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何かをやっていく上で、多分だれもが経験することなんですが、人間て、なんでも慣れが来ると、どうしてもまあこんなものだろうと思って、それ以上成長するのを億劫がるようになってしまうんです。一つの山を越えると、そこで安心してしまうのですね。でも、昔から子供たちが嫌う「大人」というのは、今の自分のレベルにあぐらをかいて、成長することを忘れてしまった大人のことをいうのではないでしょうか。絶えず自分を見つめ、より新しい自分になっていこうとしている人は、たとえ年をとっても常に若いものです。なぜなら、人は古い心を脱皮させていくたびに、新しい子供の心に生まれ変われるのですから…。
これもまた、一つのステップ。人間は進歩と退歩を繰り返しつつ、自分を成長させていきます。生きていると、時々、自分はなんて進歩がないんだろうって悲しくなる時もあるでしょう。でも、別の視点から見れば、そんな時が、魂が大きくなろうと動き始めている時だったりするんです。だって、元から成長する気のない人は、自分は進歩がないなんて思いは、したくもないでしょうからね。
(1998年7月ちこり14号、通信欄)