
日本よりもドイツで高名な教授、
「すぐれた思想には 上り道と下り道があります 日本の思想はそこまで行っていません」
講義の後、
「日本にもありますよ」
「・・・」
「法華経の本門と迹門・シャクモン です」
「・・・」
何十年の講義で、そんな質問をしたのは、私が初めてだったようだ。
遠い日々が蘇ってきた、つらくかなしい少年時代、だが、朝な夕なに法華経の読経、
ジガートクブツライ・・・
我 法王となりて
法において自在なり・・・
次の講義に、
「上り道と下り道 日本にもありました 仏教の往相と還相・ゲンソウ です」
講義のあとで、
「先生 ずるいですよ」
「ふふふ わたしにも立場というものがありますからね」
そして、
「月の第三土曜日に 京橋のホテルで研究会をやっています よかったらいらっしゃい」
4万人の学生で、たった1人・・・