土曜日に妻女山に登ったのですが、風も強く何もいませんでした。翌日曜日に茶臼山へ。最高気温は34度の予報。午前中は26度でしたが湿度が100%ぐらい。2時間弱の山行でしたが、バテました。それでも少ないとはいえそれなりに収穫がありました。
ノアザミ(野薊)。総苞が粘るのでこの後に咲き出すノハラアザミと区別ができます。この総苞によくザトウムシの脚や小さな昆虫が捕らえられているのを見ます。食虫植物ではないのになぜ粘るのでしょう。
ジャノメチョウ(蛇目蝶)。ノアザミで吸蜜後に止まりました。この下にある茶臼山自然植物園にもたくさんいます。
伐採された丸太にセンボンイチメガサ。毒ではありませんが猛毒のコレラタケに似ているので普通は採りません。美味しくもないと思います。
足元の草むらに暴れるヒグラシ。羽化したばかりなのでしょう。簡単に手で捕まえられます。もちろん撮影後は逃してあげました。
「黙もあらむ時も 鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠人知らず
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いてくれます。)要するに喧しいと言っているのでしょうか。
登山道のあちこちに地面から発生していた謎の物体。なんでしょう。いわゆる菌糸束とも違う感じ。粘菌とも違います。これは左右が4センチぐらい。画像検索したらOligoporusという真菌とでたのですが。シロカイメンタケなら朽木から発生するので違います。
粘菌のツノホコリ(角埃)。もっとも一般的なよく見られる粘菌です。あちこちに発生していました。
拙書の茶臼山のページにも載せている北アルプス展望台。北アルプスは雲の中。右奥にこれも載せている虫倉山。眼下に里山の原風景。水田の稲も育っています。鶯が鳴いています。ヒグラシの合唱も。ここは長野市で市街地への通勤圏です。虫倉山までが松代藩の領地。左は小川村で松本藩の領地でした。虫倉山の向こうは鬼無里。
尾根道を歩いて見つけたイグチ科のキノコ。ヤマドリタケモドキ(日本のポルチーニ)かなと思って匂いをかぐと非常に甘い。しかし、傘の裏が虫に食べられていけません。これでパスタにすると極上の料理ができます。夏はアカヤマドリとかアカジコウ、ハナビラタケも出るのですが見られませんでした。夏キノコは出ていないかと思ったら帰りにきれいなチチタケを発見しました。うどんにします。
少し歩いて反対側の善光寺平が見える展望台へ。蒸し暑いです。クロメマトイがまとわりつきます。眼下にはお見合い風呂で有名な中尾山温泉があります。しかし、何もいない。そうだ、虫倉山が見える棚田に下りてみよう。まあ下りるのはいいのですが、急登を戻らなければならないので、少しためらいます。
棚田の風景。獣害避けのために電線で囲まれています。遠くに虫倉山。
棚田のあぜ道に咲くシロツメクサで吸蜜するツバメシジミのメス。
獲物を捕まえたシオヤアブのメス。細い脚の様なものが見えますがなんでしょう。これはカメムシの触覚ですね。獲物はカメムシの一種で間違いないでしょう。
翅が退化したミヤマフキバッタの仲間。茶臼山には検索でも出てこない非常に珍しい焦げ茶色のものがいます。もしかしたら新種でしょうか。大発見かも。しかし変だなとツイートしたらヒメギスの類ですとリプライがありました。調べると、成虫になっても翅が小さいコバネヒメギスと判明しました。
シオカラトンボのオス。たくさん舞っていました。トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。その昔トンボは不退転の勝ち虫と呼ばれ、武士の兜の前立によく使われました。他にも昆虫を使った兜は多く、蝶、百足(ムカデ)、スズメバチなどもあります。
トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせるからです。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。
胸の横の黒い模様と7月ということからナツアカネではないかと思います。
アオイトトンボかと思いましたが、色が違います。モノサシトンボかもしれません。細くてよく見ないと存在すら気が付かないほどです。カメラの操作で目を離したら見失いました。必死に探してやっと止まっているのを見つけました。繊細で美しいトンボです。
ミヤマフキバッタ。妻女山山系でもよく見られる種類です。メスは真夏に、胴を砂地に差し込んで産卵します。茶臼山には他に、後ろ脚に赤いラインがあるミカドフキバッタがいます。
帰ろうと戻ると目の前を逃げる昆虫がいました。なんとハンミョウです。すぐに逃げるので撮影が本当に難しい昆虫です。特に前から撮影するのは不可能に近いほど。気配を殺してなんとか撮影できました。タマムシ、ルリボシカミキリと共に、日本で最も美しい甲虫の一種です。
栃木県民絶賛の郷土料理。チチタケ(チタケ)とナスのうどん。チチタケとナスは油でしっかり炒めます。こっくりとしたいい出汁が出ます。鰹と昆布を加えて味醂と友人の手作り醤油で。塩麹に漬けた鶏肉も。うどんは前回と同じく伊賀筑後オレゴン(いがちく)とゆめちから、ゆめせいきの手打ちうどん。食後にブログの画像加工をしていたら、長男がまったく同じチチタケ手打ちうどんを食べて写真と共にツイートしたので笑いました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
