性と民族の父権的支配構造/Gazing the Other: ”The Teahouse of the August Moon”(塀をはうようにからまりのびる植物)来年度が3年目の研究集大成になる「八月十五夜の茶屋」のプロジェクトは、2013年の3月にワシントン・D...
ホミ・バーバやバフチンの論を拝借しながら戦後冲縄の民主主義を読みといているリサさんの「八月十五夜の茶屋」の民主化の論文は実証的でもあり、とてもいい論稿である。若い研究者たちが新しい知見・解釈で読みといていく現場を目撃するのはわくわくする。360度社会が転換する戦後の冲縄が小説の形で記録された物語、フィクションの中に込められたエキスが、実は風刺的だが、ある真実を浮き彫りにしていた。アメリカ人の目から見据えた冲縄の大転換がそこにあった。第三の目だと言える。改革は内外の目線が必要である実証でもあるのだが、従来の価値か壊れ新しいものが構築される現場がそこにあったのである。大胆な転換である。その意味でとても象徴的だったといえる。鍵は女性たちかやはりーー。確かにアメリカが異文化接触の占領政策の中で変わっていく。Going Nativeの要素はたしかにありえる。異文化接触は多様な変容を双方にもたらすのだから。植民者と被植民者両方に。内部も外部も変化・変色する。触媒。多文化主義や多元性の潮流の中で溶解していくものがある。人類の共通項かな?