おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

暑かった日にコプリフシュティッツァへ

2015-08-30 20:21:35 | まち歩き

それはこの夏一番暑かった頃、アメリカからの友人たちが来ていた頃のこと・・・ まだ寝ていた朝6時頃に上司から電話がかかり・・・
「友人たちがツアーに行くのに空席ができたから行って来いっ!!」・・・後から本人が言うには友人たちのお世話係の「ご褒美」のつもりだったらしいのですが、どうしてもそうは聞こえず・・・ でも、いいや、行っちゃえ!! ということで急遽支度をして出かけました。ツアーの行き先がコプリフシュティッツァだったので、一番暑い時に少し涼しいかも、という期待もこめて・・・

正直、暑すぎて寝れなかったので、冷房の効いたツアーバスの中では爆睡・・・ 山道を通ったはずでしたが気づかないうちにコプリフシュティッツァに着いていました(笑) 。 今回のコプリフシュティッツァ、いつもは自分で来るか、誰かお客さんを連れてくるかがほとんどだった今までと違い、ツアーについて行くので、今まで入ったことのないところに入って、ツアーガイドの説明を聞く、という・・・ 自分の中でちょっと新しい体験・・・ そしていつもとは反対に回る感じで、まず最初に学校に行きました。

ここ、ブルガリアで最初の公共の教育機関だったとか・・・ 教室に入ると・・・ 壁にかけてあるブルガリアの偉人や、字を見ながら勉強したんでしょうかね?低学年の子供たちは紙や石版ではなく「砂版」(?)で字の練習をしたんだって。

そしてそれぞれの生徒にはその特徴を書いた(例えば「勤勉」とか「言うことを聞かない」とか・・・)名札を首からかけたり、あと「今日の1等賞」みたいなコーナー(確かそう・・・ 逆に「今日の立たされんボ」じゃなかったはず)があったり・・・  

なつかしいなぁ・・・ ワタシが小学生の頃、1ヶ月誰が忘れ物をしたか統計を取り、「忘れ物チャンピオン」は首から金の折り紙で作った大きな「忘れ物チャンピオンメダル」を首から掛けさせられれた(当人はみんなにウケてると思ったらしく、結局罰としての機能を果たさず・・・)!! うむむ・・・今の日本の学校だったら確実に「モンスターペアレント」だけじゃなくて「教育委員会」からもクレームが来そうだなぁ、なんて思ったり・・・


もちろんここも、それだけではなくコプリフシュティッツァで使われていた織機や道具たち、そしてここでつくられていた民族衣装が展示されています。

古い街並みを、ボコボコの石畳を通り、いくつかの「ミュージアム・ハウス」のそばを通っていくと、オスマン・トルコへの反抗が起きたので有名な橋に行き当たりますが、そのたもとのお店(?)の前でおねえさんたちが二人で何か作業しています・・・ 前に行った時にはいつも閉まってるところだったんだけど、何をしてるんだろう、何を売ってるのかな?

ここは元はお店ではなく水車の力で羊毛をたたいてフェルトをつくるところだったそうです。そしておねえさんたちはフェルト細工を作っているところ!! ベースのフェルトにいろんな色のフェルトを針でツンツン叩き込んで模様を作っていきます。お花や動物たち、雪のコプリフシュティッツァなど素朴なデザイン・・・ 

頭の中で絵を描きながらデザインしていくんだそうです。目の前で作業をして出来上がったばかりのフェルトの敷物、友人たちの興味をしっかり捕らえていました・・・ まだ出来たばかりで濡れてる作品を購入した友人も!! 「でも、帰るまでの間にタオルにでも挟んだり、乾いたところにおいておけば大丈夫!! しっかりしたものだから丸めても大丈夫だし、手洗いなら型崩れしないわよ。」とのこと・・・

アメリカからの友人たちには、かわいい建物や古い歴史のある街並み、そしてソフィアより涼しいのが良かったみたい!! ワタシも初めてのものをいっぱい見れて良かった・・・ そして何より行きも帰りもよく寝れてとってもよかった・・・  

