ここのところ本当に異常気象を肌で感じるブルガリア・・・ また黒海沿いのほうで洪水が起きた、って言うし・・・ そんなここ最近の話です。
今日はやけに蒸し暑い昼下がり、庶民のみ住むリューリン・・・ と、突然冷たい強風が窓に吹き付けます。えっ、夕立でも来るかな?と思っていたらドッカーン!! ゴロゴロ~!!! と雷。ここまでは最近しょっちゅうあります。が、そこからバケツをひっくり返したような、というのが一番正しい表現のすんごい雨!! そしてすさまじい強風で木がみんな「スタジアムでウェーブ」のノリでバサーッバサーーッとゆすられています。それから・・・ バラバラッ・・・バンバンッ・・ダンダダダダダダーッ!! と雹!! こういう天気、日本(少なくともワタシの地元)ではいくらでもある(っていうかもっとすごいのがいくらでもある)事なんだけど、ブルガリアでは超めずらしいことなのです。だからそのすごい嵐状態のときカメラで撮るのを思わず忘れてしまいました。(笑)
後で外の出てみると・・・ ワタシよりももっとこういう自然災害になれていないブルガリアの庶民の皆さんはボーゼン&大混乱!! 車の前に立ちすくんだり、自分のアパートの窓を見つめていたり・・・ 多くの車の窓ガラスが割れてます!! それもそのはず!! 同じヴホッド(入口)一階の「みんな丸い家族」(ワタシがそう呼んでいるのですが、家族みんな丸っこいのです・・・)の女の子が洗面器に集めていたのを見せてもらうと・・・ 雹は一個が卵の大きさぐらいの大きさがあります!! そしてそれが地面に積もるほど降った!!ウチのムルティプラちゃんのガラスは大丈夫でしたが、それでも車体には細かく何かがボコボコ当たった跡ができちゃいました(泣)
ようやくカメラを手にして街に出てみると・・・ !! 木がバキバキに折れています!! 何かブルガリアの木って・・・ 弱い?! こんなんで枝はもちろん幹からボッキリといっちゃってるのもあるし・・・
ニュースでは何と!! 市中心部の「ボリソヴァ・グラディナ」(ボリス公園)で折れた木に不運にも当たり亡くなった方がおられるとか・・・ ワタシの友人の中にも雹に当たってアザができちゃった、という人もいます。でも全体としてはウチの方リューリン区がソフィアでは一番激しい雹と暴風雨だったみたいです。
この後くらい、けっこう日本のニュースに関心の高いブルガリアなので日本のこの時期よくある台風のことを聞いて、「そっちは大丈夫かァ?」と同情心いっぱいに聞かれるようになりました。日本じゃ毎年のことで、台風はいくつも来るしどこかしらで川が氾濫したりして大変なことになるのですが、ほとんど台風も地震もないブルガリア人からは、「アンタ、どうしてそんなに落ち着いてるの??」と言われがちです・・・
ある日友人のテメニュシュカばあちゃんがふと言った言葉。
「そういえばブルガリアの大きいほうの銀行がつぶれるらしいワヨ!! あの、2番目に大きいやつ・・・」
そのときはピンと来ませんでした。2番目ねえ・・・ このところの欧州議会選挙で当選した元ジャーナリストの議員に絡んで中堅銀行「クレディトナ・タルゴフスカ・バンカ」(クレジットコマーシャル銀行)の大株主が犯罪に関与していたのではないかとたたかれていました。そんな銀行、ソフィア中心部に行けばあるかもしれないけど、支店がどこにでもあるほど大きいわけでもないようなので、庶民の街リューリンは平和でした。
ところが、ふとネットニュースを見ていると、取り付け騒ぎが起きている写真は「パルヴァタ・インヴェスティオーナ・バンカ」(通称FIバンク)!! ええ~っ!? ワタシが利用してるとこじゃん!!! ワタシは普通預金とそれにつながるデビットカードがあるだけでしたが、利回りのよい定期預金で利用していた人たちが次々と解約している、ということで・・・ あァ・・・ やはり庶民のワタシにはそこまで被害はなさそう。(もうその時には口座にほとんどお金、残ってなかったし・・・)
FIバンクとしては取り付け騒ぎの火消しにヤッキ・・・ 行員たちは「I love FIBank!!」なんてTシャツまで着て顧客にアピール。結局欧州銀行が介入するという発表があって、「そんなら潰れないよネ~!!」という事で落ち着いたのでした。ワタシの口座も、もちろん無傷・・・ でも、この騒動の発端が当の欧州委員会がらみとか。そしてこの国の金融機関が「脆弱なんじゃネ?」という印象を与える結果になってしまいました。だいたい国家がヤバくなるって、その国の金融の危機がきっかけだったりすることもあると思うけど、今回はそこまでは行かずに済んだみたい。 ・・・またいつどうなるか分からないけどネ。
