身をそぎて つくりたる飴 甘きぞと 子らに食はせる しらゆきの鶴
かろがろと をさなのごとく なうたひそ あいしていると あいしていると
あおぞらに とけてきえゆく あはゆきの ごときしらとり 去りし後の野
たまかぎる ほのかに灯る 月の火の しづかにしろき しじまにぞゆく
うしなひて のちの世の歌 さびしきと 歌ふこころは 無き夢の珠
血を吐きて 喉を砕きて 呼び戻す ひとの声泣く 君はまたゆく
さなきだに 空の鳥の音 さびしくも 目をとぢてゑむ 君の沈黙
空高く こころ飛ばさむ あふれだす 涙とまらず 喉も割れよと
白珠の ちひさき飴を まるめては ふたたび君に 会ふこともがな