今日は別館の詩集「瑠璃の籠」から。人に厳しきエルナトの切り絵です。
絵を見て感じられるでしょうが、この絵、実にわたしらしくありません。
なんとなく描線がシャープで、輪郭の揺れがない。
わたしが描くと、もっとはかなく、存在感が希薄になります。
そう。これは要するに、わたしの技術を使って、「彼」が描いているんです。
最近、絵を描いても描いても、自分の絵にならず、彼の絵になるんです。
過去の絵を見直してみても、「梅花の君」や「醜女の君」は、彼が描いているなと感じます。比べてみてください。
こちらが、わたしの描いた、「釈尊」
これはたぶん、彼が描いた「梅花の君」
ちがうでしょう。
彼が描くと、強い。
このエルナト、じっと見ていると、目が光って見えるんですよ。