今回の取り付け騒ぎの中で定期を解約したり自分の口座のお金を全部引き出してタンス預金にした人たちのところにけっこうドロボーが入ったそうです。何万レバかを盗まれた人もいるんだって・・・ この騒ぎの被害者はこういう人たちだったのか・・・ 考えてみると発端になった銀行の名前と名前が似ていたために大騒ぎになったのかも・・・ ウチのメインバンク。とするとちょっと間抜け(?)な騒動。
庶民行き交うリューリン・・・ 6月末日付けでパザールの中にあったかなりのお店が閉店してしまってチョッと残念な今日この頃。この国はこうした小規模な商売はやりにくいらしい。貸店舗の家賃がメチャクチャ高い、というのもその一つの理由です。また新しいものにちょっと抵抗のある人も多いので、軌道に乗るまでが大変・・・
そんな中、一バス停先に・・・ あっ!! 中華だっ!! 以前別の類のレストランだったのが閉店した居抜き物件に今度は中華レストランが入りました。近いのがウレシ~!! で、早速行ってみました。窓には、「トゥルシム・セルビチョール」(=ウェイター求む)。 手が足りないらしい。で、注文をとりに来てくれたのはそこの奥さんでした。ニイハオ~!! 聞くと、「ウチはまだオープンして3日目よ!!」との事。食べに来たのはワタシくらいであとはひっきりなしにテイクアウトです。
大好きな春巻、ビーフン、そしてチキンをとってみました。チャーハンをパンと食べるのがブルガリアの定番なので、米を主食とする人にとってはちょっとカラめの味付け。でもそのおかげで地元ではウケがいいみたい。酸辣湯的なスープもおいしく、これなら白メシとおかず、スープで次は組み立てればいいっ!!
それから、以前は普通のレストランだった所が「ゴーフレッティ」という名前に変わってリニューアル!! 前からオシャレなお店だったけどもっとオシャレになっちゃいました!!
ゴーフレット、つまりベルギーワッフルのお店に!! 行ってみると基本スイーツの部に属するワッフル、クレープとコーヒーがメインかと思ったらけっこうアルコールの部も充実。
カクテルにサラダ、スープ、そしておかず系ワッフル&クレープもあります!! 晩ごはんドキだったので早速こちらをチョイス!!
おいし~♪ 特に「ソレニ・ゴーフレッティ」(直訳すると「塩味ワッフル」・・・?)フライドポテトが添えられてこれはビールでしょう!! ボリュームもあって大満足!! 値段もその割には抑え気味。改装して奥におコチャマが遊べる施設も整い、若い家族がたくさん集まっています。20代男性のみのグループもいますがメニューは「おつまみ4人前盛り合わせ」というメンズ好みの揚げ物大盛りっ!! などもありまして、大人気です。
そういう訳でボリュームのあるファミリー向けのお店がリューリンでは人気、となりました。今度はティータイムやテイクアウトもいいかも!!
ウクライナのクリミヤ問題・・・ 日本でもいろいりニュースで報道されて、ロシア人にとってこの黒海沿いが特別な場所であることはお気付きのことと思います。とにかく大好き!! もちろんお金があればエーゲ海、地中海の方がいいのでしょうけど、日本で言う、「ハワイ、沖縄より近所の海水浴場!!」という感覚でブルガリアのビーチリゾートに来ているロシア庶民はたぶん圧倒的に多いのでしょう!! オブゾル周辺も例外ではありません。ロシア語を話す人たちは皆、地元ブルガリア人と同じくレンタルのパラソルもシートも利用せず自前のものを使っています。 海辺まで売りに来る茹でトウモロコシやゲブレック(プレッツェルに近いパン菓子)を売り歩いているおにいさんたちにも財布の開き具合が渋目です。
ちなみにこの売り子のおにいさんたち、「ツァ~~ルルルルルレヴィッツツツツァ~」(ブルガリア語でトウモロコシのこと)、「ゲーーーブルルルェっチェ」と大声で売り込みますが、何か超ービックリな巻き舌!!(笑)
結局のところホテルの予約方法も、考えてみると地元ブルガリア人が予約してやってきて現金で代金を払うことよりも、ロシアをはじめ外国から来るお客さんが銀行振り込みで前もって(ユーロやそれぞれの地元通貨で)代金を払ってくれるのをターゲットにしているって事ですよネ~?
