今日も庶民の街、たぶんアカ抜けないのがいいところといえるリューリン区・・・
お買い物にいつものパザールへ!! リューリン区役所あたりから始まる一帯。去年もずいぶん野菜売りに不法占拠されていたらしいところからその店舗を撤去されていましたが、今度は一般の店舗の屋根が大修理中!! いつも果物を買っているところのおばさんの店がそのせいでお休みです。ガガガガ・・・ 重機や工具のすごい騒音!!
ここのところ市内の他の大きなパザールがいっせいに大修理、改装中です。市内中心部にある「ジェンスキー・パザール」。地元民には「キルコフ」とも呼ばれる一大市場は半分くらいのところから鉄の壁で囲まれ、中には大きなクレーンが入りました。そしてオープンカットで地下を掘っています。あれ?ここにも地下鉄駅?でも地下鉄の線路からは遠いから地下に駐車場でも作るのでしょう・・・ とにかくこの掘り返し工事のせいで、これまた安くていつもよく利用していた小さなお店(ブルガリア語で「セルギイ」)はどこかへ行ってしまった・・・ この掘り方だとちょっとスグにはピッカピカの新店舗が出現してくれそうもない・・・ 冬を越すかな?
別のソフィア市内の大規模パザール「ペトコフ」も半分以上は改装工事中。そのせいかお客も少なく、後半分の開いているほうの店も商売あがったり・・・ ペトコフはお花屋さんがいーっぱいあって、ジェンスキー・パザールより安いんですヨ!! お花好きにはたまりませんネ~!! 早く工事が終わってくれないかなァ~。そこでお花屋さんをしているマリアナによると、ホントは9月1日までに工事が終わるはずだったんだけど・・・ そして新しい店舗に入るには入札制(オークションですね)で家賃がつりあがるだろうから、その分お花代も高くなっちゃうんじゃないか、って・・・
見てると、ナデジュダのパザールも改装工事やってるし・・・ ということは他の地区もたぶん・・・ この9月から始まる、冬の保存食作りのための食材調達にちょっと不便だな~。と、おばあちゃんたちは思っているようです。大きな袋やカートを持って工事現場の間を行き来しています。今は「チュシュキ」つまりピーマンっぽい類が山積みで売られています。赤いものや青いもの、そして辛~いものも!! さらに、長ネギ、オクラ、ぶどう、ブルーベリー、ラズベリーも!! まっ、お買い物にみんな夢中だから工事は気にならないか・・・ 気がついたころにはキレイになってるのかも!!
今日も庶民の街、ソフィア市リューリン区。朝の日差しがまだ柔らかなころ、窓の外を眺めていてふと下を見ると・・・あっ!! ネコ~!! ウチの窓の真下でくつろいだり、じゃれあったりしてるぅ~!!
そしてそばにはお母さんネコが・・・ むむっ、よく見るとこの前と同じお母さんに、例のパターンの兄弟ネコだぞっ!!! 一匹はチャトラ。
もう一匹は黒? さらによく見ると黒いほうは靴下をはいているような・・・
と、またある日の日が暮れてから家に帰ってみると、なんか
暗がりでよーく目を凝らしてみると、なんとこのヒゲオネコは超小さな、たぶん赤ちゃんネズミと闘っているのでした。「窮鼠ネコをかむ」とは言いますが、こんな小さなネズミの逆襲にネコのクセにアタフタ・・・ そしてその後、たびたび二匹のネコ、チャトラとヒゲオネコが一緒にいるところを見るようになりました。
同じヴホッドの人たちの前にもこの子ネコたち、結構現れているようです。ちょうど出かけようとしていたときにこのコたちが現れたので「ネコおやつ」を上げていたら、ドモプラビーテル(自治会長)のおばさんがちょうど出てきて、「プスプス・・・」と呼びかけながらうれしそうな顔をして、「ウチのヴホッド、結構ネズミが出るのよネ~!! 捕ってくれるようになってもらわなきゃ!」といいながら出かけていきました。まだ未熟ですが、実際がんばってますよ~(笑)。
