毎年、里山の紅葉だけでなく紅葉が綺麗な古刹を訪れています。2019年には長野市保科の阿彌陀山清水寺を訪れました。それは見事でした。2020年は息子達と小諸懐古園へ。昨年はあんずの里、森の観龍寺、禅透院、興正寺、岡地天満宮を訪れました。さて今年はと考えて、千曲市稲荷山の龍洞院へはまだ行っていないことに気が付きました。しかも、信州は今新蕎麦の季節。信州ならではの胡桃蕎麦もいただきたいと出かけました。観光客は来ない地元民に大人気のお店です。
龍洞院(りゅうどういん)は、1504年に建立された曹洞宗の名刹です。山号は桑原山。週末は混雑すること間違いないので平日に。見頃でした。燃える秋に酔う。そんなひと時でした。
上まで急坂を登って車で行けますが、下の広い駐車場から登ることをお勧めします。右上が桑原山なのでしょうか。この奥にはブログで紅葉を紹介した篠山がそびえています。また近くには、越将軍塚古墳、塚穴古墳、遠見塚古墳などがある歴史ある地籍です。
総門。曹洞宗は、中国の禅宗五家の1つで、中国禅宗の祖である達磨から数えて6代目の南宗禅の祖・曹渓宝林寺の慧能の弟子の1人である青原行思から、石頭希遷、薬山惟儼、雲巌曇晟と4代下った洞山良价によって創宗されました。日本には鎌倉時代に宋から伝えられ、臨済宗・黄檗宗とともに日本三大禅宗の一つです。
参道を登ります。両側は畑だったり民家があったり。期待が高まります。
そして、紅葉に加えて見どころなのがこのトンネル。登録有形文化財の龍洞院架道橋です。明治33年に作られたもので、旧国鉄(現JR東日本)の篠ノ井線が上を通っています。橋の長さは7.4m。幅員21m。煉瓦造単のアーチ橋です鉄道マニア必見の歴史的構造物といえるでしょう。
振り返ると紅葉越しに千曲市稲荷山の街。蔵の街です。近くに武水別神社があります。手前の尾根は一重山から五里ヶ峯に続く五一山脈。もちろん拙書でも紹介しています。
トンネル内で振り返って見る紅葉。上を列車が通過して行きました。
トンネルの出口での光景。思わずウッホーとつぶやきました。
架道橋を見下ろしたところ。線路の手前に後で造られたと思われる道路があります。
山門へ向かいます。六体の石仏。
山門脇の紅葉と黄葉。イロハモミジとヤマモミジでしょうか。アントシアニンの生成に違いが出るのでしょうか。面白いですね。
山門から振り返った景色。楓の紅葉と杉の緑の補色の対比が美しい。
山門の山号が書かれた額。額は古そうですが、山門は装飾含めそう古くはなさそうです。
銅葺きの本堂。中は隙間から少し見えました。中が見たかったのですが、ちょうど昼時なのでご住職に問い合わせは遠慮しました。
右はモチノキ科の常緑高木の多羅葉(たらよう)。葉に傷をつけるとあとが黒くなるので、インドで写経をしたタラジュの葉にちなんでの命名。俗には葉書の木といわれます。これも紅葉との補色の対比が際立ちます。
鐘楼と観音堂。観音堂は割と新しい様です。手入れされた庭園が美しい。
観音堂には千手観音が。千手観音は正式名称を「千手千眼観自在菩薩」といい、観音の持つ慈悲の力を最大限に表したもの。「サハスラブジャ」とは「千の手」あるいは「千の手を持つもの」の意味で、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神やシヴァ神、女神ドゥルガーといった神々の異名でもあり、ヒンドゥー教の影響を受けて成立した観音菩薩の変化身と考えられています。三十三間堂の千手観音は国宝。
参拝していると後ろで列車の音が。振り返るとワイドビューしなのが通過していきました。これは最後尾です。
脇道をたどって見上げると燃える秋。紅葉と黄葉が、まるで燃え上がる炎の様です。紅葉のメカニズムをざっくりと説明すると下記の様になります。
・緑色→葉緑素の色
・赤色→葉緑素が壊れてアントシアニンが生成した色(アントシアニンは、植物が紫外線など有害な光から実を守るために蓄えられる青紫色の天然色素。 ポリフェノールの一種で、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれている。 視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされている)
・黄色→葉緑素が壊れて、元々あった地の色(カロチン系)が出た。ただ冷え込みが緩いと同じ樹種でもアントシアニンが生成されにくく紅葉ではなく黄葉になることもある