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夏の終わりにぴったり~温泉保養地ヴルシェッツでのんびり

2015-08-23 07:40:09 | 温泉ブログ

ベルコービッツァ、モンタナという、ブルガリア北西部・・・ この地方(モンタナやブラッツァ)ってワタシがブルガリアに住んでるこの10年間で一番よく来てる地域の一つだけど、そっちのほうに温泉ってないかなァ・・・? と調べていると、なんと!! ヴルシェッツという温泉リゾートがあるってブルガリアの観光サイトに書いてあるっ!! 何で今まで気づかなかったんだろう?! なんせ、ここって「ブルガリア最古の温泉保養地」なんだって!! そしてベルコービッツァの友人たちの家からたったの30分!! ヨシっ!! GO!! ソフィアからだと150Kmほど、約1時間半で着くことになります。

街に入るとハイシーズンの活気が感じられます。車のナンバーは、黒海沿いとは違って周辺の人々のみ・・・ ソフィアナンバーさえもそんなにたくさんはいません。何でもこの夏、黒海沿いのリゾート地の方は、モラルのない一見さんや、外国からの客で大変なことになってるんだとか・・・ 地元民が大切にしているこの小さな温泉保養地の心地良さといったら!! キレイだし、混み過ぎないし・・・ ヘンな酔客もいません。 

 って行ってみてからその辺のホテルでも・・・ と思っていたらどこも満員!! それもそのはず!! 夏のヴァケーションのハイシーズンの中でも、特に8月15日は「ボゴロディッツァ」という祝日で、この辺の近所にもそのお参りに来る人でいっぱいの教会があり、そのついでにたくさんの人が利用しているようです。ブルガリアのこういうリゾートではまず安い民宿みたいなところから埋まっていくみたい。ブルガリア人たちは値段の安い民宿に泊まって、公共のプールや

ホテルのプールを別料金を払って利用するようです。だからツーリストインフォメーションで尋ねると、「大きなホテルなら空いてるわよ」と言われ・・・ でも、ハイシーズンでも一番ハイな週末に当たってしまって、街の真ん中から端っこに向けて高そうな大きなホテルを何軒か尋ねてみたけど、どこも満室・・・ やっと街外れに近いところで見つけた大きめのホテル「アタ」。

土曜の晩だったので平日は80レバのところを週末価格で120レバ・・・ まァ、「ソフィア価格」でちょっと高めでしたが、外プール、

内プール、

ドライ&スチームサウナなどの施設は充実。そして朝食バイキングつき!! サービスは申し分ありません。

チェックインして少し街を散歩してみました。街の真ん中を歩行者天国が貫き、中心部はコンパクトにまとまっていますが、カフェやレストラン、お店もある程度あります。

屋台も出て夏休み気分を盛り上げていて、ちょうど街の中心になるところには噴水があり、おばあちゃんたちがアイスクリームを買っておしゃべりしながら食べてます。


家族連れのグループも多いようで、じっとしてられない子供たちはカフェから出て通りでサッカーしたり、歌謡ショー(?)をはじめたり・・・

街を流れる川のほうに行ってみると、温泉水の水汲み場に、

大きな公園!! 何でもこの公園、大きさがソフィアのボリス公園についでブルガリアで第2位なんだって!! Googleマップで見ると、この公園に当たるところに温泉施設らしい建物が見て取れます!! (だんだん温泉に鼻が利くようになってきちゃいました。笑) きっとこの辺にあるんだろうなあ、と建物に近寄ってみると・・・

「国営温泉」って書かれてるけど、やってないみたい・・・ それからマップで見た特徴ある建物!! 

これ、聞くところによるとブルガリアが王制だった頃からのカジノだったんだとか。フェルデナンド公がよく遊びに来ていた、とか・・・ 現在はカジノと古い温泉施設は廃墟になっていますが、建築の様式やその大きさからしてその規模、すごかったんでしょうね~。ちょうどその間に今でも営業している温泉施設(ノヴァ・バーニャ、訳すと新浴場)があり、入口で受付のおばさんが座っていたので値段を聞いてみると、日本の銭湯のような公衆浴場は3レバ、個室になっている「バナ」は8レバだそう・・・ 「ここのお湯はなんにでも効くわよ・・・」と病名を列挙されました(笑)。

街の中を散策してホテルに戻り、早速プールに行ってみることに!! 

