驚きました。椎茸のホダ木の点検に行った6月14日にオオムラサキを初見。しかも、オスだけでなくメスも舞っていました。つまり、メスより1周間から10日早くオスは羽化するので、6月の5日頃には、オスの羽化が始まったということになります。例年は、6月末。早くても20日頃です。今年の羽化の早さは、異例中の異例です。一体何が起きているのでしょうか。終齢幼虫の目撃数が多かったので、今年は何年ぶりかに大発生するかもとは書いたのですが、まさかこんなに早く羽化が始まるとは思いませんでした。
この頃のオオムラサキは、まだ樹液が充分に出始めていないので、地面に染み込んだ雨水を吸ったり、猪の糞を吸ったりします。この個体は、地面の水分を吸っていました。地面に染みこむことで、多少のミネラルや塩分は得られるのでしょう。まだ縄張り争いも激しくないので翅が綺麗です。この翅の色は、そのものの色ではなく構造色です。
横から見るとこんな感じです。結構長時間吸っています。中は、神社の格子に染み込んだ雨水を吸っているところ。右は、神社の屋根や木部で休むオオムラサキ。最盛期には、何十頭のオオムラサキが集まります。
この日は、蝶好きな懐かしい人に出会えました。Yさん、Sさん、そして妻女山は初めてで、昨日下調べで私のサイトを見ましたというOさん。蝶の情報を交換しました。そして、千曲市の空中散布により、ゼフィルス(シジミチョウ)が絶滅の危機に瀕していることなどを話しました。
もちろん、7月の第一週にでる私の本のことも。タイトルは、『信州の里山トレッキング 東北信編』です。長野の川辺書林から発刊されます。Amazonでも変えますが、できれば地元の書店でお買い求めください。既に100冊近くの予約を頂いています。単に山登りのガイド本ではなく、自然の生態系、歴史や里人の想いにまで踏み込んで書いています。パノラマ写真からマクロ写真まで、豊富に掲載されています。風景写真に花と蝶だけでなく、菌類や粘菌の写真も掲載しています。厳選した10本のコラムは面白いと思います。いずれブログでも紹介します。
アワフキムシの泡を見つけたので、中にいる幼虫を見ました。アワフキムシはセミの仲間で、植物の液を吸って餌とし、その排泄した尿で泡を作り、その中で暮らします。泡を取ると、こんな扁平な幼虫が隠れています。日本のある地方では蛍の幼虫と間違われたり、南仏ではカッコウのつばであると言われてきました。観察後、泡は元に戻しておきました。
中は、ハルジオンで吸蜜するシロテンハナムグリ。似たシラホシハナムグリというのがいるのですが、それは脚が短いので、これは前者でしょう。
右はたぶんコジャノメ。ヒメジャノメかもしれませんが、翅を閉じてくれなかったので同定に至らず。しかし、少し前にこの辺りでコジャノメが大量に発生していたので、たぶんそうでしょう。
神社の石灯籠に留まるヒオドシチョウ。翅の表は鮮やかな緋縅の緋色なんですが、開いてくれませんでした。でも、飛び立った時に鮮やかなオレンジ色が見えたので確認はできました。
中はキタキチョウ。ハルジオンで吸蜜中。数は少なめ。右は、この時期大発生するこれはマイマイガではなく、オオヤママイマイですかね。ヤマザクラの木から大量に降りてきます。別名をブランコ毛虫。マイマイガやオオヤママイマイの駆除は、殺虫剤を使ってはいけません。必ず自分に帰ってきます。卵塊を焼くのがいいでしょう。
それとクロメマトイがしつこく目を狙います。ゴーグルがないと今の時期の里山は歩けません。
今の季節、花は少なめです。ヤマホタルブクロも終わりました。花期の長いハルジオンと、ニガナが咲いています。中は、帰化植物のツルマンネングサ。多摩川の河川敷でも見られます。中国、朝鮮原産で、欧米にも帰化しているようです。韓国では野草としてナムルにして食べるそうです。血液サラサラ効果、抗菌、解毒作用があるとか。今度採ってきて調理してみましょうかね。
右は妻女山の駐車場。水たまりでなく地面に染み込んだ水分をオオムラサキは吸います。サナエトンボでしょうか、何匹も舞っていました。
妻女山展望台から見た善光寺平。飯縄山も霞んでいます。なでしこジャパンの試合が行われたスタジアムも見えます。千曲川河川敷の緑もずいぶんと濃くなりました。堤防では除草作業が始まりました。朝からカッコウとホトトギスが鳴き比べをしています。高原みたいでいいなと思われるかもしれませんが、近くで一日中鳴かれると、もう結構と言いたくなります。贅沢な悩みですが。
昨年、庭のデルフィニウムの枯れたものを、畑の焼却所に捨てたら、一面のお花畑になってしまいました。今は他にアマポーラとカモミールが咲いています。アイスティーと夜はそれの焼酎割りを飲みたいので、カモミールを摘みました。鎮静、消化促進、発汗作用があり、女性の生理痛を和らげる効果もあるようで、古代エジプトや古代ローマから愛飲されていたようです。
