NHKドラマ10「10年先も君に恋して」最終回(君のいる未来へ)を見て…とても感動しました。既婚者の心に改めて考えさせるドラマ。すばらしい。
(以下ネタバレ注意)
(名シーン1)
40博が26里花に未来へ帰る前日にあって話をする。
40博「俺は明日、未来に戻って離婚届を出す。これですべて終わりだ!」
26里花「そんなことはない!幸せな未来が…」
40博「……仕事頑張れよ。さよなら…里花…」
最終回の中盤になっても、40博は里花のことを思っています。30博に書こうとした手紙に「仕事は続けさせた方がよい。」「里花にとって編集の仕事は天職だ。彼女の夢であり、情熱である。」と書いている。何とか里花の未来を変えて充実した未来にしてあげようとしている40博の想いである。やっぱり博は里花が好き。
(名シーン2)
40博が未来に帰るその場所を、教授に聞いて探し出す。そして最後の再会と40博の告白。
40博「仕方ないから告白するが、もし俺自身が30からやり直せたとしても、やっぱり君を好きになるだろう。何度出会っても君を好きになる。そのことがよくわかった。」
このセリフは2話の30博が26里花に告白するシーンで言うセリフとかぶる。
40博「俺は結局もういちど、君に恋するために10年後からやってきたんだ。」
最初は40博が過去に来た理由は、30博と26里花が出会わなくするためだったが、このセリフは、もう未来で博・里花の夫婦関係がダメになったのを、もう一度復活させるための勇気を40博がもらいに来た。それが心の奥の真意だったんですね。
26里花「もし…もしあなたが未来に帰って、ドアを開けて…それでも、まだ私がいたとしたら…あなたの家にまだ私がいたら…そのときはもう少しだけ我慢してあげて。また罵倒するかもしれない。またあなたにひどいことを言うかもしれない…。それでも心の奥のどこかでは、あなたを絶対に愛してるから。」
この言葉は、26里花が同じ自分なのに手が届かない10年後の36里花が後悔しないように、40博に頼む場面です。とっても言葉が切ない。そして、次の決め台詞。
26里花「10年先も………絶対に愛してる。」
この上戸彩(里花役)の演技が熱を込めている。「10年先も…」でセリフを溜めて、涙を流しながら、声が上ずりながら「絶対に愛してる。」と言う。視聴者が里花に完全に感情移入する場面だ。
(名シーン3)
40博が「君のいる未来へ」帰ってくる。ドアを開けたらヒールがある。家の中から36里花の声。
里花「帰ってきたの?」(声は沈んでいる)
博「ああ。」(にこやかに答える)
しかし、里花ににこやかな反応はなく部屋に戻る。博の顔がさみしい顔に戻る。この瞬間、博は過去に戻っても未来は変えられなかったと思い、離婚届にサインしようとする。
里花「でもその前に、ひとつだけ話していい?私、日高さんの…個人マネージャーになろうと思うの。」
里花にも変化が見える。最終回の前までは「もう終わりなの私たち…」と言っていたのに、個人マネージャーの話をすることで、「私は私の夢を追いかけている」ってアピールしたかったのね。その間にも里花はミルクティーの準備。「だから経済的にも心配なく離婚できる。」って言っちゃうのが里花の強情なところ。そこで博も猛烈アピール。
博「なあ、俺、まだ果たせてないんじゃないか。君との約束。ほら、初めてのデートの時、約束しただろ。いつか…宇宙エレベーターに君を乗せるって。」
里花「ふっ、もういいわよ。いつになるかわからないし…」
博「そっか…」
残念不発に終わった。しかし、テーブルの上に置かれている手紙を発見する。
里花「それ…さっき届いたの。」
博「誰から?」
里花「私よ。10年前の私。」
ここで博の顔が変わる。なぜ、記憶がなくなったはずの26里花が手紙を書けたのか。その答えは、博が未来に戻る前日の夜に書いたからだ。40博が未来から持ってきた1000円硬貨は消えてしまったけど、26里花はその時代の人だから書いたものは残るのね。
里花「宇宙エレベーターまでは待てないけど、離婚届は明日にしない?今日はもう遅いし。」
その手紙に里花は心が動かされたようだ。
博「明日からは出張だ。その後もきっと忙しい…」
と離婚届を出さない理由を探す。そして…
博「もし、書類を出す前に宇宙エレベーターに…君を乗せることができたら…その時は…離婚はやめにしないか?」
里花「その可能性はゼロに近いわね。」
2度目の博の勝負!だけど、博敗れたり、しかしなおも食い下がる。10年前の里花に「もう少しだけがまんしてあげて」って言われたから?
博「そんなことないよ。」
おお!勝負だよ博!未来は自分で変えるんだ!
里花「今考えても仕方ないじゃない。明日からのことは…明日から考えましょ。」
微笑む里花。素直じゃないね~。でもそこが里花にいいところ。そして、博は里花が自分のためにもミルクティーを入れてくれたことに微笑む。きっと夫婦ゲンカが絶えなかった時には、ミルクティーも入れてくれなかったんだろう。そして、博が飲んでいる姿をみて里花も少し笑顔に…。
博「で、この手紙には?」
里花「それは…ひみつ。」
博「…ひみつ…」
そして、ドラマでは26里花が書いた手紙の内容がドラマでは明かされる。
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10年後の私へ
あなたは今どこで何をしていますか
どんな生活をしていますか
誰と一緒にいますか
10年前の今の私はとても幸せです
なぜなら知ってると思うけど、大好きな人ができたから
やさしいけど、ちょっと思い込みが激しくて
宇宙のことや物理の話をたくさん知っていて
靴下にいっつも穴があいていて
年上だけど、笑顔がかわいい素敵な人
今、私には10年先の未来も彼のことが大好きだという自信があります
10年先、博さんがどんな風に変わっていたとしても
私はやっぱり博さんのことが好きだと思う
彼の夢を応援しながら
私もあきらめずに夢を追っていきたい
今のこの幸せな気持ちを、忘れたくない
あ~あ、こんなはずじゃなかった
私にはもっと素敵な未来があったはず…
なんて思う日が、1度や2度やもっともっと来るかもしれない
でも、どうか前を見て
今のこの幸せな気持ちを忘れないで
自分の選んだ人生をもう少しだけ信じて
そうすれば未来は…
未来はきっと…
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「未来はきっと…」で文章は止まっている。26里花はなんて書きたかったのだろうか。
「未来はきっと…変わるはず」ではないでしょう。未来は自分で作るものって思っているから。おそらく、「未来はきっと…幸せなはず…」ではないでしょうか。
川べりで26里花と40博がいた時「幸せな未来が…」と言っているから、その伏線ではないでしょうか。
本当に、気持ちのいいドラマでした。どこかのブログでこんなことが書かれていました。
「悪役がいなくても、ライバルがいなくても、ラブストーリが成立する」
なるほど、だからこそすがすがしいドラマなんですね。NHKのドラマサイコー。