ワールドカップ・カタール大会がやっと終わりました。メッシ・アルゼンチンの劇的な優勝。日本の9位という世界も驚いた進撃。VARよる公正なジャッジ。PKが時の運などではなく、実力とメンタルの勝負というのも理解されたのではないでしょうか。往年のサッカー小僧の私も充分満喫しました。しかし、キックオフが0時と4時という地獄のスケジュール。酷いW杯時差ボケに苦しみました。それもやっと終わりです。というわけで、本当に久しぶりに妻女山へ登りました。
斎場山方面から見た長坂峠。前回伐採や除草をしたので清々しています。中央の榎の根本には枯れ葉の布団の下にオオムラサキの幼虫がいるはずです。昨年は18日、一昨年は14日に初積雪があったのですが、今年はまだです。それどころか21日現在、豪雪地帯の飯山に積雪が無いのです。冬型だと日本海の筋雲は縦にできるのですが、この冬は猛烈な西風で東西に水平に流れています。そのため普段は雪の少ない新潟の海岸部の柏崎でも豪雪になりました。クリスマス寒波では北風に変わるという予報なので、北信濃も積雪するかも知れません。妻女山も圧雪で凍結したらスタッドレスでは登れません。チェーンかスパイクアタッチメントが必須です。
斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。15年前にある大学と教育委員会などで発掘調査をしました。その研究結果のレポートの写しを持っています。
古墳の上部は円形で平らです。落葉したので川中島が望めます。上杉謙信の気分で見渡すのも一興かと。
そこから西へ100mほど下ると御陵願平(竜眼平)の東の端にイノシシのヌタ場(泥浴び場)。イノシシの足跡はありませんでした。猟師に追われて逃げ切ると火照った体を冷やすために氷を割って飛び込みます。右奥の泥のついた樹はイノシシが体を擦り付けた跡。これをたどるとどこへ逃げたか塒(ねぐら)も分かります。
その西に広がる御陵願平の平地。往古はここに会津比売神社があったという伝説もあります。上杉謙信が庇護していたため、武田信玄の兵火で消失。後に麓の現在の場所にひっそりと再建されたとか。ここは西に向かって二段に低くなっています。神社は西向きだった可能性。会津比売命の父は出速雄命。その父は諏訪大社の祭神・建御名方命。その父は大国主命。神社が西向きなのは理解できます。さらに出雲族のルーツであると思われる春秋戦国時代の呉の国は、さらに西へ海を渡って長江の倭人の国。会津比売命の夫は、神社御由緒には崇神天皇に初代信濃國造に任命された武五百建命(たけいおたけのみこと)と記されています。つまり、古代科野クニは、大和系と出雲系が結ばれてできたというわけです。
長坂峠へ戻る途中から望む天城山(てしろやま)と陣場平。右の枯れ葉はヤマコウバシ。若葉が出るまで落葉しません。
コムラサキ(小紫)の小さな実。毒性はないのですが味もなく小鳥も食べない様です。
川中島の戦いの際に上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。山蕗の葉がもう出ています。
陣場平の北東の角にある菱形基線測点。地理史の貴重な文化遺産です。眼下に千曲川が見えます。
霧や霜が降りているため倒木の苔もみずみずしい。
陣場平全景。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。前回の里山保全の作業で立ち枯れ木を伐倒しました。貝母は2月中旬から下旬にかけて芽吹きます。雪があっても出てきます。
北西の角にある高句麗帰化人の積石塚古墳。今年はこの向こうの藪を伐採し貝母の球根をたくさん移植したので、来春が楽しみです。貝母が咲き始める4月上旬にまた保全作業をします。
陣場平の一角にあるセリバオウレンの小さな群生地。貝母より早く開花します。西風があまりに冷たいので下山します。
妻女山展望台から北アルプスの白馬三山。右手前が茶臼山。その右奥は神話の里山・虫倉山。
北には戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右に長野市民の山・飯縄山。
北西を見るとたかやしろと呼ばれる高社山。その向こう側は豪雪地帯の木島平と飯山なんですが、雪がありません。週末のクリスマス寒波で積もるかも知れません。手前にホワイトリングとエムウェーブ。
東には松代の城下。最高気温は8度ですが、西風の寒風が堪えます。手前の広葉樹林が大きくなって葉が茂ると松代城が全く見えなくなるので、10年ぶりに長野市に伐採をお願いしました。寒いので帰ります。
前の記事で紹介したオニグルミとヒメグルミですが、殻が硬くて割るのが大変な割には実が少ないので面倒と思っていたら、テレビでリキュールにすると非常に美味しいというのを聞き、さっそく作りました。半年一年するとダークブラウンの香ばしい酒ができると思います。楽しみです。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
