花や木との話が続きます。最近はこればかりですね。いろいろとやってますが、論語のときは論語ばっかり、花のときは花のことばっかり。たまにはほかのことをと思うのですが、やっぱりそっちに行ってしまう。今は、これをやりたいってことなんですな。自分には素直になりましょう♪
これは、小学校のお庭に植えられている、ヤマモモです。今、赤い実をたわわにつけています。とってもきれいでしょう。食べると、刺激のある甘苦い味がして、おいしいのですが、子供たちは苦手なのかな、誰も食べていないみたいです。
モモだとか、マメだとか、人間の食べ物になってくれる植物は、どれも、たいていはとても親切で、やさしいものが多いです。豆と話をしていると、いつも「いいよ、あげるよ」と言ってくれるのです。与えたい、与えたい、あいしてるよ、そんな風に言ってくれるのです。食べ物になってくれる植物は、親切そのものの気持ちでやってくれるものがおおいのです。大根もそう。
でも、人参やいちごや、サツマイモは少し違いますね。いいよ、あげるよ、全部食べなさい、でも、勉強もやりなさい、と言います。なんとなくわかるでしょ。これらは、あげるけど、そのかわりに、ちゃんとやるのですよ、という厳しいお母さんのような植物です。
で、ヤマモモはというと。「食べてもいいけど、ちょっとつらいよ」と言います。害はないんだけど、食べると、少々君たちにとって、まずいことになるよ。なぜというとね、ヤマモモが君たちにあげるものは、君たちにはちょっと難しいんだ。まだできないことを、やらなくちゃいけないかもしれないんだよ。だからね、あんまりは、食べないでね。
ほら、なんとなく、わかるでしょ。
ヤマモモはおいしいです。スーパーなどでも、パック詰めになって売っていますよ。でも、あんまり食べたいと思わないでしょ。おいしそうな感じ、しないでしょ。ヤマモモ農家の人には悪いんですが、それはヤマモモが、ずっと人間にそう言ってるからなんですよ。「食べてもいいけど、食べないほうがいいよ」と。
つまり、ヤマモモは、まだ人間にはわからない、難しいことをやっているのです。それはね、これから、人間がどんどん勉強していけば、いずれはわかることなのですが、今はまだ、できないことなのです。ですから、今ヤマモモを食べれば、きついことになるかもしれないのです。たとえば、我慢できないことを、我慢しなくちゃいけないようなことになるかもしれないんですよ。
だから、あまり食べないでおくれ、とヤマモモは言います。きっといつか、ヤマモモが、人間のために役に立つときがくる。でもそれはね、人間が、もっともっと真実について勉強して、難しいことができるようになってからでないと、いけないんだよ。
ヤマモモはね、知ってるんだよ。まだ人間が知らない、とんでもない真実を。それはまだ、君たちに隠しておかねばならないんだ。それはね、愛が、どれだけ苦しいことを、やっているかを、知ることに、君たちが立派に耐えられるようになってからでないと、教えてはいけないんだ。
愛してるんだよ。世界のすべてが、君たちを。絶対に、なんとかしてあげるからね。
ヤマモモは、そう言っています。