まっ、明らかに兄弟ネコですね~。おそらく両方オス・・・ 母親のサビっぽい黒トラは最近またおなかが大きい・・・ この兄弟ネコは独立を迫られているようです。でもまだちっこい・・・ これくらいまでは兄弟同士コロコロ一緒にいますけど、これより大きくなるともう一緒にいるのを見るのはマレになります。以前にもいたウチのまわりの兄弟ネコたちもそうして方々に散っていき、ノラ犬にも負けずワタシからエサをもらった日々のこともすっかり忘れ(涙)たくましく成長していったのを見守ったものです。
そういうこともあってこのくらいの子ネコはビミョ~・・・ このままフリーで行きたいのか、誰かに飼われて「就職」したいのか・・・ このコたちはどうだろう? かく言うワタシもいつもネコエサを持っていていつでもあげられるようにしてはいますが飼うには至らず・・・ っていうか、ネコたちはえさだけ食べて少しも触らせてくれない・・・
ソフィア市内では動物愛護団体がキャンペーンを行っていて、各バス停に「ゼミ・メ・フクシュティ」(おウチにつれてって!!)というコピーとともに人とネコや犬が大きく写ったポスターが掲げられています。ネコはまあいいとして、犬を飼うにはこういう集合住宅は犬のための環境としてはよくないし(といいつつ近所でもたくさんの大型犬が飼われていますが)・・・で、ノラ犬は増えてくし・・・
このチャトラとヒゲオネコはどうなるかな? しばらく見守っていたいです。カワイイし・・・
ブルガリアの夏の首都、ヴァルナと黒海沿いのドライブに出かけたとき、シューメンの友人、レニとステフチョのところへ寄りました。シューメンはヴァルナへの途中、この町の入り口からヴァルナまでは高速道路が開通していて車で約1時間弱なので、ショッピングは、というとそちらに行くことが多いそうです。
最近アンティークに凝っているステフチョ。今ハマっているのはビクトリノックスのナイフやジッポーライターのコレクション・・・ お金はないけど楽しめるこうしたコレクターのよく行くフリーマーケットがヴァルナ市内で毎日開催されているところがあるんだとか!「行ってみよーよっ!!」
古くからある市営ショッピングセンターの前の小売店の貸店舗の裏・・・ ちょっと路地を入っていくと・・・
ああ~っ!!! こりゃスゴイや~!! ブルガリアの伝統的な鍋、食器、ジェズベ(トルココーヒーを沸かす手鍋)などホントにアンティークなものから、
「これは共産体制時代のもの?!」と思われる小物やおもちゃの類、そして70年代、80年代、さらにはあんまりアンティークとはいえない90年代のレコードやCD、オーディオコンポにケータイの部品、さらにはコンピュータのハードディスクなどの「ダイジョーブなの?」と思えてしまう部品、といった、タダ古い、一昔前のモノたちがドッチャリとそこらへんに並べられています。それにまぎれて中古のキリム(じゅうたん)や服、くつ、かばんまでもが!! 売っている人もお客も9割は男性。そして売っているのはロマの人たちです。ふつうのロマの人も、トルコ系ロマの人も入り乱れ、
「これは5レバですよー」
「これは新しいよ~」と呼び込み!! まっ、値段はあってないようなものなので交渉次第。ほとんどどんなものでも5レバ、って言って来ます!! レニはまあまあはけそうなハイヒールを見つけました。ステフチョは機械式の時計を物色中・・・ ですが、
「エぇー、これが5レバー?!」 とか、「これって新品が普通に5レバで売ってるわヨー(怒)」・・・ と、ワタシは心の中で思いながら、「5レバから値切りスタート」と考えとけばイイや(笑)
ソフィアでは、アレクサンデル・ネフスキー寺院の前の広場での出店が観光客にはおなじみです。確かにフリマ的中古品も扱ってるし、アンティークなものを持ち込めば買い取ってもくれそう(ホントに家から発掘されたであろう古ーい電話機を売りに来ていた若いカップルがいましたよ)ですが、アレはどちらかというと観光客相手のおみやげ屋さん。本物のソフィアのフリーマーケットは毎土曜日にマラシェフツィ地区で開かれているヤツ。こちらは大規模ですが週一。ヴァルナは毎日やっているんだとか。
ステフチョは、連れてきてくれたのはいいけど、いつしか自分が夢中になっちゃって30分も私とレニをほったらかし・・・ とうとう最後にはレニはキレ気味で、
