日暮らし通信


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飛行機を撮る

2023年03月08日 14時32分43秒 | 日暮らし通信


発信元:  赤とんぼ






若い頃から飛行機を撮るのが趣味だと思いながら親しんできた。

いろいろな場所で撮ったが、私が会社を退職するまで、多く撮ったのが米軍横田基地だった。

私は 1966 年 4 月に転勤辞令を受けた勤務先がその横田基地に隣接する工場だった。

フェンス越しに見える広大な敷地は治外法権のアメリカ、と思いながらも写真を撮るには格好の場所だった。

だが、問題が。それは当時は基地内は撮影禁止だった。そのため周辺上空を飛行する機体を撮って我慢していたが、その後、撮影が許可されるようになった。

1960 年代はベトナム戦争がまだ続いていたので、横田基地には珍しい飛行機が飛んでくるので飛行機好きな私にとっては有り難いことだった。

でもその頃はフィルムカメラだったので、現像、焼き増しするとお金も掛かるので財布と相談しながら飛行機を撮る時代だった。

そして当時、フィルム感度も ASA 100 だったので、私は知人に頼んで TRI-X ASA 400 のフィルムを切り売りで買って使用していた。

今のようにデジカメなら何百枚も撮れるようなことは思いもよらぬことだった。

その 1960 年代は若さもあって、もっぱら飛行機撮りに明け暮れていた。

横田基地には尽きない想い出がたくさんある。今は家庭環境のため飛行機撮りもできないが、過去の写真を見ると懐かしさが蘇ってくる。古い写真だがこの場を借りてもう一度出番を与えてやりたいと思います。







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ランディングしたC5A輸送機、駐機場へ向かってタキシングしている




高出力のターボファンエンジン4基を搭載している




大きなフラップが印象的だ



      写真説明:  C5A輸送機

      撮影場所:  工場構内から米軍横田基地を撮る  (2001.7.3)







スーパーシートで帰りました

2023年03月01日 17時23分21秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






平成16年4月2日 (金曜日) 私たち夫婦は知覧を訪れるため羽田発ANA619便で鹿児島空港へ飛んだ。帰らなかった多くの特攻隊員たちに少しでも慰霊の気持ちを捧げたいとの想いを抱いて知覧の地をぜひ訪れたいと願ったからだ。

帰りの便はANA630便。機体はエアバスA320の予定であったがジャンボ機B747-400LR (JA8174) に変更された。当時、この機体はANAでも最新鋭機で国際線仕様である。

着席するとスーパーシート (ファーストクラス) への転席が可能とのアナウンスがあった。追加料金を払うので妻は渋ったが私は懇願、説得して転席することになった。

飛行機好きな私にとっては千載一遇のチャンスで、今後飛行機に乗ることはあってもスーパーシートを使うことなど絶対に無いと思ったからだ。ぜひ、スーパーシートに座って帰りたかった。

客室乗務員にエスコートされて二階へ。操縦席の真後ろがスーパーシートである。座席は両側に二席だけで広い洋間風の感じである。座席番号は72J、72K。CからHまでは席は無いが一般席と席番は同じのようだ。とにかく広いのでゆったりできる。 「スリッパをどうぞ」 とか 「毛布は如何ですか?」 と専属の客室乗務員が面倒を見てくれた。二人とも殿様と姫様気分のようになった。

19時15分、定刻より10分遅れて離陸した。水平飛行になると夕食も出て "お飲物は何でもどうぞ" とのことだったが、私たちはウーロン茶で我慢した。本音はビールかウイスキーのオンザロックを飲みたかったが妻からブレーキがかかったので止めた。

だが夜間飛行なので下界が見えないのは残念であった。

元来、私たちは田舎者なのでいろいろと珍しがっていると機体はもう高度を下げている。羽田に近くなると東京の夜景は綺麗だ。

だがここでまたタイムスリップして特攻隊の若者たちが出撃した頃の東京を想い出した。

米軍機の無差別爆撃で東京は火の海と化して焼け野原となってしまった。その東京がこのように煌々と夜の帷の中に息づいている。荒廃から繁栄へと時が無造作に流れたようだが決してそうでは無い。幾多の人命が散ってその礎を作った。多くの涙を流した人たちが苦難を乗り超えて立ち直った。 "統率の外道" と言われた特攻作戦で散華した若者たちへ今、再び哀悼の念を捧げずにはいられなかった。

21時過ぎANA630便ジャンボ機は静かに着陸した。これで私たちの知覧への旅も無事に終わったが、スーパーシートで帰るなんて夢にも思っていなかったので、この想い出は今でも胸の中に大切にしまってあります。







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      写真説明:  B747-400LR (JA8174) 

      撮影場所:  鹿児島空港にて  (2004.4.4)