モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

被爆したカタクリの蕾(妻女山里山通信)

2011-04-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 日曜日に久しぶりに妻女山の奥まで登ってみました。暖かくなったせいか観光客や林道ツーリング、バーベキューをする人などが訪れて、妻女山も賑やかになってきました。それでも山中に入ると人気はなく、鳥のさえずり以外は聞こえません。まだ鳴き声が下手な鶯の声も聞こえます。この間咲き始めた梅は満開になっていました。

 日当りのいい林道の脇には、真っ先に咲くアオイスミレが咲き始めています。1センチもない花で、葉が小さな蕗のようなのでヒナブキともいいます。林道の上や縁にはヨモギの若葉が。明るい林床には先週は数枚の片葉しかみられなかったカタクリが、たくさんの葉を出していました。蕾をつけたものも数本ありました。陣場平のバイモも成長して蕾を膨らませています。ダンコウバイは花の盛りです。

 斎場山の古墳の上には、ヒオドシチョウが盛んに舞って来て地面の小石に留まっては日向ぼっこ。撮影しようと近づくと飛びたってしまいます。けれどもジッとしていると必ず戻ってきます。気配を殺して3センチまでカメラを接近。やっと撮れました。蝶は網で捕るのは簡単ですが、マクロで撮影するのは本当に大変です。 

 斎場山の北側では、イノシシの被害を防止する為に除伐されました。ちょうど山仲間のKさんがダンプで通りかかり「えらくすっきりしちゃったね」と驚いていました。かなりの急斜面なのに仕事が早い事。さすがプロです。除伐の仕方は、私とそう変わらないのですが、あえて言えば林業のプロの人達は樹種を問わず灌木は全部切ってしまうというところ。私はナツグミとかミヤマウグイスカグラの大きめの木とかは、実が鳥や昆虫の餌になるので残します。ハギやエノキやイボタノキも蝶の食草なので残します。ヤマザクラの小枝には蝶が卵を産みつけているのですが、それも切られていました。

 まあそういう配慮がないのですね。灌木は根こそぎ掘り起こさない限りはすぐに生えてくるので問題はないのですが、除伐の範囲が大きいと影響はでるでしょうね。それと、連日のチェーンソーの音で、この辺りを縄張りとしているニホンカモシカの三頭がちょっと奥へ行ってしまいました。これも作業が終われば戻ると思います。皆伐のようなひどいことは起きないので、除伐されて風通しがよくなって増えて来る動植物もあるのです。キノコも出るでしょう。

 斎場山の周りも除伐されてすっきりしましたが、どうせなら松代城が見える様に赤松を切って欲しかったねえとは母の言葉。作業員の人も歴史までは知らないでしょうから仕方がないですが。上杉謙信が海津城に籠った武田信玄を見下ろした風景というのが見られるのですが・・。斎場山の長野市側で作業が続いたためでしょうか、斎場山のすぐ西の御陵願平には巨大なイノシシのプール、ヌタ場があるのですが、そこも最近は使っていないようです。と思ったら、奥の天城山直下の林道の斜面がイノシシによって激しく掘り起こされていました。どうやら南側に移ってきたようです。

 害獣駆除の獣の肉処理場を若穂に作るという話を聞きましたが、一般流通はなかなか難しいだろうなと思います。わが家のようななんでも食べる連中は例外で、人は食に関してはかなり保守的ですから。但し、付加価値をつけて旅館やホテル、レストランで名物料理として出すとヒットするかもしれません。基本的に鹿やニホンカモシカは牛肉と同様に、イノシシは豚肉と同様に扱えばいいのですが、いわゆる家畜の無味無臭に近い味に慣れてしまった一般の人には、それなりの調理法が必要です。

 以前、度々北海道のエゾシカを調理しましたが、基本はフルーツ、タマネギ、赤ワイン等でマリネして柔らかくし、また臭みを抑えるのですが、あるときどうやっても臭みが取れず、これは埋葬するしかないかなと思った時にひらめいて味噌を使ってみたのです。するとどうやっても美味しくなかった鹿肉が美味しくなったのです。味噌の力は偉大でした。ヨウ素を対外に出す働きもあってチェルノブイリの時は欧州で味噌がものすごく売れたそうです。ピックル液でマリネして薫製も美味しそうです。伊那の大学へ通っている長男が、大家さんの冷凍庫にジビエがたくさん余っているらしいという話をしていたので、超食いしん坊な彼に、もらって名物料理を開発せよと言いました。

 手打ちうどんの天ぷら用にと、蕗、ヨモギ、多摩の五日市名産の野良坊菜を天ぷらにしましたが、極微量とはいえ被曝しているので念入りに洗いました。被曝というのは「しきい値」がないのです。ただちに影響はなくても微量でも必ず影響は出るのです。ただし因果関係が証明できないので、責任を追及できない。政府も東電もそれをもくろんでいるのでしょう。今頃レベル7と言われても、知っていたよというところ。安全安全とのたまう政治家と官僚、財界人、御用学者、御用マスコミには20キロ圏内に住んでもらいましょう。喜んで住めるでしょう? 安全なんだから。

 原発情報で、以前ノルウェーに行った時に、広島、長崎と原爆を落とされた日本がなぜ原発に手を出したのかと聞かれたことを書きましたが、そのことはずっと考えていました。私はその専門家ではありませんが、深層心理学の観点から解きほぐしてみたいと思います。題して「核の平和利用という甘言」。その根底には、対米隷属の歴史があります。

 サリン撒いたら死刑になったり20年近く追われるのに、放射能撒いたら税金で会社を助けボーナスもらえる狂気の国・日本。こんなバカな話がありますか。いいかげんに目を覚まさないと日本は本当に終わります。

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