・茶色→葉緑素が壊れてタンニンが生成した色
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
龍洞院(りゅうどういん)は、1504年に建立された曹洞宗の名刹です。山号は桑原山。週末は混雑すること間違いないので平日に。見頃でした。燃える秋に酔う。そんなひと時でした。
上まで急坂を登って車で行けますが、下の広い駐車場から登ることをお勧めします。右上が桑原山なのでしょうか。この奥にはブログで紅葉を紹介した篠山がそびえています。また近くには、越将軍塚古墳、塚穴古墳、遠見塚古墳などがある歴史ある地籍です。
総門。曹洞宗は、中国の禅宗五家の1つで、中国禅宗の祖である達磨から数えて6代目の南宗禅の祖・曹渓宝林寺の慧能の弟子の1人である青原行思から、石頭希遷、薬山惟儼、雲巌曇晟と4代下った洞山良价によって創宗されました。日本には鎌倉時代に宋から伝えられ、臨済宗・黄檗宗とともに日本三大禅宗の一つです。
参道を登ります。両側は畑だったり民家があったり。期待が高まります。
そして、紅葉に加えて見どころなのがこのトンネル。登録有形文化財の龍洞院架道橋です。明治33年に作られたもので、旧国鉄(現JR東日本)の篠ノ井線が上を通っています。橋の長さは7.4m。幅員21m。煉瓦造単のアーチ橋です鉄道マニア必見の歴史的構造物といえるでしょう。
振り返ると紅葉越しに千曲市稲荷山の街。蔵の街です。近くに武水別神社があります。手前の尾根は一重山から五里ヶ峯に続く五一山脈。もちろん拙書でも紹介しています。
トンネル内で振り返って見る紅葉。上を列車が通過して行きました。
トンネルの出口での光景。思わずウッホーとつぶやきました。
架道橋を見下ろしたところ。線路の手前に後で造られたと思われる道路があります。
山門へ向かいます。六体の石仏。
山門脇の紅葉と黄葉。イロハモミジとヤマモミジでしょうか。アントシアニンの生成に違いが出るのでしょうか。面白いですね。
山門から振り返った景色。楓の紅葉と杉の緑の補色の対比が美しい。
山門の山号が書かれた額。額は古そうですが、山門は装飾含めそう古くはなさそうです。
銅葺きの本堂。中は隙間から少し見えました。中が見たかったのですが、ちょうど昼時なのでご住職に問い合わせは遠慮しました。
右はモチノキ科の常緑高木の多羅葉(たらよう)。葉に傷をつけるとあとが黒くなるので、インドで写経をしたタラジュの葉にちなんでの命名。俗には葉書の木といわれます。これも紅葉との補色の対比が際立ちます。
鐘楼と観音堂。観音堂は割と新しい様です。手入れされた庭園が美しい。
観音堂には千手観音が。千手観音は正式名称を「千手千眼観自在菩薩」といい、観音の持つ慈悲の力を最大限に表したもの。「サハスラブジャ」とは「千の手」あるいは「千の手を持つもの」の意味で、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神やシヴァ神、女神ドゥルガーといった神々の異名でもあり、ヒンドゥー教の影響を受けて成立した観音菩薩の変化身と考えられています。三十三間堂の千手観音は国宝。
参拝していると後ろで列車の音が。振り返るとワイドビューしなのが通過していきました。これは最後尾です。
脇道をたどって見上げると燃える秋。紅葉と黄葉が、まるで燃え上がる炎の様です。紅葉のメカニズムをざっくりと説明すると下記の様になります。
・緑色→葉緑素の色
・赤色→葉緑素が壊れてアントシアニンが生成した色(アントシアニンは、植物が紫外線など有害な光から実を守るために蓄えられる青紫色の天然色素。 ポリフェノールの一種で、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれている。 視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされている)
・黄色→葉緑素が壊れて、元々あった地の色(カロチン系)が出た。ただ冷え込みが緩いと同じ樹種でもアントシアニンが生成されにくく紅葉ではなく黄葉になることもある
・茶色→葉緑素が壊れてタンニンが生成した色
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
記事を拝見して、さっそく龍洞院行ってきました。
良いところですね。
今になって思えばキッズさんの撮影した構図を参考にして撮影すればよかったです。