長谷川りん二郎画文集 静かな奇譚 | |
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求龍堂 |
長谷川りん次郎っていう画家、知りませんでしたw
りん次郎のりんって言う字は、パソコンで出てこないですね
「隣」のこざとへんがさんずいへんに変った字ですな
そんなことどうでもいいんです
画像検索で他の作品も見ましたが
あんましよくわかんないw
でも
この「猫」の絵だけは、なんだかひきつけるものがあるんだよなあ
昨日もかきましたが
この絵のタローは、ひげが片方しか書かれていない
何故なんだろう・・
りん次郎が残した
愛猫タローへの思いがその答えのヒントになるかもです
『私がアトリエにいると時々タローはそっと入って来て
描いている私をじっと見ていた
それからぴょいといすの上に飛び乗ってぐっすり眠って仕舞う
タローは一日の大半を寝て過ごした
眠るのが仕事ではないかと思われた
家内は「主人にそっくりです」と言った
これには返す言葉がなかった
私は多眠症であり 夜十分
眠った上に必ず昼寝をした』
『眠っているタローを観るのが好きだった
彼の呼吸につれて全身が静かに脈打ち、
その動きが伝わって、ふさふさした毛波が絶えず動いた
その上には空間が‥無限の宇宙が広がっている。
それはかつてみたことのない不思議な風景だった』
『猫は死ぬ時その姿を人に見せないという話を
聞いた事があるがタローは死に場所を探して
家を去ったのではないだろうか‥
それでも私はタローが突然食堂の窓に飛び乗って
私の方を見るのではなかろうかと言う夢のような望みを
持つのだった』
『それから数日後、私はタローのひげを想像で描いた
それは簡単な申し訳のようなひげだった』
『私達(夫婦)は当分猫を飼わない事に決めた
しかし私達は折にふれてタローのうわさをしている
私達は幻の猫を飼っていると言うのが本当である』