モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

倉科・三滝氷結(埴科里山通信)

2010-01-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 森と並んで杏の里として有名な千曲市倉科の奥に、三滝はあります。昨年は暖冬のため氷結しませんでしたが、今朝の最低気温はマイナス9度。三滝ではもっと下がったはずなので、これはしたかもしれないと出かけました。倉科の集落を過ぎて三滝方面へ。林道芝平樽滝線に入る手前でチェーンがかかり通行止め。ここに車を置いて歩きます。積雪はわずかですが、アイスバーンに足をとられないように登っていくと、15分ほどで三滝園地入口の広場に着きます。全面氷結とはいきませんでしたが、かなり見事に凍っていました。

 三滝は、明治の埴科郡誌に、「三瀧川は倉科村の三瀧山船ケ入に発源し御姫山より発する草山沢を合わせ倉科村を流るること一里三町にして沢山川に合す 三瀧一の瀧二の瀧三の瀧三階瀑布あり又南沢に樽瀧あり」とあります。鏡台山を水源とする三滝(みたき)は、一の滝(上段)・二の滝(中段)・三の滝(下段)で構成され、延長20mで、848mの周回遊歩道があります。一応ファミリー向けとなっていますが、高度差があり転落防止の柵もないので、幼児や老人は要注意です。また、単独や少人数のときは、冬季以外熊鈴が必携です。最近は暖冬続きで、年末まで熊が徘徊し、三月中旬には目撃例があります。冬ごもりが短くなっているようです。

 今回は、滝に沿って一番上まで登り、帰りは遊歩道を廻ってきました。積雪は10センチぐらい。氷結しているため、一の滝と三の滝は、滝の真下まで行くことができます。聞こえるのは氷の下を流れる清流の音のみ。閑寂とした清廉な雪景色の谷間で、なんとも美しい氷結の滝を存分に堪能できました。

 明治の倉科村誌には、「二の滝、高四丈三尺、幅一丈七尺、是に龍の劍摺石と唱うる石ありて、自然の穴七ツあり、俗に摺鉢と称す」とあります。川底に落ちた小石が川の流れで回転しながら川底に穴を開けた「おう穴」があったのでしょう。今は不明ですが、一の滝へのすぐ上に平らな場所があり、そこなのかなとも思えます。流れてきたゴミや石をどけると現れるかもしれません。

「三瀧山岩の苔間に住ながら思ひくらせし瀧の水かな」(西行) 
 此歌里俗の口碑にして、確乎たらず。(倉科村誌)

 三滝は、比較的水量の少ない滝なのですが、昨年の夏は多雨で、今まで見たこともないほどの水量でした。2009年8月12日の三滝・鏡台山トレッキングをご覧ください。

 帰りに、倉科入口の鷲尾城跡と倉科将軍塚古墳への登り口にある「大日堂園地」に立ち寄りました。この辺りの山に手作りの標識を立てておられる倉科のMさんから、園地に標識を立てましたという連絡をいただいたからです。ここには、万葉歌碑や舟繋ぎ石と呼ばれる、その昔に千曲川がこの辺りまで南流していた時に舟をつないだと伝わる石などがあります。山でお馴染みの標識がたくさん立っていました。全て手作りでボランティアで立てておられるのですが、鞍骨城跡などにもあり大変な作業だと思います。頭が下がります。御姫山や大嵐山に立てる際は、微力ですが手が足りなければお手伝いいたします。

★三滝から大峯山や鏡台山のトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】でご覧ください。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。三滝以外の滝はこちらで。
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