すべての部屋からプールが見えるようなつくりのこのホテル、宿泊客が思い思いに日光浴や温泉水のプールを楽しんでいます。


みんなホントにここでの時間を満喫しているようで、まず朝起きて最初にすることが朝食ではなく、プールの場所取り!! 朝ごはんを食べに来る前にまずプールによって、ビーチベッドにバスタオルを敷いて場所取りしてから朝ごはんを食べに来ます・・・ そこまででもないワタシは朝食バイキングに直行(笑)。アメリカン・ブレックファストでなかなか!!

夕食は近所のバーベキュー屋さんへ。おいしいビールと!!

外国人はホントにワタシだけ・・・ ちょっと目立つけど気にしなければ全然!! そのゆったりとした時間の流れに癒される高原の温泉保養地でした。 

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Middle of nowhere... Once upon a time...

2015-08-22 07:27:53 | アート・文化

チプロフツィからの帰り、友人たちが「ちょっとお茶したいね、どこ行こうか?」と言い出しました・・・ チプロフツィからベルコービッツァまであまり大きな町もなかったみたいだし、これは友人たちの家の近くのどこかに行くのだろう、と思っていると、

「モニュメントのところに行こうか?」・・・ モニュメント? 本当にどこか分からないところをぐるぐる回ってまさに「ミドル・オブ・ノーウェア」(訳すと人里離れたところ、もしくは荒野の真っ只中・・・ でも、う~む、荒野ではないなァ・・・)と呼ぶにふさわしい場所にドーンとすっごく高~い塔(記念碑?)が立っています。

もちろん「共産アート」!! でも、なぜこんなところに? そして何にもないところの真っ只中に塔があるだけでなく、かなり長い間ほったらかされてる・・・ 荒れ放題です。塔の中に入ってみると・・・ 

ウチのアパルタメントよりもぶ厚いコンクリートでできてる・・・(笑) ウチのアパートなんて近所がレモントしてるだけでガンガン響いてくるのに、ここの壁はビクともしなさそう・・・ でも今じゃツバメたちの「共産団地」?

塔の周りには石碑、多分ここには水が流れていたであろうプール、整備されていればキレイな庭園のはずなのに、好き放題な方向に伸びた庭木、

そしてもしかしたらここには火が灯されていたのではないかと思われる、古代トラキア人だったら犠牲をささげたような岩・・・ 


石碑を見ると「1688,1923,1944」と3つの数字・・・ これらの3つの年のいつも9月に「解放のための闘い、蜂起」があった・・・ 1688年はオスマントルコに対してチプロフツィ蜂起、1923年はゲオルギ・ディミトロフの9月蜂起、そして1944年はナチズム、ファシズムに対してパルチザンが闘いそしてソ連軍と一緒にブルガリア共産党が自由と平和をもたらした・・・ 

と言いたいのでしょう。

ホントにここって「荒野の真っ只中」って表現がふさわしいトコなのに、地元の人たちで知らない人がいないところだそうで・・・ それはなぜか?というと、この記念碑のすぐそばにある、それこそ私たちがお茶しに来たところ! 「バロヴァ・シュマ」という場所(もしくはレストラン?)で、バンガローもある!! 多分地元の人たちはここで何か共産党の記念行事があったときだけでなく、結婚式やアビトレンスキ・バル(卒業パーティー)などで必ずここを使っていたのでしょう・・・ ここで一休み・・・ 

カフェとアイスクリームで一休みしていると足元に黒猫が!! そしておんなじ大きさの黒猫がもう一匹!! 子猫たちですが一匹はひざにまで登ってくるほど人懐っこくてもう一匹は花壇の草の陰に隠れて人見知り・・・

おんなじ時に産まれた子猫たちでしょう?!

チラッとメニューを見ると、「アヒルの丸焼き、鶏の丸焼き、七面鳥の丸焼き・・・」と言うラインナップ。ちょっとトイレを借りにレストランの裏のほうに回ると、まるで動物園のように「グワッグワッ!!」と・・・ そのメニューに載ってる鳥たちが!! ああぁー!! オーダー入ると死ななきゃいけないのネ・・・ じゃあ絶対オーダーしなーいっ!!

