車いすで風をきって

今日、歩いていて何となく道の向こうを見ると、電動車椅子が
坂を上っていくのが見えました。
なんと、私がいる障害者の作業所に去年までいた所員さんでした。
彼は、自分の体を動かすことが殆んどできません。
食事も一人ではできません。
でも、ずっと自立したいと思っていた人です。
障害者のカウンセリングが出来たらと、勉強をしてました。
そんな彼が、去年の春から週二日働きだしました。
障害者関係の職場です。
彼が嬉しそうに、交通費もでるんだ。と話してくれた時は、障害を
もった人達が働くことの厳しさを感じました。
就職して間もない彼を、お菓子を持って訪ねた時には、余りに
緊張している様子に、大丈夫かなと心配になりましたが、
今日、電動車椅子で風をきって坂を上っていく彼に、爽やかな自信を
感じました。
どんなに重い障害があっても、自立したいという夢をもち、その夢に
向かって前へ進もうとしている彼はすごいと思います。
もしも、この地球が健常者だけで成り立っていたら、どんなに傲慢な
世界になっているだろうと、思うことがあります。
今日、彼の後姿に希望のお福分けを頂いたようでした。