今日も首都の中の田舎村、ナデジュダ・・・ 近所にいっぱい食料品店はあるのですが、一番近いお店・・・ そういえば以前に友人のヴィリ(=ヴィオレッタ)が連れてきてくれたことがあったんだ!! 「スープを作るのに”ピレ”(鶏)じゃなくて”ココシュカ”の方が、成長ホルモンとか入ってなくていいのよ」って言ってここに買いに来たのに付き合ったんだった・・・
入口に「”ココシュカ”2.5レバで売ります」の表示。「ココシュカ」とはたまごを産むためのニワトリ(メンドリ)のこと。ということは、ブルガリアで普通に売られている食肉用につくられている鶏肉は、日本でいうところの「若いヤツ」のようです。だからなのか、日本人がブルガリアで鶏肉を食べると「え~っ!? やわらか~いっ!! ♪」と思ってしまうのはおそらくこういう理由でしょう。でも、日本で有名な地鶏をウリにするところには、「ウチは100日以上の飼育で・・・」と、トリの「高齢」を前面に出しています。年齢=うま味の蓄積?そうなのかな?これは試してみたいではーっ!?
このお店で、「ココシュカくださ~いっ!!」 そういうと、お店のおねーさんが冷凍庫から出した袋で、「これくらい?」と聞いてきました。何も「ココシュカ」に関する資料が自分の中に何もなかったので・・・ とにかく普通の丸鶏に比べてデカいっ!!! 一羽が約10レバ!! あれっ?! 2.5レバっつーのは?? ハッ!!! もしかして「死んだ」ヤツじゃなくて生きてて卵を産むヤツのこと? でもとにかく出してもらったのを買って帰ってきました。
一晩冷蔵庫で解凍してみました。プロの料理人のラトカによると、「ココシュカはうま味がスゴいヨっ!! でもデカいから解体したほうがいいと思うんだけど」・・・ということで、モモと手羽、むね肉とささみなどを取りはずしてみました。なにしろシロウト仕事だもんで・・・ 肉が骨にいっぱいついてるゥ・・・(涙)で、それを煮て「ピレシュカ・スパ」(チキンだしスープ)をつくりました!!
そしてミの方でいろいろ・・・ 感想はというと・・・ 身は引き締まってカタめで、日本の鶏肉に近く、ウマ味は強い!! スープは超絶品!! そんなに塩で味を足さなくてもそのものの味でかなりパンが食べれちゃう!! 手羽先はそのまま焼いたら歯が立たないほど固い!! でも、モモがこれまた絶品で、味もあり歯ごたえがまた心地よい!!! これはまた食べたくなりそう!! とり皮もこの歯ごたえがたまらないっ!! 日本人にはスルメのよう?でもウマ味がありますヨっ!!
KSP鶏はオイシイっ!! ということがわかりましたっ!! ところで、お題の「KSP」って何っ?って思った方も多いのでは? KSPとは「経産婦」の略で、ワタクシの好きなとある女性アナウンサー(以前は局アナだったけど今はフリーで、水着グラビアに出たり、最近は本を出されたらしい・・・)が使ってた・・・ 当人もお子さんが二人おられる主婦ということだそうです。 そうっ!! ちょっと年とっててもオイシイのヨっ!! トリ肉って!
今日もアカ抜けようもない、首都の田舎村、ナデジュダ・・・ 首都なんだけどね~ なんか雰囲気的には数年前に住んでいた地方都市ペルニックに逆戻りです。大きなスーパーはあるけど、一番近所にあるのはやっぱり対面式で、お店の人に何をどれだけほしいか言えないと買いたいものも買えないっていうスタイル。あと、ここってロムスコ・ショセとベリ・ドゥナフっていう2車線の大通りの内側で、向かい側に行くのには地下鉄駅にわざわざ下りていくか、横断歩道まで歩くか、リスクを冒して走って渡るか(?)で、どれも面倒です。そんなわけでけっこう買い物は「この辺」って感じです。
一番近所に住む友人、ほぼ同い年のナスカ。そこんチの息子ステフィ(高校生)に、「あのさー、買い物っつ~といつもどこ行く?」と聞くと、
「デニッツァかなァ?あれ、最近この辺どこにでもあるチェーンだよっ!!」 ふーん、ママのおつかいに行って手伝ってるんだ!! 確かに徒歩3分のところにありました!! スーパー「デニッツァ」!! お野菜もそこそこいいっスね~。お肉はムチャクチャいっぱいの冷凍丸鶏がっ!! こういうのが最近の外資系スーパーとは違うところですねぇ。さらにそれより近くにある食料品店「ハニー」。
大家のエンチョおじさんがここの割引バーコードプレートをもらってきてくれていて、ここで買い物をする時にこれをピッと通すと数ストティンキですがお安くなります。もォ~ホントにエンチョおじさんはおせっかいなくらい親切です。この「ハニー」は野菜がイイ感じです。さらに少し歩くと駅側にある八百屋さんもいい品ぞろえっ!! 中国系も多いせいか大根、ほうれん草、夏にはオクラも出ると思います。
おなかが空いたらこの八百屋の並びの甘味処、スラドカルニッツァでいつものカプチーノとケーキ、もっとガッツリ行きたいなら「アラディン・フーズ」チェーンでドネル、ピザなど。
このチェーン、ナデジュダ地区で絶対的なシェアを誇り、ロムスコ・ショセ沿いだけで2軒あります。
通りの向こうにわたると地元の友人カリオピおススメのレストラン「ジョニー」があります。ここはオベドノ・メニュー(ランチメニュー)が安くてオイシく、そして盛り付けもキレイ!! さらに中華はウチから徒歩2分・・・ 「デニッツァ」と「ハニー」の間に「金三角」!!