帰る前にもう一度モニュメントを見てみました。モニュメントの横にある銅像、何だかバランスが悪い・・・ 

よく見ると銅像の一人分がぶった切られて靴だけが残っている・・・ (ちなみにここが現役だった頃の写真を見つけました。リンクはこちら) 

この部分の金属が切り取られて売られちゃったのかなぁ・・・ それとももうソフィアの「共産アート美術館」にあったりして・・・ 社会主義体制が倒れたのは、「昔々、人里離れたあるところで・・・」って言うにはそんなに昔のことじゃないはずなのにあまりにこの廃墟感。体制の崩壊と共にブルガリア全体がいろいろ変わっちゃった、って事なんでしょうか・・・? う~む。10年いても知らなかった所、ブルガリアにまだまだいっぱいあるのネ。この地方ももっと「開発」の余地、ありかも!!   

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チプロフツィ ~じゅうたんの町、国境の町

2015-08-21 14:58:28 | まち歩き

そろそろこの猛暑もひと休み・・・ になりつつあるソフィア・・・ 今年は海に行けなかったけど、もう海って感じじゃない。にしてもどっか行きたいな~
そんな時ベルコービッツァという北部の町に住む友人が遊びに来るよう誘ってくれました。ソフィアからは例の崩落するんで有名なペトロハン峠越えで行きます。モンタナ方面だなぁ・・・ 近所にどっかおもしろいとこないかなぁ・・・ と思って地図を見ていると

セルビア国境に近いところにチプロフツィという小さな村があります。そういえば、ソフィア在住の友人ドラのところのぺトランカばあちゃん、痴呆がかなり進んでいて、いつも「今からチプロフツィに帰らなきゃ・・・ ヤギの面倒見なきゃ・・・」って言ってたなぁ・・・ 自然が美しいところだそうですが、産業も酪農以外ほとんどなく過疎化が大変な上に、作物はジャガイモしかできないのにいのししに食い荒らされちゃうっていう・・・ でもここは昔からじゅうたん作りで有名なところでいまでも細々とじゅうたん作りが続けられているんだとか。最近はやはりチープな大量生産品が主流ですが、一生ものの、こういう高品質なものも一度は手にしたい!! つくるところを一度見てみたい!ということでベルコービッツァに誘ってくれた友人たちに、「チプロフツィに行ってみたいんだけど」と言うと、その町に住む彼らの友人のおばあちゃんたちのところに一緒に連れて行ってくれました。

そのチプロフツィじゅうたんを手作りしているところを見せてくれるところがある、とチプロフツィ在住の友人マリアおばあちゃんが教えてくれたので、一緒に連れて行ってもらいました。このマリアおばあちゃんも昔はじゅうたんを織ってたんだって・・・ この町の本当に中心、役場のまん前、ミニマーケットなんかと同じ建物に同居する小さなアトリエ。ここにオーダーすると、いろいろつくってくれるそうです。

作業をしていたおばあちゃんに、「けっこうオーダーって入るんですか?」と尋ねると、「そうね、忙しくなりすぎない程度に入るワヨ」との事。

鮮やかな赤や黒は、染料を買ってきて羊毛を染めて織るそうですが、ここのじゅうたん、本当は草木染でトマトやイラクサなどを使って自然な色に染め上げ織る、と言うのが特徴の一つで、今でも発注があればやるんだそうです。店の壁にかけてある見本で、その、キツすぎないナチュラルな色合いを見る事ができます。こんな風なじゅうたん、欲しいなァ~!! ・・・お金があったら絶対!! だけどお金がないのでおみやげに買えたのは小さなコースター。でも伝統の柄でかわいいでしょ?


町の中心部を流れる川に平行している通りには、もう一軒じゅうたんを売るおみやげ屋さん。また自然が豊かなところなので観光客も来るのでしょう、民宿も何軒もあります。なんとも素朴な、田舎の町のたたずまい・・・

川沿いに出て橋を渡るとこの街の博物館があって、そこでもじゅうたんの展示をしているようです。ちょうど行ったのは昼休みの時間帯・・・ 「あと少し待ったら開くけど、どうする? 博物館を見る? それともどこか自然の中を散歩してみる?」とみんなで話していたら、マリアおばあちゃんが、「この博物館、じゅうたんの展示もあるけどあとは武器とか、そんなのばっかりなのよネ・・・」 武器かぁ・・・ しかも昔の・・・ ブルガリアの有名観光地、例えばコプリフシュティッツァやプロヴディフもそうですが、どうしてもオスマン帝国から独立するための闘いに焦点を当てた展示になっちゃうんだよなぁ・・・ ここも1688年の「チプロフツィ蜂起」の舞台・・・ ということで、博物館はパス!! ちょっとしたハイキングの方をチョイス!