「もォ~!! ショッピングモールの方に行っちゃいましょっ!!」・・・ 確かにこのフリマは男の子向きのよう。女子の心をつかむものはちょっとなかったかなァ~。
こういうフリマのことをブルガリア語では「ビタック」または「ビットパザール」というんだそうです。日本でフリマは、いらなくなったものをリサイクルするための場、という感覚だったけど、こっちのビタックは本気で商売としてやっている感じ。でも時々南米などで聞く「ドロボー市」ではないそうですヨ!だって盗品の金目のものなら「ザロジュナ・クシュタ」つまり質屋に持ち込まれて換金されるから・・・
おまけ:ビタックから出てくるとき、並んでいる貸店舗の中のペットショップで、大きなネコがシレ~っとお店の中に入っていって商品のカリカリに大胆に頭を突っ込んで食べはじめました。 アーっ!! 「大丈夫なの、これ!?」って心配になってお店の人に尋ねてみたら、
「あっ、それ、うちのコ」。・・・道理で寛大・・・(笑・写真がなくて残念。)
国道に戻ってさらに進んでいくとヴァルナとブルガスのほぼ中間地点でビャラという町に入っていきます。ビャラとはブルガリア語で「白」の意味・・・ 国道沿いの街の入り口に「ワインテイスティング」の看板!!
そして町の中心部に入っていくと明るい海にまっすぐ下る坂道。まだまだ建設中のリゾ-トホテルやアパ-ト・・・ でも地元のお年寄りがその辺のベンチにのんびり座ってダベッていて、きらびやかなロシア人たちなどで混みあっていない垢抜けなさがかえっていいかも。(隣町のブルガス県に入ったオブゾルという町は、規模はビャラと同じほどだけど、それはそれはヴァルナと同じくらい観光客でごった返して、通りはまるでお祭り騒ぎ、縁日みたい!!)
興味をそそられたワインセラ-に戻って行ってみました。今はワインのシーズンではないし、かなり夕方だったのでやってるか心配しながら入っていくと、かわいいモミチェタタが「やってますよ!さあどうぞ」小さなワインセラ-ですが、ブルガリアの固有種「ディミャット」を使ったオリジナルのワインも作っているみたい。7種類あったのを全部テイスティングさせてもらって、ディミャットの白とロゼを買いました。冷やして飲んだらおいしいだろうなぁ・・・
いろんな国の国旗が壁に貼ってあって、その中に日の丸もあったので、「日本人も来るの?」と聞いてみると、「ええ、来たわよ!確かゲストブックに名前が書いてあったはずだけど」と見せてくれました。おお~、確かに!! 個人旅行でしょうか?ツアーじゃ来ないよねぇ・・・日本人もなかなかディ-プなところまで来てますね!!
そういえば、ブルガリアを旅行すると、地方地方の方言で、一瞬「ワタシ、ブルガリア語が下手くなった?」と思うほど通じないことがよくあるのですが、この街では不思議と何の違和感もなく通じる・・・ ソフィア近郊の人が夏の間働きに来ているのかな?とも思ったけど、どうもそうでもないみたい。後で調べてみると、以前はここにギリシャ人が住んでいてバルカン戦争後に住民の交換が行われ、ギリシャのマケドニア地方に住んでいたブルガリア人がつれてこられたんだとか。だからかな? ペルニックに住んでいたワタシにとってギリシャ方面に向かうこの地方のブルガリア語はなんだかわかりやすく感じます。
この町に息づく歴史はそれだけではありません。ブルガリアが南北に分割されていたころ、ここがちょうど国境だったので税関があった、とか。太古の昔から人が住んでいたらしいこの町・・・ 確かに海の近くに行ってみると遺跡を発掘しているところがありました!!
そしてそこから海岸を見ると、この町の名前のもとになった「ベリテ・スカリ」(白い崖)!!
派手に観光地化される傾向のブルガリアの黒海リゾートの中では珍しく、隠れ家的で、ブドウ畑とささやかな漁業の小さな町として残っているこのビャラ・・・ もう少ししたら庶民のワタシのようなものでも気楽に泊まれる場所がいっぱいできるのかな?
