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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

4月11日(日)。たくさんの人達を案内しました。妻女山陣場平の貝母の見頃は20日過ぎまで続くでしょう(妻女山里山通信)

2021-04-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平で、貝母(編笠百合)がほぼ満開になりました。前日より気温も上がったのでたくさんの人が訪れてくれました。10時過ぎから午後5時まで、保全作業や撮影をしながら案内をしました。今回は以前案内したことのある人達もたくさん。斎場山を知って初めてきた地元の男子高校生三人組とか。貝母を撮影して同級生の女子達を連れてくるといいよとアドバイス。インスタ映えしますしね。幼児連れの家族も。何も知らないで登ってきて看板を見て来た人も。12年ですからリピーターが多いですね。

 俯いて咲く慎ましやかな貝母三兄弟。撮影は風のない午前中が最適です。スマホの場合は自撮りモードでこういうカットが撮影できます。基本的には、雄しべ6本で、花びらも6枚なのですが、右の花は雄しべが7本、花びらも7枚ですね。9枚とかも探せば見つかります。

 林道から鉄の陣場平の看板の小道を歩いて、最初に目にする群生地の風景です。初めての方は、わー!凄いと言いますね。日本中で山中の群生地はここだけですから。2009年にひどい藪の中に小さな群生地を発見して、ここまでにするのに12年かかっています。ヨシやノイバラが繁茂したり、帰化植物に悩まされたり、それは大変でした。その戦いは今も続いています。

 ほぼ満開ですが、よく見るとてっぺんがまだ蕾ですね。これが開いて本当の満開になります。花期は長いので、見頃は20日過ぎまで続くでしょう。その頃には、カスミザクラやウワミズザクラも満開になるでしょう。昼は長男が来てくれたので案内。昼は東福寺のそば処安心で彼に引っ越し蕎麦をごちそうしました。二八蕎麦にくるみダレ、季節の天ぷらと小鉢もついて1600円。美味でした。地元で人気の店です。平日のランチはオススメ。その後戻って再び案内しました。

(左)群生地のほぼ真ん中にあるクマノミズキの樹液です。出るとすぐに発酵して樹液酵母になります。拙書のコラムでもエッセイがありますが、楓のシロップ(メープルシロップ)が有名です。これでパンを焼いたりビールを作ったりしています。(右)シロバナケマン。ムラサキケマンが有名ですが、妻女山山系はこれが主流です。6月に舞う氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。

 ヤマエンゴサク(山延胡索)。陣場平の近くで群生地を見つけました。ケシ科キケマン属の多年草です。

 貝母の群生地から離れたところにひっそりとあるハナヤスリ。そうは見ませんがジダ植物です。名前は胞子嚢穂が棒ヤスリに似ていることに由来します。菌根菌と共生関係にあるギンラン、キンランとかも同様。園芸店で売られていたら全て盗掘品です。育ちません。ラン類は愛好者が多いのですが、本当に自然を愛する人は里山で見るだけで満足するでしょう。拙書でもたくさん野草を紹介していますが、盗掘される可能性のあるものは載せていません。

(左)今は亡き友人のログハウスがある堂平大塚古墳へ。彼が植えた花桃が咲き出しました。彼には里山整備や林道整備のために重機を出してもらって本当に助かりました。GWの頃には、彼が植えたたくさんのツツジが咲きます。猛毒のレンゲツツジや純白のリュウキュウツツジも。立入禁止とありますが、古墳を見学するのであれば入って構いません。弟さんが管理していますが、いたら見学させてくださいと言って下さい。(右)下山途中に邂逅したニホンカモシカ。拙書で載せているのは、シロというマダムの子供。これはその子のブランカの昨年生まれた子供だと思います。
 今年は春の移ろいが早すぎて、本当に大変です。次はどこに撮影に行くべきか迷います。花粉症と自立神経失調症で体はボロボロだし。でも季節は待ってくれません。気力で乗り切ります。17日は仲間と里山保全の活動もします。体が二つ欲しいです。

 昔オランダから入ったという奥多摩の伝統野菜のらぼう菜とハリギリ、タラの芽で、ホタルイカと釜揚げシラスで春のパスタ。馬鹿旨です。山菜がもの凄く早いです。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。現在と全く異なる風景です。本当にひどい藪でした。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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