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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山の陣場平へ。アニマルトラッキング。土を喰らう十二ヶ月の滋味豊かな郷土料理(妻女山里山通信)

2023-01-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 成人の日の昼近くに妻女山の陣場平へ陣場平まで車で登りました。最高気温は8度でした。暖かすぎるのが不安になる様な3月上旬の気候。この先どうなるのでしょう。

 長坂峠までの林道は北面にあるので積雪があります。これはクリスマス寒波で積もったもの。それ以降は晴れの日が多く目立った降雪はありませんでした。下がアイスバーンになっていないのでスタッドレスで登れます。

 日が当たる長坂峠まで来ると雪は全く見られません。斎場山も北面以外雪はありません。

 陣場平入り口。象山から林道倉科坂線を歩いて、これから鞍骨山に登り象山に戻るという拙書の読者と邂逅。林道で熊の足跡を見たとか。こんな冬にいるんですかと言うので、ツキノワグマはヤマネの様に完全冬眠ではなく、冬ごもりで、暖かかったりすると出てきて餌を求めて歩き回ることもあると説明。痩せ尾根を超えるときや小尾根を回り込むとき、狭い岩稜地帯を歩く時は、これから行くよとホイッスルや爆竹で知らせることが大事です。予期せぬ突然の遭遇が最も危険です。拙書のコラムではツキノワグマと遭遇して追い払ったときのことも書いています。

 陣場平。ここは東に傾斜しているので、暖かくなる午後に西日が当たらないのです。よって春雨によって解けるまで根雪になります。1月末か2月上旬には雪の下から貝母(編笠百合)が発芽します。満開は4月10〜20日頃です。同じ頃にカスミザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラも咲きます。貝母の開花情報は、このブログでアップしていきます。貝母は奈良時代に中国から入ったとされる薬草(毒草)ですが、現在、里山でこれだけの群生地があるのはここだけです。妻女山里山デザイン・プロジェクトで保護活動をしています。満開の様子は、毎年の4月のアーカーイブを御覧ください。
川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした斎場山と陣場平へ(妻女山里山通信):第四次川中島合戦の布陣図(「甲陽軍鑑」編者の小幡景憲彩画)

 陣場平近くにあるギャップ。ここを刈り払って里山保全のベース基地を作れないか検討中です。芽吹くと周囲からは見えなくなるのでそれも作業するには好都合です。

 陣場平の菱形基線測点。地理史の重要な文化遺産です。

 陣場平にはそこら中に動物の足跡があります。多いのはタヌキ。キツネやノウサギもあると思います。

 解けかかっていてはっきりしませんが、ニホンカモシカだと思います。イノシシなら副蹄が見られます。

 古代に帰化した高句麗人の積石塚古墳。昨年はこの周りにも貝母の球根をたくさん移植したので春が楽しみです。

 ゴヨウアケビの実生。大きくなれるものは稀です。

 シロヤブケマンの葉。春の兆しはあちこちに見られます。

 右上はリョウメンシダ。左下がヤブソテツ。どちらも食料の少ない冬にニホンカモシカの餌になります。

 下山して妻女山展望台から北の飯縄山。見ているスキー場は閉鎖されてレジャー施設になっていますが、右の斜面にスキー場があります。

 松代方面。麓ではあちこちで果樹の剪定が行われていて、その枝を燃やす煙があちこちで立っています。ついで温泉へ。馴染みの人と、このまま春になるわけないよねと。2014年の2月の上雪での大豪雪が頭をよぎります。

 冬の旧埴科郡と更級郡だけで食べられる古代からの郷土料理「おしぼりうどん}。激辛の後にあまもっくらという甘さと旨さを感じます。うどんはもちろん地粉で手打ちうどん。右は乳酸菌がたっぷりの野沢菜漬けと冬野菜の人参と地大根を炒めた炒飯。野沢温泉とかのスキー場のレストランでも食べられます。子供の頃から大好きで、食べすぎるのが問題です。まさに土を喰らう十二ヶ月の滋味豊かな郷土料理です。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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