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斎場山方面から見た長坂峠。前回伐採や除草をしたので清々しています。中央の榎の根本には枯れ葉の布団の下にオオムラサキの幼虫がいるはずです。昨年は18日、一昨年は14日に初積雪があったのですが、今年はまだです。それどころか21日現在、豪雪地帯の飯山に積雪が無いのです。冬型だと日本海の筋雲は縦にできるのですが、この冬は猛烈な西風で東西に水平に流れています。そのため普段は雪の少ない新潟の海岸部の柏崎でも豪雪になりました。クリスマス寒波では北風に変わるという予報なので、北信濃も積雪するかも知れません。妻女山も圧雪で凍結したらスタッドレスでは登れません。チェーンかスパイクアタッチメントが必須です。
斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。15年前にある大学と教育委員会などで発掘調査をしました。その研究結果のレポートの写しを持っています。
古墳の上部は円形で平らです。落葉したので川中島が望めます。上杉謙信の気分で見渡すのも一興かと。
そこから西へ100mほど下ると御陵願平(竜眼平)の東の端にイノシシのヌタ場(泥浴び場)。イノシシの足跡はありませんでした。猟師に追われて逃げ切ると火照った体を冷やすために氷を割って飛び込みます。右奥の泥のついた樹はイノシシが体を擦り付けた跡。これをたどるとどこへ逃げたか塒(ねぐら)も分かります。
その西に広がる御陵願平の平地。往古はここに会津比売神社があったという伝説もあります。上杉謙信が庇護していたため、武田信玄の兵火で消失。後に麓の現在の場所にひっそりと再建されたとか。ここは西に向かって二段に低くなっています。神社は西向きだった可能性。会津比売命の父は出速雄命。その父は諏訪大社の祭神・建御名方命。その父は大国主命。神社が西向きなのは理解できます。さらに出雲族のルーツであると思われる春秋戦国時代の呉の国は、さらに西へ海を渡って長江の倭人の国。会津比売命の夫は、神社御由緒には崇神天皇に初代信濃國造に任命された武五百建命(たけいおたけのみこと)と記されています。つまり、古代科野クニは、大和系と出雲系が結ばれてできたというわけです。
長坂峠へ戻る途中から望む天城山(てしろやま)と陣場平。右の枯れ葉はヤマコウバシ。若葉が出るまで落葉しません。
コムラサキ(小紫)の小さな実。毒性はないのですが味もなく小鳥も食べない様です。
川中島の戦いの際に上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。山蕗の葉がもう出ています。
陣場平の北東の角にある菱形基線測点。地理史の貴重な文化遺産です。眼下に千曲川が見えます。
霧や霜が降りているため倒木の苔もみずみずしい。
陣場平全景。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。前回の里山保全の作業で立ち枯れ木を伐倒しました。貝母は2月中旬から下旬にかけて芽吹きます。雪があっても出てきます。
北西の角にある高句麗帰化人の積石塚古墳。今年はこの向こうの藪を伐採し貝母の球根をたくさん移植したので、来春が楽しみです。貝母が咲き始める4月上旬にまた保全作業をします。
陣場平の一角にあるセリバオウレンの小さな群生地。貝母より早く開花します。西風があまりに冷たいので下山します。
妻女山展望台から北アルプスの白馬三山。右手前が茶臼山。その右奥は神話の里山・虫倉山。
北には戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右に長野市民の山・飯縄山。
北西を見るとたかやしろと呼ばれる高社山。その向こう側は豪雪地帯の木島平と飯山なんですが、雪がありません。週末のクリスマス寒波で積もるかも知れません。手前にホワイトリングとエムウェーブ。
東には松代の城下。最高気温は8度ですが、西風の寒風が堪えます。手前の広葉樹林が大きくなって葉が茂ると松代城が全く見えなくなるので、10年ぶりに長野市に伐採をお願いしました。寒いので帰ります。
前の記事で紹介したオニグルミとヒメグルミですが、殻が硬くて割るのが大変な割には実が少ないので面倒と思っていたら、テレビでリキュールにすると非常に美味しいというのを聞き、さっそく作りました。半年一年するとダークブラウンの香ばしい酒ができると思います。楽しみです。
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