ここから登っていくと「チプロフツィ滝」があるよ。わたしゃこの町で生まれ育って74年だけど、まだ一度も行ったことがないワ・・・ でも次のときには一緒に行くから下見してきて!!」とマリアおばあちゃん。道を教えてもらって、行けるだけ車で行ってあとは歩くことに。

道は途中からがたがた道に・・・ 途中で何かジープが停まってる・・・ けど無視。ずんずん上っていって、ここが入口かなぁ、と友人たちがうろ覚えだったところに車を止め、そこから歩いて登ってみましたが・・・ しばらく行くと木が生い茂って行き止まりに!! あれれ? と引き返してみると途中で「滝」と書かれた標識が木の茂みに打ち捨てられていました!! そりゃあ着かないハズだワ・・・。いずれにしても滝に行く道は冬場の嵐で倒木だらけになり行けなくなってしまったらしい・・・

車のところに戻ってみるとさっき横を通り抜けて来たジープが停まっています。「国境警察だけど、ID見せて」・・・ えぇー・・・ 滝は見れなかった上に警察に止められて、「なぁんて日だっ!!」・・・ まあでも、本当に国境が近いので国境警察の人たちも一生懸命仕事をしてるのです。何でもここの国境を越える不法滞在者や難民がいるそうで・・・ 警察の人たちも物分りのいい人たちで助かりました。「ここの滝は見れないけどもうひとつ見れる滝があるよ、そっちのほうが大きいし」と親切に教えてくれたし。でもあまりに疲れたので滝はパス・・・

おまけ:滝が見れなかった代わりにこの山道でのミニハイキングの収穫は・・・ 爽やかで涼しい自然の風に野の花・・・
 

そして「カピーニ」!!! ブラックベリーが一面になってて取って食べ放題!! ちょうど甘く熟れていました!! 

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高原でちょっとプチフカ(2)~高原列車はランランランランラン~

2015-08-11 03:00:00 | 鉄道

今回のプチフカのもう一つの目的、それは・・・ 念願の「ナローゲージ」鉄道の全線走破!! 足りてなかった「鉄」分の大補給!!

ドブリニシュテはこのナローゲージ鉄道の終点。始発のセプテンブリからここまでたった125kmなのに何と5時間かかる!! ほぼ自転車並みのスピード!! 何せSLが走っていたころからの線路なのでくねくね、時にはくるりとカーブを切りながらえっちらおっちら走っていきます。だから地元の人たちは全線なんて乗りません。全線乗るのは(ワタシを含め)明らかに「鉄」!! ドブリニシュテやバンスコの人たちはどうやらラズログという街まで列車に乗ってそれからバスで、あとは途中にある小さな街々の間を利用する人や途中のリゾート地からヴェリングラッド、またヴェリングラッドから終点まで乗る人、という感じです。

ドブリニシュテに列車が到着しました。 子供列車のような機関車に「坊ちゃん」で漱石先生が書いておられるような「マッチ箱のような」列車・・・ 反対側に機関車を付け替えるのを見て子供たちは大興奮!! お母さんたちやおばあちゃんたちも子供たちに「ほらっ、こうやって元来た方に戻っていくのよ!」と言いつつケータイで子供たちと撮影。日本製のデジ一を持ったお母さんも車内で子供の写真を撮るのに夢中・・・ 

バンスコ駅では端っこのほうに打ち捨ててあるSLを指差して、「昔はアレが「プフパフ」走ってたのよ!よく覚えときなさい」

と軽い「鉄」教育・・・ (ちなみに、ですが、日本ではSLの走る音って「シュッシュッポッポ」、英語では「チューチュー・トレイン(byエグジャイルのほうじゃなくてワタシの時代はZoo!!)」ですよね。ブルガリア語ではこう言うんだって!!) 駅では列車に乗って来た子供たちが
降りた後も列車が出発するまで待っています。列車が出るときは手を振ってお見送り・・・


