やあみなさん、こんにちは。什と言います。
名前を与えられない作中人物が多い物語の中で、仮にでも、名前を与えられたことを、少し幸福に思っています。少々変わった名ではありますが。
物語は、一旦ここで、区切りを打たれるそうです。なんとなく、話にわたしが出てきたら、終わりになると言う感じになっているみたいだ。
作者は、これ以後、この続きを書くことがあるかどうかは、わからないと言っています。わたしの意見としては、そろそろ終わりにしてほしいですね。でも、作者というものも、実に、わたしたちのように、何かに動かされているものだそうですから、自分の思い通りには、なかなかいかないようだ。
そう、いいことをひとつ、教えてあげましょう。わたしは、この物語の中では、一番作者に似ているので、実におもしろいことを知っているんです。
以前作者が、小さな詩を書いたことがありまして、それはこういうものでした。
太陽の道も 月の道も
目的地は同じ
ただひとすじの
まっすぐな道
それは要するに、愛の順風を受けてただひたすらまっすぐに進むまことの道も、間違いを犯し、暗夜に迷う偽りの道も、どっちに行っても、結局は本当の自分と言うものに戻ってくる。そして振り返った時、どちらもが、ああ、ただひとすじのまっすぐな道だっというだろう、という感じの意味なのですが。
月の世と、日照界は、この一つの詩から生まれました。暗夜に迷う人々が集まり、迷い惑いながらも、ほんとうの自分自身へと進んでいく世界。それが月の世。
生まれる前、わたしはそこにいました。なぜかということは、今はお教えできません。重要な仕事があったということしか。
またお会いすることがあったら、語ることもできるでしょう。保証はできませんが。物語の中にいるわたしたちも、生きていますから、突然、どこからか、何かの姿をとって出てくるかもしれない。
会える日が来るかは、今は約束できませんが…もしまた会えるのなら、そのときまで。しばらくは、閉幕ということです。
あ、午後にまた、更新があるそうです。
では、また。