夕方から木枯らしを思わせる風が吹いていました。
家に帰り窓を開けると、冷たい風が吹き抜け
ふと床を見ると、亡くなった息子の写真が落ちて
いました。
唯それだけのことなのに、落ちた写真を手にしたら
涙が溢れて止まらなくなりました。
自分の中に眠っていた悲しみに驚きました。
「何年経っても悲しいものね」と言われた
初女さんのことが思い出されました。
子どもを亡くすとは、こういうことなんだ…と
こんなに経って知らされた気がしました。
こういう悲しみに包まれる時は、
星野道夫さんの世界が恋しくなるのです。
なぜでしょう
星野さんも深い悲しみを知っている方だからで
しょうか…
『誰もが、それぞれの老いに、
いつか出会ってゆく
それは、しんとした冬の夜、
誰かがドアをたたくように
訪れるものなのだろうか。』
『あらゆる生命が、
ゆっくりと生まれ変わりながら
終わりのない旅をしている。
星野 道夫 』