おいしいし、宴会施設が整っていて、まだ試してないけど「カラオケもある」との事なので次は試そう!! 行った日はちょうど春節で、近所の中国人の人々が老若男女が集まってました~!! えーっ? ここってどこォ~?(笑)
にしてもナデジュダ・・・ お店の対応は全くのド田舎仕様・・・ 乱暴でぶっきらぼう・・・ これに慣れたらもっと住みやすくなるのかなァ?
首都の田舎村ナデジュダ区・・・ 名前は「ナデジュダ」つまり「希望」という意味。すんごくいい名前です・・・ 少々名前負けなくらい。ここのメイン通りは「ロムスコ・ショセ」という・・・ と言っても生活道で、自転車専用レーンや横断歩道にボッコンと「眠れる警察官」(つまり、少し高くなっていて車での通過速度をわざと落とし通りづらくしている)が備えられ、さらに4つも地下鉄駅があります。
通りの両側にはまだ昔の名残の小さな家々があり、そのほとんどが店舗になっているせいで、商品の配送に来たトラックが、ひどいと二重停めしていて大渋滞を起こします。大して人口の多いところでもないんけどネ。おかげでブルガリアの重要幹線でありながら普通の商店街のよう・・・ ホント、自分の実家のことを思い出します。地元にずーっと住んでるお年寄りが、「何でここに車を停めたらいけないんだ?! ここは昔は畑だったんだゾ!!」とかって訳の分からない怒りをブチまけてるっていう・・・ ロムスコ・ショセも、昔のソフィアの風景をある程度留めているけど、ここを北上するとルーマニア国境からEU各国へ行く新しい橋、新しい道へ続いているのです。
ウチの最寄り駅は「ベリ・ドゥナフ」駅。この周りは最近開けてきていることは少し前に書きました。この地下鉄もEUからの援助なしにはつくれませんでした。このロムスコ・ショセ沿いには新しいアパートが建てられつつあります。駅ができると不動産の価値は上がり、所有者には利益をもたらす、というのはここも同じ。でも、この都会近くのナデジュダ区に昔から住む人々にそういう認識はないように見えます。もう時代は変わっているんだけどネ。
この辺(大きくはソフィア全体を含む地方)のことを言い表すのに「ショピ」とか「ショプスカ」なんて言います。独特の方言や気質のこの辺のブルガリア人のことを指していて、このソフィアは「ショプスカ・ストラナ」(ショピの人々の地方)と言われたりします。
つまりシレネ(白チーズ)の乗った「ショプスカ・サラタ」はこの地方のサラダってこと。そうでない地方から来ているブルガリア人からすると「ショピ」は「なまってる」とか「けっこう粗暴で話しの通じない」人ということらしいのです・・・ そんな人たちの気質が色濃く残っているところ、なのかなァ
とうとう庶民の街をリューリンを出て、ナデジュダ4丁目に行くゾ~!! ところでこちらの引越しで何が大変かというと、段ボールを手に入れるのが大変ということです。特にこの冬はマイナス20度まで気温が下がり、ビンボーな人たちは暖房費を稼ぎに外ポストに入れられた広告の紙を競争して、配布している人の後を付けて(笑)集めています。古紙をリサイクルセンターに持っていくと10kgを1レバ(約70円)にしかなりませんが、段ボールをゲットできればまあまあな額になりそう・・・ だからお店なんかから出るああいう類のものは瞬殺!!でなくなります。
基本的にブルガリアの借家は「オブザベデン」といって家具や生活用品一式が備わった状態で貸しに出され、借家人も自分の身の回りのものだけをもって引っ越すのが基本。だから日本のように荷物を段ボールに入れて壁を養生して家具を運び出しいれする引っ越しはあまりありません。ワタシもブルガリアにはスーツケースだけで来たはずなのに(それにあんまり日本から荷物を郵送してないのに)、同じアパートに長く住んでるとまあ~あるわあるわ…荷物
じゃあ、荷物を何に入れて持ってく? しかも極寒のソフィアは足元がツルツル!! もう重い荷物を持つどころじゃ~ありません あっ!! そうだ!! イケアのあの青い買い物カバン!! まずはいくつか手に入れよう!! あと、いつか買っておいたアフリカ製の買い物かご!! あれに割れ物を入れてちょっとずつ、ちょっとずつ・・・って、ラチがあかなーいっ(涙) 一日だけ友人のギリシャ人ヨルゴシュがトラックを出してくれて大きなものを持っていくのを手伝ってくれました。でも、何せ段ボールがないので一緒にトラックで持って行ってもらうことができません。小物はチマチマ自分で運ぶしかないようです。寒い日にムルティプラちゃんもよくがんばってくれたけど、またまた燃料を吹き出すようになってしまいました。引っ越し終わったらまた「入院」かなァ?