◉千曲市が、16、17日にかけて松枯れ病のネオニコ農薬の空中散布を行いました。市のホームページでは、一週間は山に入るなとか、窓を閉めて外にでるなとか、出る場合は帽子・マスクをせよとか、農薬がかかった野菜は食べるなとか書いてあります。そんな危険と分かっている劇薬を空中散布しているのです。山は繋がっています。今週末には、散布を知らない長野市民が何人も山に入るでしょう。これはもう犯罪と言っていいレベルの愚行です。散布地域のゼフィルスは、ほぼ絶滅しました。いずれは人間も。
◉ネオニコチノイド系・グリホサート系農薬の恐怖
金沢大学教授山田敏郎さんは、「ネオニコは、毒性が強く分解しにくく、『農薬』というより『農毒』に近い。このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える。ネオニコの危険性を多くの人に知ってもらいたい」と語っているのです。生態系には、もちろん人間も当然含まれます。
群馬県前橋市で、松枯れ病対策としてネオニコチノイド系殺虫剤が使用されるようになった2003年以降、ネオニコチノイド系殺虫剤が原因と思われる頭痛、吐き気、めまい、物忘れなどの自覚症状や、頻脈・除脈等の心電図異常がみられる患者が急増しています。なんと日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は、欧米よりも緩い基準値(日本は、アメリカの10倍、欧州の100倍近い)。(青山内科小児科医院 青山美子医師)
ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋
◆千曲市森の杏が最盛期、朝採り杏で焼酎漬。松枯れ病が深刻。ネオニコは農薬でなく農毒!(妻女山里山通信)
◆妻女山山系のゼフィルスが壊滅状態なのは千曲市による農薬の空中散布だと断言するKさん(妻女山里山通信)
◆松枯れ病の原因は、本当にマツノマダラカミキリのセンチュウだけなのか!?(妻女山里山通信)
◆松枯れの原因は松くい虫じゃなかった。大気汚染で土壌が強酸性化したことによる(妻女山里山通信)
◉必見!◆新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間(要保存のPDFファイル)
◉林野庁の、森林の放射能汚染に関するレポート。これは読んでおいた方がいい。杉はセシウムを溜めやすい。
基本的に高汚染された森林の除染は不可能だと分かる。
この頃のオオムラサキは、まだ樹液が充分に出始めていないので、地面に染み込んだ雨水を吸ったり、猪の糞を吸ったりします。この個体は、地面の水分を吸っていました。地面に染みこむことで、多少のミネラルや塩分は得られるのでしょう。まだ縄張り争いも激しくないので翅が綺麗です。この翅の色は、そのものの色ではなく構造色です。
横から見るとこんな感じです。結構長時間吸っています。中は、神社の格子に染み込んだ雨水を吸っているところ。右は、神社の屋根や木部で休むオオムラサキ。最盛期には、何十頭のオオムラサキが集まります。
この日は、蝶好きな懐かしい人に出会えました。Yさん、Sさん、そして妻女山は初めてで、昨日下調べで私のサイトを見ましたというOさん。蝶の情報を交換しました。そして、千曲市の空中散布により、ゼフィルス(シジミチョウ)が絶滅の危機に瀕していることなどを話しました。
もちろん、7月の第一週にでる私の本のことも。タイトルは、『信州の里山トレッキング 東北信編』です。長野の川辺書林から発刊されます。Amazonでも変えますが、できれば地元の書店でお買い求めください。既に100冊近くの予約を頂いています。単に山登りのガイド本ではなく、自然の生態系、歴史や里人の想いにまで踏み込んで書いています。パノラマ写真からマクロ写真まで、豊富に掲載されています。風景写真に花と蝶だけでなく、菌類や粘菌の写真も掲載しています。厳選した10本のコラムは面白いと思います。いずれブログでも紹介します。
アワフキムシの泡を見つけたので、中にいる幼虫を見ました。アワフキムシはセミの仲間で、植物の液を吸って餌とし、その排泄した尿で泡を作り、その中で暮らします。泡を取ると、こんな扁平な幼虫が隠れています。日本のある地方では蛍の幼虫と間違われたり、南仏ではカッコウのつばであると言われてきました。観察後、泡は元に戻しておきました。
中は、ハルジオンで吸蜜するシロテンハナムグリ。似たシラホシハナムグリというのがいるのですが、それは脚が短いので、これは前者でしょう。
