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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

あんずの里・森の杏の花2011(妻女山里山通信)

2011-04-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 千曲市森のあんずも花期を過ぎて散り始めました。今年は、震災のために各種イベントが全て中止になったり、満開の日が月曜日となったこともあって、人出は本当に少なめでした。その分静かな花見ができたのはいいのですが、観光業の方は大変だったろうと思います。幸い近所なので、2回撮影に出かけましたが、いつもなら溢れるカメラマンもずいぶんと少なめでした。

 森のあんずの花といえば、必ずカメラマンが群がる古木があります。掲載の写真の右下にあるひときわ大きなあんずの樹です。樹齢は250年ぐらいといわれています。いわゆる在来種のあんずです。新種のあんずの花に比べると花の色がコーラルピンクで、やや肌色がかっているのが特徴です。昭和40年代ぐらいまでは、森一面がこのような色に包まれたものでした。

 森のあんずも何度も撮影していると、撮影場所が決まってきてしまいます。この古木もそんな一本で、たいてい撮られるアングルは決まっていて、誰が撮っても同じような絵にしかなりません。そこで、誰も気がつかないようなカットを求めてあちこちを歩き回るわけです。時間も大切です。朝日が射す前などは、カメラマンもほとんどいませんし、山際の奥や、山上もカメラマンは来ません。みんなが集まるような場所でも、あんずを樹ではなくマッス(塊)としてとらえると面白い写真が撮れたりします。葛飾北斎風にドラスティックな構図を狙うという手もあります。背景に白馬三山や戸隠の高妻山(戸隠富士)を入れるという方法もあります。

 在来種は、あんず畑よりもむしろ集落内に残っています。それでも以前と比べると屋敷林のあんずはずいぶんと少なくなりました。家の新築の他にアメリカシロヒトリによる被害での伐採などもありました。昔は森だけでなく、松代藩の領地だったところには、たくさんのあんずの木が生えていました。わが家の近くにあった在来種の古木も、今年あんずの花が咲く前に切られてしまいました。大木だったので高い所のあんずは収穫できず、熟れるとぼとぼとと道に落ちて、そこいらじゅうがあんずの果肉の香りになりました。

 私のおすすめは、山の上からあんずの花を見る事です。薬師山、宮坂峠、ゆうひ山、林道芝平樽滝線のある場所など。少々体力を使いますが、それだけの価値はあります。

あんずは桜と違って花だけでなく実も楽しめます。あんず狩りは、6月の下旬から7月の中旬まで。花見もいいのですが、どちらかというとこちらをおすすめします。山麓中にあんずの果実の甘酸っぱい香りが充満します。ジャムや干しあんず、シロップ漬け、あんず酒、あんずワイン、あんずソフト、あんずタルトなど加工品もおすすめですが、まずは生あんずを食べていただきたい。

今年のあんずの花の模様です。


2010年の森のあんずの花。アップと山上から。
2009年の森のあんずの花。夜明け前と朝日を浴びた花、午後の花。

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コメント (2)
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