子曰く、疏食を飯らい、水を飲み、肱を曲げてこれを枕とす。楽しみまたその中にあり。不義にして富みかつ貴きは、われにおいて浮雲のごとし。(論語・述而)
貧乏暮らしもよいものだ。ずるをして偉くなるよりは、よっぽどましだ。
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今回も、彼流の訳です。短いけど的確に言ってくれる。かゆいところに手が届いていて、これ以上語るのが、無粋に感じるほどです。わたしだったら、生真面目に一語ずつ丁寧に訳すものだけど。彼にはそういうことは、まどろっこしいのでしょう。
まさに、そのとおりですね。言ってることは、まぎれもない真実。ええ、まことでほんとうで、きっかりと真実です。窮屈ですみません。
わたしは、一年に一枚も、自分の服が買えないような貧乏人ですが、気持ちは豊かだ。自由に、自分の心で、愛するものを愛して、それを美しく表現できる。
みんなきれいな服を着ているが、それがわたしには、とても苦しいことに思える。なぜなら、彼らは、自分に着せる、服一枚ほども、それに値する人生の努力をしていないからです。
かっこいい服を着てるけど、全身きらきらに磨いて光っているように見えるけれど、目にその心が見えると、気持ちが痛くなって目をそらす。あまり見たくない。なんにも努力しないのに、高価で立派な服を平気で着られるということが、なぜみんな、恥ずかしくないのだろう。
美しいということの、本当の姿は、全然違うことなんだがな。わたしは今日も、7年前に買ったトレーナーを着て外に出る。それが平気なのは、ちょっと女性として問題があるかな。でも、自分に似合わない服を着て、偉そうにするよりは、ずっと心地いい。
服一枚分の努力くらい、しましょうね、みなさん。ああ、きついな。彼の影響が大きい。わたしだったらなかなか言えないことを、彼はきっぱりという。
そこがまた、気持ちいい。