このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「県庁からの帰り道、連日の猛暑と過密スケジュールのためか僕はハンドルを握りながら目が半分閉じかけていた。
夜の10時を回っており、暗闇と単調な高速道路はよけい眠気をそそる。
次のパーキングで仮眠しなければ。
そう思いながらも、首が前に垂れてきた。
『しっかりしなさい。』
頭の中で声がしたのであわててあたりを見渡すと、隣の車線を並走している車に、ざしき童子が乗っていた。
『ざしき童子じゃなくて、千珠でしょ?』
ああ、聞こえてしまったらしい。
暗くてよく見えないが、紺のカローラレビンだろうか。
どうやら姫様は走り屋のようだ。
二人で少し走りますか。
『いいわね。』
僕らは競ってスピードを上げ、抜きつ抜かれつ走った。
メーターパネルの青く澄んだライトに照らされたざしき童子の細おもてはいっそう白く見えた。
インターチェンジを二つほど通り過ぎたろうか、いったんスピードを落として車を並べた彼女は小さく手を上げると、再度加速し、細長いテールランプを数回振って闇に消えて行った。
眠気はすっかり覚めていた。
また危ないところを助けられてしまった。」
テレンス・スタンプとフェラーリ