ノアザミ(野薊)。総苞が粘るのでこの後に咲き出すノハラアザミと区別ができます。この総苞によくザトウムシの脚や小さな昆虫が捕らえられているのを見ます。食虫植物ではないのになぜ粘るのでしょう。
ジャノメチョウ(蛇目蝶)。ノアザミで吸蜜後に止まりました。この下にある茶臼山自然植物園にもたくさんいます。
伐採された丸太にセンボンイチメガサ。毒ではありませんが猛毒のコレラタケに似ているので普通は採りません。美味しくもないと思います。
足元の草むらに暴れるヒグラシ。羽化したばかりなのでしょう。簡単に手で捕まえられます。もちろん撮影後は逃してあげました。
「黙もあらむ時も 鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠人知らず
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いてくれます。)要するに喧しいと言っているのでしょうか。
登山道のあちこちに地面から発生していた謎の物体。なんでしょう。いわゆる菌糸束とも違う感じ。粘菌とも違います。これは左右が4センチぐらい。画像検索したらOligoporusという真菌とでたのですが。シロカイメンタケなら朽木から発生するので違います。
粘菌のツノホコリ(角埃)。もっとも一般的なよく見られる粘菌です。あちこちに発生していました。
拙書の茶臼山のページにも載せている北アルプス展望台。北アルプスは雲の中。右奥にこれも載せている虫倉山。眼下に里山の原風景。水田の稲も育っています。鶯が鳴いています。ヒグラシの合唱も。ここは長野市で市街地への通勤圏です。虫倉山までが松代藩の領地。左は小川村で松本藩の領地でした。虫倉山の向こうは鬼無里。
尾根道を歩いて見つけたイグチ科のキノコ。ヤマドリタケモドキ(日本のポルチーニ)かなと思って匂いをかぐと非常に甘い。しかし、傘の裏が虫に食べられていけません。これでパスタにすると極上の料理ができます。夏はアカヤマドリとかアカジコウ、ハナビラタケも出るのですが見られませんでした。夏キノコは出ていないかと思ったら帰りにきれいなチチタケを発見しました。うどんにします。
少し歩いて反対側の善光寺平が見える展望台へ。蒸し暑いです。クロメマトイがまとわりつきます。眼下にはお見合い風呂で有名な中尾山温泉があります。しかし、何もいない。そうだ、虫倉山が見える棚田に下りてみよう。まあ下りるのはいいのですが、急登を戻らなければならないので、少しためらいます。
棚田の風景。獣害避けのために電線で囲まれています。遠くに虫倉山。
棚田のあぜ道に咲くシロツメクサで吸蜜するツバメシジミのメス。
獲物を捕まえたシオヤアブのメス。細い脚の様なものが見えますがなんでしょう。これはカメムシの触覚ですね。獲物はカメムシの一種で間違いないでしょう。
翅が退化したミヤマフキバッタの仲間。茶臼山には検索でも出てこない非常に珍しい焦げ茶色のものがいます。もしかしたら新種でしょうか。大発見かも。しかし変だなとツイートしたらヒメギスの類ですとリプライがありました。調べると、成虫になっても翅が小さいコバネヒメギスと判明しました。
シオカラトンボのオス。たくさん舞っていました。トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。その昔トンボは不退転の勝ち虫と呼ばれ、武士の兜の前立によく使われました。他にも昆虫を使った兜は多く、蝶、百足(ムカデ)、スズメバチなどもあります。
トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせるからです。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。
胸の横の黒い模様と7月ということからナツアカネではないかと思います。
アオイトトンボかと思いましたが、色が違います。モノサシトンボかもしれません。細くてよく見ないと存在すら気が付かないほどです。カメラの操作で目を離したら見失いました。必死に探してやっと止まっているのを見つけました。繊細で美しいトンボです。
ミヤマフキバッタ。妻女山山系でもよく見られる種類です。メスは真夏に、胴を砂地に差し込んで産卵します。茶臼山には他に、後ろ脚に赤いラインがあるミカドフキバッタがいます。
帰ろうと戻ると目の前を逃げる昆虫がいました。なんとハンミョウです。すぐに逃げるので撮影が本当に難しい昆虫です。特に前から撮影するのは不可能に近いほど。気配を殺してなんとか撮影できました。タマムシ、ルリボシカミキリと共に、日本で最も美しい甲虫の一種です。
栃木県民絶賛の郷土料理。チチタケ(チタケ)とナスのうどん。チチタケとナスは油でしっかり炒めます。こっくりとしたいい出汁が出ます。鰹と昆布を加えて味醂と友人の手作り醤油で。塩麹に漬けた鶏肉も。うどんは前回と同じく伊賀筑後オレゴン(いがちく)とゆめちから、ゆめせいきの手打ちうどん。食後にブログの画像加工をしていたら、長男がまったく同じチチタケ手打ちうどんを食べて写真と共にツイートしたので笑いました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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