このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「なぜあの日だったのかな、と今でも思う。
あの日は福法組(福祉施設等運営法人組合)の管理者会議で、私は話題提供者の一人として5分程度のスピーチを行なうことになっていた。
話題は、「管理者と私」というタイトルにする、と事前に組合事務局へ通告していた。
40名ほどの他法人の管理者を前にして、自社の管理者たちへ日ごろの感謝の気持ちを伝えるという、いわばサプライズのプレゼントのつもりだった。
そのため、市内、そして隣県にまで散っていた管理者たちをその日は全員、会場まで呼び寄せていた。
けれども、最初のスピーカーが話し始めて間もなく、大きな揺れがやってきた。
その夜、流失したホームへ一人向かう途中、何体もの亡骸に遭遇した。
顔にハンカチをかけ、次はチーフをかけ、もう何かないかと懐をまさぐったところ、三つ折りにしたスピーチ原稿が入ったままなのに気づいた。
あの日伝えられなかった感謝の念を、そのあとの彼女たちの尽力に対する感謝の念を、私は残りの一生ずっと、胸に置いて行くつもりだ。」