五月晴れといいますが、今年は一日中晴天という日がほとんどありません。そんなわけで、晴れが非常に貴重です。午前中だけ晴れということで妻女山の陣場平へ。日に日に貝母は黄色く枯れていきます。
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前日、親子連れの月の輪熊が目撃されたので、山鍬(ヤマクワ)の柄で木を叩いて大きな音を出しながら陣場平へ。出始めた淡竹の筍を食べに8キロ先の鏡台山から来るのです。ウスバシロチョウが随分と増えました。出始めたハルジオンとブタクサを除去していきます。里山保全は大変です。
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今までにないほどに実がたくさん付いています。来年以降が楽しみです。6月には、球根の移植作業もします。
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(左)貝母の間に咲くミツバツチグリ。(右)中央にある大きなクマノミズキも蕾が出てきました。
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アカネ(茜)。アカネ科アカネ属のつる性多年生植物。根が茜色をしていて、草木染めの原料として有名です。生薬名を茜草(せんそう)といい、利尿、止血、通経薬として用いられます。
「あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る」額田王(ぬかたのおほきみ):万葉集
天智天皇の妻である額田王に、かつての夫である弟の大海人皇子(おほあまのみこ)が隠れて求愛しているという意味深な歌。
「紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも」大海人皇子の返歌
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妻女山山系のあちこちでギンラン(銀襴)が咲き始めました。群生地というほどのものはなく、あちこちで散見される程度。極小さな花なので、注意して探さないと見つからないかも。
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ギンランは、ラン科キンラン属の地生の多年草。環境省の絶滅危惧II類。長野県の準絶滅危惧(NT)です。ある種の菌根菌や樹木と共生関係にあるため、移植や栽培は不可能です(菌従属栄養植物)。採取は厳禁。
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ホタルカズラ(蛍葛)。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。ウスバシロチョウが吸蜜に訪れます。
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草丈が40センチぐらいあるシナノタンポポ。最高では、80センチのものも撮影したことがあります。花の下の総苞が反り返っていないのが特徴です。厳密には、DNAまで調べないと分かりませんが。
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ツクバネウツギ(衝羽根空木)。スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。山蕗を採りに来たグループになんていう花か聞かれたので、教えてあげました。それ以外の花の名前も。これからアザミやイボタノキ、ハリエンジュなどが咲き、ゼフィルスやコミスジ、イチモンジチョウやセセリチョウなどが舞い始め、里山は賑やかになります。
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翌日は、陣場平で除草とヨモギの収穫。天日干ししてヨモギ茶にします。ヨモギは、制癌作用があることが認められています。昼に風が強くなったので温泉へ。その前に、拙書の扉にも使っている倉科の三滝へ。ここでレンズは持ってきましたが、一眼レフのボディを忘れたことに気づきました。オーマイガー! しかたなくiPhoneで撮影。右は山菜のアイコ(ミヤマイラクサ)。東北では人気の山菜ですが、信州人は食べないですね。癖がなく美味です。棘があるので採取にはゴム手袋が必須。
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(左)三滝への入り口に、シロバナオドリコソウ(白花踊子草)の群生地があります。シソ科オドリコソウ属。ヒメオドリコソウの変種といわれますが、花は1センチぐらいあります。シロバナヒメオドリコソウとは別種でしょう。(右)ラショウモンカズラ(羅生門葛)。シソ科ラショウモンカズラ属の多年草。花冠の形を京都の羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕にたとえたものといわれますが、京都の唐橋羅城門町に多く咲いていたからついたという説もあるそうです。
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倉科の最奥部から望む林檎畑の向こうに鞍骨城跡のある鞍骨山。いつもは北側から見ているので、南側からの眺めは新鮮です。左の高圧線鉄塔のところに二条の空堀があり、その右からが城内です。もちろん拙書でも載せていますが、ハイカーだけでなく、全国から山城マニアや歴女が訪れます。土豪清野氏の山城ですが、上杉景勝が布陣したと伝わる山城です。郭や石垣が残っています。妻女山駐車場から約90分。オススメの山城です。
更に翌日は、試験的に貝母の球根の移植作業をしました。昨年は枯れてから移植したのですが、貝母の生命力の強さも分かって来たので、試験的に8株を周囲から中央に移植してみました。おそらく問題ないと思います。帰化植物のハルジオンやブタクサが出てきました。除去します。群生地のノイバラや山藤の幼木も除去します。カラコギカエデやクサギも群生地内のものは除去します。月末にメンバーを集めて移植作業をする予定です。里山は、何百年も人が手を入れて保全されてきたのです。放置しておいたら酷い藪になり真っ暗な鳥も昆虫もいない森になってしまいます。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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前日、親子連れの月の輪熊が目撃されたので、山鍬(ヤマクワ)の柄で木を叩いて大きな音を出しながら陣場平へ。出始めた淡竹の筍を食べに8キロ先の鏡台山から来るのです。ウスバシロチョウが随分と増えました。出始めたハルジオンとブタクサを除去していきます。里山保全は大変です。