今回はバンガローもしくはホステルに泊まる費用を奮発してワインを買ってしまったのでどこにも泊まらずに一気にブルガスを通過して新しい高速道路を使ってソフィアまで帰ってきてしまいました・・・ でも、来年はこの町に何泊かして、ビーチで日がな寝そべったり、港で魚釣りをしたり、ワインをのんびり楽しんだりしたいなぁ・・・
おまけ情報:トラキア高速の最後の区間が開通したのでソフィアからブルガスまで全線高速道路で4時間を切るようになりました。ホントに近くなったなあ… でも、ブルガスから250kmくらい(プロヴディフとスタラ・ザゴラの間くらい)まで高速道路上には上り線にも下り線にもガソリンスタンドがまったくありません!! 高速道路に乗る前にガソリンの残量のチェックはきちんとしましょうネ!!
8月が終わりに近づくにつれ急に涼しくなったブルガリア。これは夏が終わる前に海を見ておかなきゃ、と出かけたのですが・・・
ブルガリアの夏の首都、とも呼ばれるヴァルナまで行ってから海岸線を走って、どこか海辺のバンガロ-に泊まってちょっとだけで海で泳ぎたい!
去年行ったバルチックに行っておいしいミディ(ムール貝)、ポプチェタ(ハゼ)、そしてお魚のス-プ!!
ブルガリアでよくあるショムガ(鮭)の頭を使ったスープではなく、どうも地元で取れたであろうアジを使ったものでした。けっこうコッテリしててオイシー!! そして今年もネコが・・・
ここまで北上してきたけど去年行かなかったヴァルナより南の海岸線を走ってみよう!と走り出しました。
国道はずっと海岸沿いを走るというよりは少し海から離れたところを走り、点在する街をつなぐ感じで、そのほとんどがリゾ-ト地になっています。ヴァルナからブルガス方面には最初8kmだけが高速道路。いくつか目の集落から海の方へ降りてゆくとカムチャというビ-チリゾ-ト。さっそく試してみよう!!
友人たちが言うには、静かでテントを持ち込んでキャンプするのにいいらしい。確かに国道からず-っと降りて林の中を抜けていくので隠れ家的でいいんだけど・・・ 何となくさびしい、人よりもカモメの数のほうが断然多いと思われるビ-チに、なぜかまったくブルガリアっぽくない巨大な体育施設が!! イスタンブ-ルでオリンピックがあったとしたらここでEU諸国はキャンプを張るのでは?というほどすばらしい建物だけど、なんだかアヤシイ… 黒くてデカイSUV車もけっこういたぞ! 後で調べてみるとどうもここにもロシア資本が入っているらしい。
黒海沿いのリゾート地のほとんどはロシア人が大挙して押し寄せているようです。それは見ればすぐ分かる!! ロシアやウクライナナンバーの高級車、ブルガリア人よりもファッショナブルで洗練された感じの家族や集団… 聞こえてくるのはロシア語。そしてその上客様たちに商品を売り込むロシア語を話す店員たち。確かに昔からこのあたりのリゾート地は「赤のリビエラ」とも呼ばれ、ロシア人たちにとっての夏の楽園ではあったのですが… ちなみにここのウリはビ-チだけではなく、医療関係の療養施設と、「ブルガリアのジュラシックパ-ク」なるリバ-クル-ズだそうですよ。でもビ-チと河口が近いということは、気をつけないと危ないゾ。事実今年ここで8人溺れて亡くなったってアルベナでライフセ-バ-をしているル-メンとマヤが言ってた、お~、コワ。
そういえばそのルーメンとマヤもロシア人たちのリゾート感覚にビックリしていました。「聞いたんだけど、黒海ってロシア側もあるでしょ? そこにもホテルやリゾート地はあるみたいなんだけど、すごく高いらしいの。 だから多少遠くてもこっちに来た方が安く上がって、その分長く滞在できるんですって!!」 え~っ!? 二人の働くアルベナはブルガリア人の視点からすれば超高級リゾート!! なのに「お安いワ~♪」と長逗留するロシア人ってどんだけ金持ち?! ちょっとひいてしまって・・・
結局カムチャでは足を海につけただけ、そそくさと退散。次の街に向けて走り出しました。