やっとこさっとこで引越し完了!!
ところで、今度住むナデジュダってどんな所? 一言でいうと「首都の中の村」・・・これまた田舎臭い・・・ここ、昔は家々が立ち並ぶところだったとか。でも当時の政府の方針で家を壊して高層住宅をドドーンと何棟も建てて、土地を供出させられた人たちに一戸ずつ割り振って・・・ そのうちの1軒がエンチョおじさんの両親のものだった、ということだそうです。でも、それはもう30年以上前の話。今ではだいぶ、以前の持ち主は亡くなって若い人に相続されたり、他人に売られたり、ウチのように貸されたりして入れ替わっています。そのせいかこの住居棟、ユニークなのが若い人が子供と一緒にいたりして、そういう人々は総じてあいさつをしたりフレンドリー。自分たちの多くも新参者という認識のためと思われます。それとは反対に、「また知らないヤツがやってきた!!」的な感じの「ショピ」系のご年配の方々。この「ショピ」という言葉、たぶんこの辺の人々の気質を包含し表すのにいい表現かも!!
エンチョおじさんに電話して、いよいよ新居への引越しへ踏み出すことになりました。
部屋の改装はほぼほぼ終わっています。見てみると、
壁や天井のランプ、そして
壁と床の接するところの巾木でケーブルが見えないようにする・・・
そしてバスルームにはシャワーのほかにトイレの横にもシャワーヘッド(何に使うかはご想像通り)・・・ なかなかエンチョおじさんのこだわりを感じますネ~。 でも細かいところはまだ少し手を入れたい&工具や材料の残りを引き上げしてから引き渡したいみたい・・・ でもおじさんは
「少しずつ荷物を運び入れたいだろう? オレもちょっと直したいからさ・・・ 一応カギ渡しとくワ!」 ポン!とカギ一式を渡してきました。そしてワタシのリチュナカルタからIDナンバーをひかえたので、「お金は?」 と聞くと、「今は一切払う必要ナシ!!!」
ふう~ん・・・ お金にガメツいブルガリア人はずいぶんいるけど、彼的には「自分も借家人も気持ちよく」がモットーらしい。友人のテメヌシュカによると、「警察の年金はものすごくイイ!!」んだそうで、それがこのおじさんの心のゆとりと親切の源なのかもしれません。
「さァ~て、明日少し時間あるかな?オレと一緒に銀行に行って目の前でこのアパルタメントの残っている公共料金をキレイに払うから。あとはそっちで払っといてくれィ!!」 後々のトラブルを避けるための良策!! さすが元おまわりさんっ!!
早速次の日の午前、おじさんとおちあいました。ウチのムルティプラちゃんでおじさんチ最寄りの電停で待ち合わせ。するとおじさんはチャリで現れました。銀行には車でも自転車でも行く必要がないほど近所・・・ 一緒に歩いて行こうと・・・ と、おじさん、仕事が速い!! 自分で契約書を作って持ってきました。どこかから参考になるものをダウンロードしたらしく、コンピュータで作成された文書!! さすがっ!! そして「ああ、ドアの外扉のカギ、オレが新しいのに替えるから!! 前の住人が替えカギ、持ってたらヤだろう?! それからこの住居棟の共益費は1軒2レバなんだけど、2016年分はもう払ったから!! ここの会計係はズルくて、平気な顔して”もらってない”とか言って二重に集金に来やがる。絶対に払うなヨ!! 必要ないからナ!! なんかあったらオレが払ったって言えばいいから・・・」 と、とにかくブルガリア人のお金に関してイヤな部分を全部把握している頼もしさ!! 何でもこの物件、以前は娘さんが住んでいたそうで、実際にそう言うことがあったんだそうです。
「そうだ、ここのアサンスィオール(エレベータ)はICチップ式だ。ドモプラビーテル(自治会長)にもう一つもらっとくから!! 利用料は月5レバだったかな? 引っ越すのに必要だろう?もらっといてやる!!」 確かにエレベータ無しでは引越しはツラい。ちなみにエンチョおじさんチは前の大家、亡くなったエンカおばあちゃんの家の、偶然にもすぐそば!! 家賃を払いに行くのに迷うことはなさそうです。