出発してしばらくすると列車が急ブレーキっ!! どうした?事故?と思ったら、どうやら線路沿いの野原に放牧されてる牛が線路を渡ったみたい・・・ 無事に渡り切ったようです。高原のサワヤカな空気の中をのんびりと走る小さな列車。多分こんなことはしょっちゅうあるのでしょう、乗客の誰も気にしません。「グリナ・バーニャ」という駅を過ぎると急に列車は森の中へ。右へ左へ、小さな客車が4両しかつながってないのにカーブを切ると編成全部が一目で見れるほど急なカーブを切っていきます。だけど、「何段もスイッチバックする」ってことがないから「山岳鉄道」という雰囲気はまるでナシ。のんびり走る「高原鉄道」!! まさにこの歌がピッタリ!

岡本敦郎 「高原列車は行く」


 小さな客車は意外とキレイ。ブルガリア的レモント(修理)で、窓は普通の家に使うようなサッシ!それにどこから持ってきたのか1等車の座席をおごられた車両もあり、座り心地がよいと結構人気のようです。それにしてもキツいカーブの繰り返し、それなのに列車のドアや連結部分は走ってる途中でも簡単に手で開きます!! スリル満点、だけど、気をつけないと振り落とされちゃいますよ!!


車内は満員になることはなく、地元民と観光客が半々くらい。ソフィアでは最近トンと見なくなった、スカーフを巻いてスモックドレスのような服や青い作業着のような服を着たブルガリアの典型的な「バビチキ」(おばあちゃんたち)がここの主流・・・ 

子供連れの若い家族のお母さんもスカーフを巻いて・・・ 町々にモスクがあるのを見るとポマック(昔のオスマントルコ時代、ブルガリア人でイスラム教に改宗した人たち)やトルコ系ロマの人が多いのでしょうか? 夏のバカンスに来ていたのでしょうフランス人の小さな子供連れの家族に、この若いお母さんが話しかけ、自家製のさくらんぼのジュースをおすそ分けしたりして交流が生まれます。

ある程度の大きさの町の駅に着く度に、列車は10~15分停車。セプテンブリ発の対向の列車が登ってきました。待っている間、係の人が列車のすべての車輪をハンマーで叩いて音で検査、お客はホームに出てタバコをふかし・・・ 

ブルガリア国鉄の車掌さんは、ソフィア市営交通の検札(インスペクトール)同様女性の割合が多く、ワタシと同じ年代か少し若いくらいの女性が多いです。青いブラウスに赤いスカーフが制服・・・ 揺れる車内で手書きできっぷを発券したり、駅に着くと駅事務所と連絡をして出発の合図を確認して列車を発車させたり・・・ 時にはしょーもない客もいるのでしょう。ストレスも多くて大変な仕事のせいか、けっこうなポッチャリな方が多いような・・・

列車はブルガリア随一の温泉保養地「ヴェリングラッド」に到着します。避暑と療養が一度に楽しめる人気のリゾート地です。お客さんはほとんど入れ替わり、ヴェリングラッドの温泉でバカンツィアを楽しんだお客さんたちが乗り込んできました。これから列車は川沿いを道路と寄り添いながらトラキア平原に向かって進んでいきます。

川と国道から離れるともうそこはじっとりと暑い・・・ 高原の涼しさがもうなつかしく感じます。

終点のセプテンブリ駅でソフィアやプロヴディフに向かう列車に乗り換え・・・ 面白いことにブルガリアの普通の列車で「鉄」活動をしている人をほぼ全く見ることはありません。撮り鉄も乗り鉄も・・・ ましてや音鉄や駅弁鉄などはありえない・・・ でも、この小さな高原列車だけはブルガリア人にとってもちょっと違う、ここだけは「鉄」の対象・・・ 

小さな客車から降りてきたお客たちは、「あー、楽しかったね。この小さい列車に乗ってよかったネ!」と言わんばかりに行き先表示板や機関車と記念撮影をしていきます。

そして広い幅の線路を渡って普通の列車のホームへ。高原リゾートでの温泉バケーションからいつもの日常へ、いつもの列車で連れ戻される・・・ という感じでしょうか・・・
 

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