権力に結びついた教団が民衆を支配していき、宗教の本質から遠くなっていくというテーマをさらに推し進めたものがドストエフスキーの『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』、ある街にキリストが現れ、早速、捕えられる。
その牢獄に大審問官がやって来て、語り始める、
1、人々を放っておくと争いを始める
2、自制心が弱いので奪い合いをする
3、精神の自由よりも命令されることを望む
そこで、神と人の間に教団が立ち、人々を導いている、
「本当は、いいことではないのだが、こうすることによって平和と秩序が保たれる」
「・・・ 」
「私は、罪を犯しているのだろうか」
その時、キリストが老人の額に接吻をするというストーリであった。
ここには、人間の営みと政治の関係に対する、深い考察があるように思える。