このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
K市の福祉施設等運営法人組合、略して福法組の管理者会議へ参加した私は、終了した時刻が正午を大きく過ぎていたことから、会場近くの喫茶店アルファヴィルで昼食をとることにした。
あまり広くない店内はランチタイムということもあって混んでおり、唯一空いていたカウンターの端の席に着いた。
カウンターの中では細身のコックコートを優雅に着こなしたオーナーと、平日にもかかわらず、ダブルワークのアルバイトのIさんが忙しく立ち振る舞っていた。
Iさんが勤めている医院はドクターが高齢のため、長めの夏休みを設けているのだそうだ。
私の前に立った二人はいたずらっぽく目くばせすると、一緒に頷いた。
どうしたんですか?と私は身を乗り出した。
「お盆で弘前に帰省していたIさんがね、とっても美味しい食材をお土産にたくさん持って帰ってくれたの。
高梨さんがいらしたら、それを使った特製ランチセットを3人で考えましょうって話してたんですよ。」
いいですね!と私は即答した。今度の日曜日にでも早速。
二人は微笑み、じゃあ、今日は私たちの賄い食をごちそうしますね、と私の目の前に、塩むすびと、冷たいお茶、それにしじみ汁を並べた。
デュラレックス・ピカルディに注がれた小さな氷入りのお茶を一口飲んだ私はその味に驚いた。
これはなんですか?
「玄米茶より香ばしくて、おせんべいを食べているみたいでしょ?
青森県産の『青天の霹靂』という新しい品種のお米から作られた、コラボ商品の米茶なの。
この、オーナーが握ってくださった塩むすびも、『青天の霹靂』よ。
これから考案する当店のランチは、『青天の霹靂』セットにしたいなあって考えてるんです。ウケると思いません?」