千曲市から2月26日に千曲市戸倉と倉科の節分草が開花したとの一報がありました。暖冬だったのでこれは満開も早いかなと思ったら3月は異常な寒さ。おまけに中旬から何度もなごり雪が降って開花は止まってしまいました。その後は菜種梅雨に突入。3月25日に満開と出ましたがかなりの春雨が。27日にやっと撮影に行くことができました。そのため髻山(もとどりやま)のセリバオウレンは撮影できませんでした。やれやれ。
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セツブンソウ(節分草)は、キンポウゲ科セツブンソウ属で、本州の関東地方以西に分布する、高さ10センチほどの小さな多年生草本。花の直径は1から2センチ。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。千曲市が長野県の北限だそうです。前日かなり雨が降ったので濡れています。
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可憐な節分草。早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物で、日本には200種以上あります。
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アリ散布植物は、セツブンソウ属やカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属などがあり、自然界におけるアリの働きの重要さが分かります。
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日本には、アリが絶滅すると絶えてしまう植物が200種以上あるのです。たとえばカタクリの胡麻より小さな種にはエライオソームというアリの餌となる物質がついていて、アリは種ごと巣に運びます。そして、エライオソームを取った後、種を巣の外に捨てるのですが、それが種蒔きになるのです。自然界は弱肉強食といいますがそれは間違いです。非常に複雑に絡み合った共生関係にあるのです。
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石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です(絶滅危惧植物II類)。
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節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。花言葉は、気品・ほほえみ・光輝・人間嫌いだとか。高貴な花なんですね。やはり野に置け節分草。栽培ではなく山野で楽しみたいものです。
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節分草の後ろ姿。可憐です。発芽して1年目のものは小さな丸い葉1枚。
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今年は発見できませんでしたが、稀に八重のものがあります。また、もっと稀ですが、一つの茎から二輪の花が咲くものがあります。リンクの2022年3月22日の記事では紹介しています。その時は三本発見しました。
●なごり雪の後のセリバオウレン、バイモ、セツブンソウ。杉山古墳群の積石塚古墳(妻女山里山通信)
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杉や落葉松の明るい林床。シダ植物や灌木が生えると絶滅してしまいます。
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満開ですが、しなびた花も散見されました。見頃は週末まででしょう。
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節分草もセリバオウレンも花期は例年なら1週間から10日ほどです。うっかりすると見過ごしてしまいます。
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花びら(萼)が6枚のものを見つけたのですが、目を一回逸したらどこかに行ってしまいました。
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林床の群生地はこんなです。1年目は小さな丸い葉1枚。2年目で放射状の菊葉に。3年目か4年目で開花します。
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群生地の入り口。昨年は戸倉のキティーパーク上の群生地に行きました。さて、妻女山陣場平の貝母(ばいも)の群生地も見に行かなければ。なごり雪でつぶされていないといいのですが。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
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セツブンソウ(節分草)は、キンポウゲ科セツブンソウ属で、本州の関東地方以西に分布する、高さ10センチほどの小さな多年生草本。花の直径は1から2センチ。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。千曲市が長野県の北限だそうです。前日かなり雨が降ったので濡れています。
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可憐な節分草。早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物で、日本には200種以上あります。
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アリ散布植物は、セツブンソウ属やカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属などがあり、自然界におけるアリの働きの重要さが分かります。
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日本には、アリが絶滅すると絶えてしまう植物が200種以上あるのです。たとえばカタクリの胡麻より小さな種にはエライオソームというアリの餌となる物質がついていて、アリは種ごと巣に運びます。そして、エライオソームを取った後、種を巣の外に捨てるのですが、それが種蒔きになるのです。自然界は弱肉強食といいますがそれは間違いです。非常に複雑に絡み合った共生関係にあるのです。
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石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です(絶滅危惧植物II類)。
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節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。花言葉は、気品・ほほえみ・光輝・人間嫌いだとか。高貴な花なんですね。やはり野に置け節分草。栽培ではなく山野で楽しみたいものです。
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節分草の後ろ姿。可憐です。発芽して1年目のものは小さな丸い葉1枚。
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今年は発見できませんでしたが、稀に八重のものがあります。また、もっと稀ですが、一つの茎から二輪の花が咲くものがあります。リンクの2022年3月22日の記事では紹介しています。その時は三本発見しました。
●なごり雪の後のセリバオウレン、バイモ、セツブンソウ。杉山古墳群の積石塚古墳(妻女山里山通信)
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杉や落葉松の明るい林床。シダ植物や灌木が生えると絶滅してしまいます。
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満開ですが、しなびた花も散見されました。見頃は週末まででしょう。
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節分草もセリバオウレンも花期は例年なら1週間から10日ほどです。うっかりすると見過ごしてしまいます。
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花びら(萼)が6枚のものを見つけたのですが、目を一回逸したらどこかに行ってしまいました。
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林床の群生地はこんなです。1年目は小さな丸い葉1枚。2年目で放射状の菊葉に。3年目か4年目で開花します。
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群生地の入り口。昨年は戸倉のキティーパーク上の群生地に行きました。さて、妻女山陣場平の貝母(ばいも)の群生地も見に行かなければ。なごり雪でつぶされていないといいのですが。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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