マールテン・デ・フォス
世界の終りに、イエス・キリストが再臨し、すべての死者がよみがえり、人々の魂を生前の行いによって、天国に行くものと、地獄に落ちるものに、分けるという。
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わたしたちがいつも言っているように、ここでかのじょと呼んでいる最後に残った天使は、この考え方が嫌いでした。すべての人類を愛していたから、天国と地獄に無情に分けることができなかったのです。人類史の大区切りと言えるこの時代に、降りてきたのはイエスではなくこの人だったというのがおもしろいでしょう。予言などあてにならない。実質、運命というものは、生きてみなければわからないのです。しかしすべての人間を天国に導きたいと願う救済者はあっけなく死んだ。そしてその後ろから、イエスよりも厳しい審判の天使が出てくる。
そして本当に、人類は天国と地獄に分けられるのです。