オブゾル市街には食べ物だけでなくなぜかブティックがいーっぱい!! 来る時には身軽に着の身着のままで来ても着いてからこちらで逗留中に好きなお洋服を買える、と言う訳です。ちなみにソフィア市内にたくさんある中古服店は一つもありませんでした。
オブゾルの町の中心の時計台の周りにはブルガリア民芸品を売る出店がたくさん並んでいます。
街の中には観光用の馬車が走り回っています。ウチの近所のロマの人たちの馬車とは大違い・・・ ソフィアのお馬さんたちがけっこう痩せてるのに重いものを引っぱらされて車に追い抜かれながらヒーコラ走っているのに比べると
ここのお馬さんたちはゆとりすら感じます。公園にはポニーもいて子供たちに大人気!!
ビーチの近くにある整備された公園にはアトラクションがいっぱい!! 移動遊園地にあるような小さな観覧車や逆バンジー、そして空気で膨らませる滑り台(? そしてそこに書かれているキャラクターも??)、
それから水に浮かべたボールの中で大車輪の中に入ったハムスターみたいにクルクル回るやつ(なんていうんだっけ?)
さらにはまるで日本の縁日のようなくじや射的、
それから今年の流行はどうやら「ドクターフィッシュ」!! でも1回15レバ(日本円にして1000円強・・・ チョッと高くネぇ?)
リゾートに来て財布の紐ならぬチャックがゆるんだロシア系をはじめとする外国人観光客に買ってほしいのでしょう。 そしてロシア系だけでなくトルコ系のビジネスマンたちもEU加盟国であるブルガリアの不動産に触手を伸ばしているらしい・・・ 確かに黒海リゾートはオイシイ・・・
ここだけでなく海岸沿いには貸しマンション、売りマンション建設ラッシュがまだまだ続いており、お客さんの購買意欲はまだまだあるように見えますが・・・ でも、ブルガリアの海岸沿いは「コンクリートジャングル」になっちゃうヨ・・・
ワタシはとにかく文字通りオイシくて楽しい、短いけど充実した休日を楽しみました。アァ~っ!! ポプチェタ(=ハゼ)のから揚げ食べるの忘れた!! 今年もう一度来れるかなァ?
ワタシがホテルをオブゾルに予約した次の日、同じ黒海沿いの都市ヴァルナの北の方で川の氾濫による洪水が起きていました。上流の方であんまり考えないで水門を開いたのと、下流の村の違法建築により犠牲者は11人にも上りました。友人たちがライフセーバーとして働いているビーチリゾート「アルベナ」も被害にあったらしい・・・ そんな悲しいニュースがありましたが、ワタシの短いリゾートでの日には雨は降らず好天に恵まれました。
ビーチでキャ~っ!! ザバーン!! 水温は20度前後でちょっと冷た目ですが、気持ちいい~♪ キャーキャー言いながらチャプチャプするとストレスぶっとぶーっ!! 太陽はワタシの味方だ~!!
そろそろ帰り支度をしてビーチから階段を上ると・・・ あれ?何このテープ? 立入禁止? よく見てみると日本でいう小中学生くらいの男子がこのオブゾル市内を自転車ロードレース中!! アーっ!! ナツ~イ!! みんなドロップハンドル!! ワタシが小中学生の頃、男の子たちはみーんなコレでした!!
レースはそれぞれ地方チームがコーチや車を出してきていました。檄を飛ばしています!!
「イズヤジュ・ゴ ベ~!!」 つまり「抜けーっ!!」 (文字通りには「食っちまえーっ!!」?!)
シャワーを浴びてホテルをチェックアウトし、帰る前にこの街で食事をしておこうと町の中心部に行くと、ちょうど表彰式・・・ メダルを授与してるのは町長さん?・・・(けっこう893っぽい、もしかしてマ○ィア系・・・笑)
「ドブリッチのチームも参加してよい成績を残してくれました!! 洪水でいろいろ大変だろうけどがんばってネ!!」と主催者のコメント・・・ 記念品を渡されてたけど何だったんだのかなァ? その頃はまだ不明者の捜索も続いていたので関係者は大変だっただろうとおもいます。でもこういう若い人が競技に参加しているのを見るとちょっとホッとして励まされる感じがします。ガンバレ!! 復興活動も!!
思いがけず自転車競技も見れてヨカッタ~!! でも、ホントにさすがヨーロッパって感じです!! 自転車ロードレースがこんなに盛ん!! ちなみに主催者は優勝した選手に、
「この海色のシャツを贈ります。ツール・ド・フランスだと黄色だけど、オブゾルなのでこの色です!!」 青空&黒海の輝く海の色!! 青春だねぇ~!! スポ根大好き世代のワタシとしてはちょっとウルッと来ちゃいましたヨ!!