右はたぶんコジャノメ。ヒメジャノメかもしれませんが、翅を閉じてくれなかったので同定に至らず。しかし、少し前にこの辺りでコジャノメが大量に発生していたので、たぶんそうでしょう。
神社の石灯籠に留まるヒオドシチョウ。翅の表は鮮やかな緋縅の緋色なんですが、開いてくれませんでした。でも、飛び立った時に鮮やかなオレンジ色が見えたので確認はできました。
中はキタキチョウ。ハルジオンで吸蜜中。数は少なめ。右は、この時期大発生するこれはマイマイガではなく、オオヤママイマイですかね。ヤマザクラの木から大量に降りてきます。別名をブランコ毛虫。マイマイガやオオヤママイマイの駆除は、殺虫剤を使ってはいけません。必ず自分に帰ってきます。卵塊を焼くのがいいでしょう。
それとクロメマトイがしつこく目を狙います。ゴーグルがないと今の時期の里山は歩けません。
今の季節、花は少なめです。ヤマホタルブクロも終わりました。花期の長いハルジオンと、ニガナが咲いています。中は、帰化植物のツルマンネングサ。多摩川の河川敷でも見られます。中国、朝鮮原産で、欧米にも帰化しているようです。韓国では野草としてナムルにして食べるそうです。血液サラサラ効果、抗菌、解毒作用があるとか。今度採ってきて調理してみましょうかね。
右は妻女山の駐車場。水たまりでなく地面に染み込んだ水分をオオムラサキは吸います。サナエトンボでしょうか、何匹も舞っていました。
妻女山展望台から見た善光寺平。飯縄山も霞んでいます。なでしこジャパンの試合が行われたスタジアムも見えます。千曲川河川敷の緑もずいぶんと濃くなりました。堤防では除草作業が始まりました。朝からカッコウとホトトギスが鳴き比べをしています。高原みたいでいいなと思われるかもしれませんが、近くで一日中鳴かれると、もう結構と言いたくなります。贅沢な悩みですが。
昨年、庭のデルフィニウムの枯れたものを、畑の焼却所に捨てたら、一面のお花畑になってしまいました。今は他にアマポーラとカモミールが咲いています。アイスティーと夜はそれの焼酎割りを飲みたいので、カモミールを摘みました。鎮静、消化促進、発汗作用があり、女性の生理痛を和らげる効果もあるようで、古代エジプトや古代ローマから愛飲されていたようです。
◉千曲市が、16、17日にかけて松枯れ病のネオニコ農薬の空中散布を行いました。市のホームページでは、一週間は山に入るなとか、窓を閉めて外にでるなとか、出る場合は帽子・マスクをせよとか、農薬がかかった野菜は食べるなとか書いてあります。そんな危険と分かっている劇薬を空中散布しているのです。山は繋がっています。今週末には、散布を知らない長野市民が何人も山に入るでしょう。これはもう犯罪と言っていいレベルの愚行です。散布地域のゼフィルスは、ほぼ絶滅しました。いずれは人間も。
◉ネオニコチノイド系・グリホサート系農薬の恐怖
金沢大学教授山田敏郎さんは、「ネオニコは、毒性が強く分解しにくく、『農薬』というより『農毒』に近い。このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える。ネオニコの危険性を多くの人に知ってもらいたい」と語っているのです。生態系には、もちろん人間も当然含まれます。
群馬県前橋市で、松枯れ病対策としてネオニコチノイド系殺虫剤が使用されるようになった2003年以降、ネオニコチノイド系殺虫剤が原因と思われる頭痛、吐き気、めまい、物忘れなどの自覚症状や、頻脈・除脈等の心電図異常がみられる患者が急増しています。なんと日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は、欧米よりも緩い基準値(日本は、アメリカの10倍、欧州の100倍近い)。(青山内科小児科医院 青山美子医師)
ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋
◆千曲市森の杏が最盛期、朝採り杏で焼酎漬。松枯れ病が深刻。ネオニコは農薬でなく農毒!(妻女山里山通信)
◆妻女山山系のゼフィルスが壊滅状態なのは千曲市による農薬の空中散布だと断言するKさん(妻女山里山通信)
◆松枯れ病の原因は、本当にマツノマダラカミキリのセンチュウだけなのか!?(妻女山里山通信)
◆松枯れの原因は松くい虫じゃなかった。大気汚染で土壌が強酸性化したことによる(妻女山里山通信)
◉必見!◆新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間(要保存のPDFファイル)
◉林野庁の、森林の放射能汚染に関するレポート。これは読んでおいた方がいい。杉はセシウムを溜めやすい。
基本的に高汚染された森林の除染は不可能だと分かる。