~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

いのちって

2010-03-10 10:17:24 | 日記
昨日、ものすごい風の音を聞いていたら、ふと雪の山小屋にでも
いるような気持ちになりました。
その気持ちを現実に引き戻すかのように、消防車のサイレンが
鳴り響きました。
こんな強風の日に火事とは、と考えただけでも鳥肌がたちそう
でしたが、今日朝刊に65年前の3月10日未明の東京大空襲の時も、
北西の強風が吹いていたとありました。
炎の海の中で、10万人近い人が亡くなったという、あの空襲が
昨日の強風と重なりました。
テレビをつけると、東京大空襲のことを語る人の声を流して、
そのことを踊りで表現しているという、若い舞踏家が出ていました。
彼は今まで、空襲で亡くなった人をテーマにしてきたが、今回は
生き残った人達をテーマにしたいと思い、どんな思いで生きてきた
かを、語ってもらったそうです。
その人々の重い人生を、どう表現したらよいか苦悩したと言います。
そして、悩んだ末に近所の神社にある、あの空襲で焼け残った
一本の銀杏の大木が、半分は焦げて死んでいるのに、残りの半分が
生きている姿を見て、生きている者の中に死んだ人も生きて
いるのだ!と知りそれを表現したいと思ったそうです。
戦争で生き残った方は、自分が生きていること自体に、深い罪
というか、申し訳なさを抱えている方が多いように思います。
私も集中治療室の中で、息子と自分を代わらせて下さいと、
どれほど祈ったか…
息子が亡くなった後、なぜ息子が死に私が残っているのかで
苦しみました。
 でも、生きている人の中に、死んだ人も生きているんですね。
いのちのバトンタッチは、いのちを引き継いで終わりでは
ないのですね。
亡くなった人も生き続け、生きてる者を支えてくれている、
1本の銀杏の半分は焦げて死んでいるのに、それに支えられ
もう半分が生きている。
いのちとはそういうものなのかもしれません。
目に見えるものにも、見えないものにも支えられ、私達は
生きているのですね
コメント (2)
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