パリ行の寝台席はひとつ空いていた、うつらうつらして目を開けると、20台の若者が、
「どうぞ よろしく」
サウジで石油を採掘している父親の手伝いをしてきた、少年のような若者だ、食堂で中年の婦人と親しげに会話していた、
「知り合いなの」
「いいえ」
フランクで率直、彼らには、こういう文化があるようだ。
この若者は、アメリカの良さと魅力を教えてくれた。
窓からの景色を見て、
「きれいだ きれいだ」
みどりがうれしいらしい、砂ばかり見ていたからなおさらなんだろう、だから、
「ニッポンは もっときれいだよ」