんないけど。笑)
なので、ラキアの面白さは地方の村々でその辺のおじさんおばさんがつくるのを飲んでみるっ!!ということです。ソフィア市内でも各パザールで売ってますヨ!! まァ、ちょっとバクチ的要素が・・・ 当たりはずれはあります。あしからず・・・
安全なのをスーパーで、となったら、だいたいワインのメーカー名と比べてみるといいのが見つかります。ワイナリーはほぼどこもラキアをつくっています。ワイナリーのラキアは少しお高めですが、まあ納得のいくものが多い気がします。
その他では「ペシュテルスカ」、「タルゴヴィシュテ」、「カルノバツカ」、「カイルシュカ」はよく売れているようです。ぶどう以外では「トロヤンスカ」は有名で、これはプラムのラキアです。スーパーやお酒を売っているお店では小さなプラスチックボトル入りのラキアもあるので、税制上の制限の中で日本に持って帰るにはいろんなラキアをこの小さいボトルで買ってみるのも手かもしれませんネ。アルコール度数40度、だしね。
ラキアのお供は「ショプスカ・サラタ」!! シレネ(白チーズ)とトマトときゅうりの上にサラダ油のシンプルなサラダです。チェーサーには「アイリャン」=少し塩を入れたヨーグルトドリンク。おみやげを選ぶ前にこちらのレストランに入って試してみてはいかがでしょう? ヨーグルトとシレネって、超ブルガリアって感じですよっ!!