今日は、ティツィアーノの系譜にある絵画を紹介します。いろいろと駄弁を繰るよりも、見てもらった方がわかりやすいと思うので、解説は最小限に。まず冒頭の絵は、フランシスコ・デ・ゴヤの「イザベル・デ・ポルセール」。荒いタッチだけれど、対象の性質を見事にとらえています。うまいですね。
これはディエゴ・ベラスケスの「道化パブロ・デ・バリャドリード」。うん、うまいですね。動的なポーズだ。見ているとこちらに飛び出してきそうです。
ピーテル・パウル・ルーベンス、「ヴィーナス・通称毛皮をまとったエレーヌ・フールマン」。おもしろいですね。肉感的な女性の特徴をよくとらえています。
アンソニー・ヴァン・ダイク、「自画像」。おお、かっこよく決めてます。自信たっぷりだ。
レンブラント・ファン・レイン、「自画像」。これもうまい。
エドゥアール・マネ、「フォリー=ベルジュール劇場のバー」。ううむ。これはすごい。技術もすばらしいが、ここまでくると、時代の悲哀が出て来ますね。精神性がにじみ出てくる。
いろいろと紹介しましたが、どうです。みな、目が輝いているでしょう。自分を生かせる世界がここにある。人間の翼を広げられる空がある。みな明るい。自分の力を存分に発揮できる幸福が見える。自分であることを楽しんでいる。
人間の人間たる個性は、ここらへんにあるのではないか。そういうこと感じます。
ティツィアーノは、人間が人間らしくあるということが、どんなことなのかを、教えてくれます。