午前中に慌ただしく千曲市森のあんずの里へ。薄曇りでしたが、けっこう花見客が訪れていました。私は例年通り、花見客がほとんどいない古刹巡りを中心に歩きました。10時半で撮影は終了。クヌギの枝を取りに陣場平へ向かいました。
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昨年と同じく杏の花と桜が同時に満開になりました。黄色いレンギョウや白いユキヤナギもあちこちで咲いています。ホッとする風景です。
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観龍寺の山門とレンギョウが咲く石段。
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観龍寺の桜。昨年までは茅葺きでしたが、銅板に葺き替えられました。母方の祖先の絵師の絵が奉納されています。ここから大峯山への登山ルートは拙書で紹介しています。
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毎年必ず撮影する在来種の古木。今年も元気に咲いてくれました。
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あんずの小道。樹下にはホトケノザやオオイヌノフグリ、水仙などが咲いています。ヒヨドリがうるさいほど群れていました。
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杏畑の最上部まで満開です。
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樹齢300年を超えると伝わる杏の大木。森のアンズは、天和年間(1681~1683年)元禄時代、伊予宇和島藩主伊達宗利侯の息女豊姫が、松代藩主真田幸道侯に興し入れの際、故郷の春を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ、松代東条地区に植え付けたのが始まりとされるのですが、それ以前にも少しはあった可能性はあります。安永年間(1772~1780年)松代藩は、森村・倉科村・生萱村・石川村などへ苗木を配布し、栽培を奨励しました。
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杏の花の奥に満開の桜。遠くに茶臼山が見えます。その向こうは、陣場平山などの峰。
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禅透院の鐘楼と在来種の杏の花。右奥はやはり満開のサンシュユ(山茱萸)。
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サンシュユの花のアップ。
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禅透院の本堂と枝垂れ桜。
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次いで母方の祖母が眠る興正寺へ。満開の枝垂れ桜。
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山門越しに見る枝垂れ桜。鶯のさえずりが聞こえます。
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山門にある「子持龍」は、諏訪立川流の天才・立川和四郎富昌の作。富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。
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興正寺の上から見るあんずの里。私が屋代高校の頃に教室から見た景色は、藁葺き屋根が多く杏の花も在来種が多かったため、ピンク色というよりも、やや黄ばんだコーラルピンクの色でした。
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帰路に立ち寄る岡地。西に山があって日暮れが早いので半日村と呼ばれます。花見客も訪れない穴場です。前日設置した標識の添え木の撤去とクヌギの枝を持ち帰るために、大急ぎで妻女山の陣場平へ向かいました。貝母を観に来た二人の方と邂逅しました。もう見頃と言っていいでしょう。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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昨年と同じく杏の花と桜が同時に満開になりました。黄色いレンギョウや白いユキヤナギもあちこちで咲いています。ホッとする風景です。
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観龍寺の山門とレンギョウが咲く石段。
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観龍寺の桜。昨年までは茅葺きでしたが、銅板に葺き替えられました。母方の祖先の絵師の絵が奉納されています。ここから大峯山への登山ルートは拙書で紹介しています。
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毎年必ず撮影する在来種の古木。今年も元気に咲いてくれました。
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あんずの小道。樹下にはホトケノザやオオイヌノフグリ、水仙などが咲いています。ヒヨドリがうるさいほど群れていました。
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杏畑の最上部まで満開です。
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樹齢300年を超えると伝わる杏の大木。森のアンズは、天和年間(1681~1683年)元禄時代、伊予宇和島藩主伊達宗利侯の息女豊姫が、松代藩主真田幸道侯に興し入れの際、故郷の春を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ、松代東条地区に植え付けたのが始まりとされるのですが、それ以前にも少しはあった可能性はあります。安永年間(1772~1780年)松代藩は、森村・倉科村・生萱村・石川村などへ苗木を配布し、栽培を奨励しました。
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杏の花の奥に満開の桜。遠くに茶臼山が見えます。その向こうは、陣場平山などの峰。
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禅透院の鐘楼と在来種の杏の花。右奥はやはり満開のサンシュユ(山茱萸)。
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サンシュユの花のアップ。
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禅透院の本堂と枝垂れ桜。
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次いで母方の祖母が眠る興正寺へ。満開の枝垂れ桜。
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山門越しに見る枝垂れ桜。鶯のさえずりが聞こえます。
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山門にある「子持龍」は、諏訪立川流の天才・立川和四郎富昌の作。富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。
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興正寺の上から見るあんずの里。私が屋代高校の頃に教室から見た景色は、藁葺き屋根が多く杏の花も在来種が多かったため、ピンク色というよりも、やや黄ばんだコーラルピンクの色でした。
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帰路に立ち寄る岡地。西に山があって日暮れが早いので半日村と呼ばれます。花見客も訪れない穴場です。前日設置した標識の添え木の撤去とクヌギの枝を持ち帰るために、大急ぎで妻女山の陣場平へ向かいました。貝母を観に来た二人の方と邂逅しました。もう見頃と言っていいでしょう。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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