モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

瑠璃立羽舞うカタクリの森で(妻女山里山通信)

2011-04-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ルリタテハは、瑠璃立羽と書く様に、群青の翅に瑠璃色の帯があるタテハチョウ科の美しい蝶です。翅の裏は樹皮模様で、木の枝に留まると擬態で見えなくなることもあります。ルリタテハは、成虫で越冬するため、早春から明るい森の縁や林道上を飛び始めます。幼虫の食草はサルトリイバラ科のサルトリイバラ、ユリ科のホトトギス類、ユリ類などで、成虫は腐果や樹液など。英名は、Blue Admral(青い提督)です。

 今回も林道を歩いてると足下から突然に舞い上がり、ちょっとびっくりします。同様な蝶にはクジャクチョウやヒオドシチョウがいますが、少し気温が高くなってくるとクジャクチョウ(日本に棲む亜種の学名は芸者:geisya)はいち早く亜高山へと移るようで、妻女山では見られなくなります。ルリタテハは、活性が高くヒラヒラと飛び回り、すぐにどこかに行ってしまいますが、しばらくするとまた戻って来て小石の上で翅を広げます。ヒオドシチョウ以上に警戒心が強く敏感で、ひとが近づくとすぐに飛び立ってしまうため、マクロ撮影が難しい蝶の一種です。今回もずいぶんと弄ばれました。

 今回はマクロ専用に使っているカメラではなくズームのマクロ機能を使ったためもうひとつ不鮮明ですが、このルリタテハは、約3センチまで接近して撮影したものです。最後の胸を反り返らせた2枚を見ると、生物学の観点からは安易に擬人化してはいけないのですが、英名で「青い提督」と呼ばれる理由も分かるような気がします。この撮影は本当に大変でした。何度も弄ばれた末の渾身のカットです。

 撮影を済ませて長坂峠からノケダン(野毛段)辺りまで戻って来ると、後ろから山菜採りの男性が下りてきました。話しかけるとやはり山菜は全くだめだったようです。今年は10日ほど遅れています。そして、善光寺平周辺の里山の情報を色々交換しました。Photo Blog「徒然なるままに、、信州の四季自然風景」をされています。カタクリの写真が奇麗です。話の中で、林道上の杉林に大きなニホンカモシカが死んでいるのを見つけたというのです。今月上旬のことだそうです。

 おそらく・・と考えました。考えられるのは、クロとシロの母親、マダムです。ここのところクロとシロはよく見かけるのですが、マダムは2月25日にうちの山にいたクロとシロを撮影しようと近づこうとしたところへ、威嚇のために間に走り込んで来たのを見たのが最後です。彼女を最初に見たのが2002年の夏。そう考えると今年で10歳ぐらい。野生のニホンカモシカの寿命は、10~15年といいますから、彼女かもしれません。また、絶命の場所が、鞍骨山の中腹であることから、その辺りを縄張りにしていたクロとシロの父親と思われる雄かもしれません。

 ニホンカモシカは、特別天然記念物なので、たとえ傷ついた個体や子供を見つけても勝手に保護したりしてはいけないんですね。担当機関が自治体によって違うので、とりあえず管轄の自治体と警察に通報するのがいいでしょう。交通事故などで轢いてしまった場合等も同様です。天然記念物を滅失するに至らしめた場合、5年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金若しくは科料が課せられます(文化財保護法第196条第1項)。と、けっこう厳しい罰則もあるのです。

畑では、長男が種を持って来てくれて私が増やした多摩の伝統野菜の野良坊が黄色い花を咲かせ始めました。これは西洋アブラナの古い品種が日本に持ち込まれて伝統野菜として残ったものだそうです。色々ある菜花の中で最も美味しいと思います。千曲川の土手では、河川事務所が植えた西洋アブラナ(こちらは新品種)も咲き出しました。吸蜜する蝶や蜂、アブの類がやはり少ないのが気がかりです。去年の極端な減少の影響は当分続きそうですが、本当に回復するのか大変心配です。

 このアブラナ科の植物は、ヒマワリと並んで放射性物質を吸収することで知られています(チェルノブイリの菜の花プロジェクト)。アブラナ科の植物は化合物に対する耐性が高いので、土壌汚染除去に使われることが多いそうです。ただし、そうはいっても菜の花が吸収できるセシウムはせいぜい1%程度であり、油を絞ったあとのカスは、放射性廃棄物として、何十年、何百年と管理・保存しなければいけないのだそうです・・。原発に将来はありません。脱原発あるのみ。結局原発は原爆だったのです。

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★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。

★【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】ニホンカモシカに遭遇したトレッキングも数多くあります。
コメント (2)
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