神去なあなあ日常 (徳間文庫) | |
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『神去なあなあ日常』 三浦しをん著
最近映画館にいくと、予告編が流れています。
「ウォーターボーイズ」(01)「スウィングガールズ」(04)
「ハッピーフライト」(08)「ロボジー」(12)と数々のヒット作を世に送り出してきた、
日本で最も注目を集める矢口史靖監督、待望の最新作!
WOOD JOB!(ウッジョブ!)が公開間近!!
その原作です。
「かむさり なあなあ にちじょう」 ですね
あらすじから
なんの取り得も資格も無く、将来の希望すら無い、平野勇気。
高校を卒業と同時に、フリーターでもいいかとへらへらしてたら
卒業式の日、担任と母親が共謀し勇気を
三重県のど田舎、奈良県との県境の神去村へ林業の修行に出されます。
林業の人材不足から新人に対して国が助成金を出す制度を利用したのです。
横浜から電車を乗り継ぎ、なんにーーーーもない山中の駅についた勇気を
待っていたのがヨキ(飯田予喜)という男。
いきなり、ヨキに携帯電話を取り上げられ外界との接触手段を絶たれますw
勇気に里心がつかないようにでしょうか
森林組合の事務所で20日間の研修を受けた勇気は、
ヨキに村の最奥部の「神去」地区にある中村林業株式会社に連れていかれ、
”おやかた”中村清一の率いる班に組み入れられます。
勇気はヨキの家で生活することになり。妻みきと祖母繁ばあちゃんとの三人暮らしに加わります。
何もない生活と、厳しい林業の実態に何度も逃げ出そうとする勇気でしたが、ヨキに阻まれますw
でも自然にあふれる村の生活に慣れるにつれて、それが大事なものになってくるのです。
ときおり清一のもとへ訪れる妻祐子の妹直紀は超美人。勇気の心がときめく一瞬です。
山での仕事をおぼえるうち、春、清一の息子山太の神隠し事件、花粉症発症、神去桜の花見、
夏の祭り、直紀への告白、と季節がすすみ、秋が訪れる。
今年は、48年ぶりの”オオヤマヅミさん”の大祭の年なのだ。。
よそ者の勇気はその祭りに参加できるのか?村人として認められるのか?
そしてその日がやってきた
深夜2時にホラ貝の音が村中に響き渡る。
こんな感じ
三浦しをんさんって女性の方なんですね
「舟を編む」を書かれた方。
本も読みましたし映画も見ましたが
独特の上品な文体にそこはかとない趣があります。
この「神去なあなあ日常」ですが、林業というまったく知らない世界への
知的渇望が満たされる楽しさと、過疎の村での生活様式の面白さ。
そして、山や川など自然へのオマージュ。
それを面白いと感じるかどうかは読み手しだいですが
僕は好きですね。
春の雪解けの音、花粉、桜、夏の蛍、冷たい清流での水浴び、スイカ・・
秋の収穫・・自然のすばらしさが上手に描いてあります
わたしは六甲山のふもとの神戸に住んでいるのですが
秋から冬にかけて、山の木々が紅葉から枯れて色が薄くなり、かすんだ緑色になります
春が来て、山のあちこちに山桜が咲きピンクの模様ができたとおもったら・・
そして、5月のある日です
本当にある日を堺に、山の色が一変するんです。
その日の朝、六甲山を見ると山が昨日まで薄かった緑が、
濃い緑色に変わるのです。つやつやと光を反射するようなつやのある濃緑に変わるのです
こういった感覚を、上手に描いてる小説です。
そして題名にもなっていて、随所にでてくる「なあなあ」
村の言葉「なあなあ」w
「なあなあ」とはどういう意味なのか?
是非お読みください。