二十数年続けている星空観察会ですが、約2/3回分は星が見えない状態での開催のため屋内でのイベント準備は必須です。
プロジェクターはフルハイビジョン対応のコントラスト比の大きなプロジェクター(EPSON EH-TW5650 )を買って使っています。
安いプレゼン用の製品では無く映画観賞用のプロジェクターなので星の写真などの繊細な映像を映し出すにはとても相性が良いです。
映像に関しては今のところ不満はないのですが、音声に関しては配線に何時も悩まされています。
会場が広くなると、スピーカーをスクリーン近くに置きたいのですが、配線が長くなって子供たちが足に引っかける可能性もありますし、コードの長さが足らない場合も出て来ます。
単に1台のPCからスピーカーへ接続するだけならBluetooth接続で事足ります。
しかし、PC、マイク、BGM、プラネタリウムの番組の音声など幾つもの音源のボリュームを手元で制御して一つのスピーカーに音を出すには音響ミキサーが必要になります。
上記有線接続では、解説するテーブルからだとプラネタリウムとスピーカーに向けて来場者の間にコードを引くことになります。
最低、この2本が邪魔になる訳です。
そこで、昨年無線化しましたが、安易に安いトランスミッターレシーバーを購入したため、実際の使用時に思わぬハプニング・・・
・ハプニング1
5分間無音が続くと勝手にトランスミッターの電源が落ちてしまうんです。
故障では無く仕様の様です。
解説途中で、プラネタリウムの番組に移ろうとしたときにセッティングしてから5分以上経っていたので音が出ませんでした。
・ハプニング2
音声の遅延が酷くて、自分の声とマイク音声が山彦の様になってしまって、ちょっと使えません。
セールストークでは「低遅延」と書いてありますが、全くの嘘。
そもそもBluetoothの圧縮コーディックがSBCしか無く、コーディックの品質自体が低遅延は実現できないコーディックだった訳です。
肉声だけ会場のワイヤレスマイクを借りて対処。
・ハプニング3
小さな音の部分がカットされてしまう。
ノイズ対策なのか、小さな音だけの音源だと無音となって音が出ない場合があります。
BGMを小さくかけるとボツボツ音切れになります。
まあ、初めて使うBluetoothトランスミッターでしたから、良い勉強になりました。
そこで、その勉強結果として新たに日本の老舗メーカーのSANWAの製品を購入しました。
400-BTAD008と云うBluetoothのトランスミッターで、同様に切り替えて送/受どちらも出来ます。
右側が昨年買ったJPRIDE製品で、左が今回のSANWA製品です。
SANWAの物は大きく、機能も性能も数段上です。
ただ、右の製品は電池内蔵ですが、SANWA製品には電池が内蔵されていません。
したがって、100V電源のない所ではモバイルバッテリーでのUSB供給になります。
ところがこの製品、消費電力が非常に少ないため新たな課題が・・・
モバイルバッテリーにも実は低電流の場合に自動的に電源供給をストップする機能が有るんです。
過去にもアクションカム等の電源供給時にモバイルバッテリーによっては途中で切れてしまうものが有ってその経験と知識は持ってはいたのですが、ANKER製品はどのモデルでもその様な事無く使えたので大丈夫だろうと踏んでいました。
ところが、実際に実験するとANKERのモバイルバッテリーでも5分くらいで切れてしまいました。
一つだけ、POWER ADDと云うメーカーのモバイルバッテリーだけは切れずに永遠と電源供給が出来ました。
下の写真左のバッテリーです。
ところが、このバッテリーは既に製造終了しており、再度購入は出来ないようです。
手持ちのモバイルバッテリーは全部で5本ありますが、他のバッテリーは全てOUT。
調査して行くと、スリープキャンセラーなる物が販売されている様です。
低電流の製品への電力供給時でも切れない様に定期的に負荷を掛けてあげる様です。
という事で、それがあればスピーカーとプラネタリウムの2つの無線接続が出来上がります。
スリープキャンセラーがない場合は、プラネタリウムはスピーカーよりは近場に置けるので、有線にしてスピーカーの方だけ無線にすれば良いです。
SANWAのトランスミッターはAPTX-LLと云うコーディックが使えます。
LLとはLow Latency つまり低遅延コーディックと云う訳で、コーディックの規格上は0.04s以下の遅延だそうです。
実際、実験してみるとSBCコーディックでは遅延が明らかに有って、マイクの拡声用には全く使えませんが、
APTX-LLにすると殆ど違和感のない遅延レベルです。
本来であれば、モバイルスピーカーにもBluetoothが搭載されているのでスピーカー側にレシーバーは不要なのですが、手持ちのSONYのSRS-HG1は古いスピーカーのためAPTX-LLのコーディックが使えずSBCになってしまいます。
そこで、SANWAのレシーバーを通してアナログ入力にする事で低遅延にできました。
●まとめると・・・
・APTX-LLのコーディックを選択する事で低遅延で運用可能
・トランスミッター本体は無音でも電源が切れない
・HDなどの高品質なコーディックが使える
・電池内蔵では無いのでUSB電源が必要
・モバイルバッテリーを使う場合は消費電力が非常に少ないためモバイルバッテリー側で電力供給を止めてしまう可能性が高いので事前確認が必要。
次回開催の70名以上の星空観察会に使えると良いです。
ちなみに今、このSANWAのトランスミッターレシーバーを購入する際に足元センサーライトを同時に注文すると、そのセンサーライトが無料で購入できます。
注意点は、
・必ず同時に注文する事。
・複数台購入する場合には、その台数分を個別にセンサーライトとのセット注文する事。(一回の注文でトランスミッターを複数台注文するとセンサーライトは一台しか付かないかも知れません)
私はセンサーライトを3台も頂いてしまいました。
感謝。