モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

カタクリが咲きました。(妻女山里山通信)

2011-04-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 週末、そろそろ咲いているだろうと妻女山の奥へカタクリを見に行きました。先週は数輪だったものが数えきれないほどになっていましたが、最盛期は一週間位後になりそうです。撮影は強風のため花が揺れまくって難儀しました。万葉集で大伴家持が「「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」と詠んだように古代から日本人にとってなじみの深い花です。しかし、アリ散布植物であるということはあまり知られていません。

 種にエライオソームというアリが好む物質がついていて、アリはそれを餌とするために巣まで運ぶわけですが、結果的にそれが種まきとなるわけです。アリ散布植物は、日本にはカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属など200種以上もあるわけですが、いったいいつからこのような共生システムができあがったのでしょうか。とても不思議です。

 そうなる以前の古典的なカタクリ属やスミレ属はどうやって繁殖していたのでしょう。また、なにを契機にアリ散布植物になるきっかけを獲得したのでしょうか。このアリ散布の進化過程や、その適応的意義については様々な検証実験も行われてきているそうですが・・。アリさんに運んでもらおうなんてカタクリが考えるはずもないですし。共進化というのは、計り知れないほどの時間を要しているので、突然変異でたまたま獲得したものが、生存競争の過程で生き残り、多属多種へと細分化していったものなのでしょうか。

 進化というと進歩とごっちゃになって、よくなる事と無意識に思ってしまいそうですが、生物学や進化学においては、進化といえば、たいがい単なる「遺伝的 変化」のことで、そこに価値観やモラルは全く含まれません。なんでもevolutionの訳を進化としてしまったのが誤解の元で、中国の様に「演化」とすればよかったのかもしれません。また、進化と生存競争というのも全く別のもので、進化したがために生存競争に破れることもあるわけです。

 カタクリの里から下ってわが家の山に来ると、落葉松林の中から視線を感じました。見るとニホンカモシカが二頭います。クロとシロでした。すっかり夏毛に変わってまた精悍になりました。この二頭が兄弟なのは間違いないのですが、双子なのか年子なのかが分かりません。どちらにしても珍しいことのようです。そういえば、咲いているカタクリに花がないものがありましたが、ニホンカモシカが食べたのだろうと思われます。

 ある冬、食料のない季節にニホンカモシカはいったい何を食べているのだろうと後をつけたことがあります。リョウメンシダ、ヤブヤマソテツ、杉の葉、ヒノキの葉、冬芽に枯葉と実に多彩でした。春になると樹木の新芽はもちろん、フキ、カタクリも食べます。タラの芽にも食痕がありました。けれどもばっかり食いはしません。ニホンカモシカは氷河期の生き残りなどといわれ、ヤギの仲間でもかなり原始的なものですが、多様な食物を摂取することで、厳しい環境を生き延びて来たのかもしれません。

2010年のカタクリの記事。
 
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