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今までにないほどに実がたくさん付いています。来年以降が楽しみです。6月には、球根の移植作業もします。
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(左)貝母の間に咲くミツバツチグリ。(右)中央にある大きなクマノミズキも蕾が出てきました。
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アカネ(茜)。アカネ科アカネ属のつる性多年生植物。根が茜色をしていて、草木染めの原料として有名です。生薬名を茜草(せんそう)といい、利尿、止血、通経薬として用いられます。
「あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る」額田王(ぬかたのおほきみ):万葉集
天智天皇の妻である額田王に、かつての夫である弟の大海人皇子(おほあまのみこ)が隠れて求愛しているという意味深な歌。
「紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも」大海人皇子の返歌
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妻女山山系のあちこちでギンラン(銀襴)が咲き始めました。群生地というほどのものはなく、あちこちで散見される程度。極小さな花なので、注意して探さないと見つからないかも。
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ギンランは、ラン科キンラン属の地生の多年草。環境省の絶滅危惧II類。長野県の準絶滅危惧(NT)です。ある種の菌根菌や樹木と共生関係にあるため、移植や栽培は不可能です(菌従属栄養植物)。採取は厳禁。
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ホタルカズラ(蛍葛)。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。ウスバシロチョウが吸蜜に訪れます。
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草丈が40センチぐらいあるシナノタンポポ。最高では、80センチのものも撮影したことがあります。花の下の総苞が反り返っていないのが特徴です。厳密には、DNAまで調べないと分かりませんが。
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ツクバネウツギ(衝羽根空木)。スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。山蕗を採りに来たグループになんていう花か聞かれたので、教えてあげました。それ以外の花の名前も。これからアザミやイボタノキ、ハリエンジュなどが咲き、ゼフィルスやコミスジ、イチモンジチョウやセセリチョウなどが舞い始め、里山は賑やかになります。
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翌日は、陣場平で除草とヨモギの収穫。天日干ししてヨモギ茶にします。ヨモギは、制癌作用があることが認められています。昼に風が強くなったので温泉へ。その前に、拙書の扉にも使っている倉科の三滝へ。ここでレンズは持ってきましたが、一眼レフのボディを忘れたことに気づきました。オーマイガー! しかたなくiPhoneで撮影。右は山菜のアイコ(ミヤマイラクサ)。東北では人気の山菜ですが、信州人は食べないですね。癖がなく美味です。棘があるので採取にはゴム手袋が必須。
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(左)三滝への入り口に、シロバナオドリコソウ(白花踊子草)の群生地があります。シソ科オドリコソウ属。ヒメオドリコソウの変種といわれますが、花は1センチぐらいあります。シロバナヒメオドリコソウとは別種でしょう。(右)ラショウモンカズラ(羅生門葛)。シソ科ラショウモンカズラ属の多年草。花冠の形を京都の羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕にたとえたものといわれますが、京都の唐橋羅城門町に多く咲いていたからついたという説もあるそうです。
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倉科の最奥部から望む林檎畑の向こうに鞍骨城跡のある鞍骨山。いつもは北側から見ているので、南側からの眺めは新鮮です。左の高圧線鉄塔のところに二条の空堀があり、その右からが城内です。もちろん拙書でも載せていますが、ハイカーだけでなく、全国から山城マニアや歴女が訪れます。土豪清野氏の山城ですが、上杉景勝が布陣したと伝わる山城です。郭や石垣が残っています。妻女山駐車場から約90分。オススメの山城です。
更に翌日は、試験的に貝母の球根の移植作業をしました。昨年は枯れてから移植したのですが、貝母の生命力の強さも分かって来たので、試験的に8株を周囲から中央に移植してみました。おそらく問題ないと思います。帰化植物のハルジオンやブタクサが出てきました。除去します。群生地のノイバラや山藤の幼木も除去します。カラコギカエデやクサギも群生地内のものは除去します。月末にメンバーを集めて移植作業をする予定です。里山は、何百年も人が手を入れて保全されてきたのです。放置しておいたら酷い藪になり真っ暗な鳥も昆虫もいない森になってしまいます。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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