
スーザン・セドン・ボーレット
イシスはゲブとヌトの娘、オシリスの妹にして妻。夫オシリスがその弟セトによって殺されたとき、イシスはその遺体を探すたびに出た。遺体は箱に詰められてナイル川に捨てられたのだ。その箱はナイルを流れて海を渡ってフェニキアのビブロスにつき、そこで御柳の木の下に包みこまれてしまった。ビブロスの王はこの木を王宮の柱にしたので、イシスは王に願い柱をもらい受けてやっと夫の遺体を発見した。イシスは魔法によって夫の子を得ようとしたが、セトが再びその死体を発見し、ばらばらにして王国の各地にばらまいた。イシスは再び夫の死体を探しに出かけ、すべての遺体の部位を集めたが、性器だけは蟹に食べられてしまったので別なものでつくり、とうとう夫の死体を復元し、オシリスを復活させた。イシスは彼との間にホルスを産み、ホルスによってセトに復讐した。
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夫に対するしつこいまでの妻の情愛が描かれている。この当時の人は女性にこういう心を望んだのでしょう。貞節を越えてすべてをかけて夫に尽くせと言っているようだ。死んだ夫にここま尽くせる人はいないでしょう。それほど男は女にあらゆるものを望んだのだ。死んだ夫はほとんど何もしていない。すべてを妻がやっている。復讐をするのも、オシリスではなく、息子ホルスなのです。