庶民の町リューリンの端っこの我が家。すぐ先から原野が始まりその先にロマの人たちの集落がある、どちらかと言うとのどか~な所。が、ある日家に帰ってきてドアを開けようとして階段のほうに目を移すと・・・ 注射器!! 糖尿とかそういうのではなく、普通の注射器、しかもしっかり針付き!! サーっと私の背中を寒気が走りました。
ブルガリアに来て、素朴な田舎の良さを持つ人々にリラックスしていたのですが・・・ 日本でも芸能人や力士、そして若者までこの問題が広がっているようですが、ここブルガリアでもかなり深刻・・・ 薬物の使用はつい近所まで及んでいた!! すぐに同じ入り口の2階に住んでいるターニャに尋ねてみると、さみしい顔で「あ~、わたしの知っているだけで(同じ入り口の住人の中に)2人のナルコマンがいるわ。もっといるかもしれないけどね。新しく入った人は知らないわ」 「ナルコティッツィ」というのがブルガリア語でいわゆる麻薬のような惑溺性のある薬物全般を意味しています。「ナルコマン」は薬物中毒者ということです。
先日も友人のラザロビ家にお食事に招待してもらったのですが、そこでも・・・ 奥さんのレニは3階の自宅から下のカフェを指差して
「そこのカフェでマリウァナ(マリファナのこと)は買えるのよ。」 ひっえ~ッ(汗)超身近!! 「しかもすごく安いの!!」
看護士でもあるレニ。こういうものの影響をよく知っているだけに10代の子供を二人もつこの家族の心配は尽きません。ご主人のミトコも
「ナルコティッツィはウチリシュテ(学校)で売れるから、売人は黒い大きな車に乗ってきて校門で売ってるんだ。ウジャス(最悪だね)!!」 子供達はどこからお金を持ってきてるのか、親達はいつも「お金がないお金がない・・・」って言ってるのに。今からこんな薬物漬けなら、大人になったら廃人になっちゃうよ・・・
「ナルコマン」がいるあたり(っていうかソフィアはそこいら中そうですが)というのはすぐ分かります。ブロック(ビル)のヴホッド(入り口)のガラスがバリバリに割られていたり、夜中に騒いだり・・・
ある日見るといつの間にかその注射器はなくなっていました。触るのもコワイから放っておいたのですが、誰かが処分したのかそれとも本人が見つけて持ち帰ったのか・・・ いずれにせよハチアワセなくてよかった~・・・
うちのアパートの屋上にある倉庫の前で薬物を注射している2人の若者を夫が見つけて警察に通報したことがあります。ちゃんと一階入り口のドアを閉めておけばこんな人たちが入ってくることもないのに、アパートの住人は自分が鍵を忘れて入れなくてドアを壊したり、ブルガリアでは信じられないことがいっぱいありますね。でもそれに慣れていく自分が怖いです。
ブホッドの鍵はあれば(そしてちゃんとしていれば)安全的にもいいのでしょうが、ないほうが便利!と感じてる人も多いようです。でも、壊されると大変ですよね。シリンダーが壊れることも多いみたいだし・・・
みかんさん、こんにちは。プロブディフ、いかがですか? 暑くないですか? いつもソフィアより何度か暑いと天気予報で表示されてますが・・・
アッセンさん、はじめまして。コメントありがとうございます。ブルガリア人の方からコメントいただいてとてもうれしいです。ご指摘ありがとうございます。
確かに、この問題はソフィア中どこでもというわけではないかもしれません。というか、私と私の周りの人たちの周囲だけの特殊な状況であってほしい・・・ そう願っています。ブルガリアは日本(特に東京)よりも安全なところだと思ってますから。
ちなみに日本人の私にとって、薬物の問題だけでなく、無差別殺人などの凶悪犯罪はすでに日本の一部だけの問題ではなくなっている、と思っています。先日の秋葉原での事件はブルガリアでもほぼリアルタイムで報道されましたね。おかげで「日本もアブナイ国なんだね。」とブルガリア人の友人たちから言われ、やっと分かってもらえた気がしました。もう安全な場所は世界中のどこからもなくなってしまった・・・というのが現実だと感じています。
今は家の改装中なのですが、暇が出来たらむうちえさんの記事を参考に足をのばしてみようかと計画中です。
このあとソフィアは大雨が降ってぐんと気温が下がりました。プロブディフはいかがですか?