お風呂上りに 体に保湿クリームを塗っていた 私の爪が引っ掻いたと
マメ子(孫)が 泣き出した
まるで 噴き出すような涙の粒に 私は思わず見惚れてしまった
その日の夕方 今年初めてした花火の シュー パチ パチと飛び散る火花にも似て
「 すごい! 花火みたいな涙ねぇ~ 」と言うと
「 花火なんかじゃない 」と マメ子は怒る
大粒の涙は コロコロと頬を伝い ポトポトと床に落ちる
「 じゃあ ヤギのうんこみたいねぇ~ 」と 言うと
「 うんこじゃない 」と さらに大泣き
マメ子は 私ではなく ママにクリームを塗ってほしいのだ
私に代わりクリームを塗るマメ母と まだ涙目のマメ子を眺めながら 私は思う
さっさと片付けてしまおうする日々の雑事の中にも 大切な愛情のやり取りがあるのだと
それにしても あんなに大泣きできるって なんて幸せなんだろう
ばあちゃんは もう帰りますぅ