ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

プロレスってさ 豊登

2024-09-26 09:22:12 | スポーツ

カッポン、カッポンと音が聞こえる。

怪力レスラーとして知られていた豊登がリング上で行うパフォーマンスである。両腕を胸の前で交差させるだけなのだが、異様に太い腕と、分厚い胸板が生じさせる常人では真似できぬパフォーマンスであった。

角界出身で、プロレス入りしてからは力道山のタッグパートナーとして名高かったのが豊登であった。温厚な性格で後輩虐めなどとも無縁で、多くのレスラーから慕われた。ただしどうしようもない悪癖があった。ほぼ不治の病といって良いほどのギャンブル狂いであった。

とにかく手に届くところに金があればひっつかんで賭場、競馬場、競輪場、パチンコ屋などに通った。どうも角界に居た頃からのギャンブル狂いであり、プロレス入りしてからは、更に狂人といって良いほどにギャンブル狂いが加速した。

ギャンブル以外では、むしろ温厚な善人であっただけに周囲から散々ギャンブルを止めるように言われていたが、結局止められなかった。このギャンブル狂いの度合いがあまりに酷かったが故に、いくつものプロレス団体を追放されている。

放浪癖があり、失踪は日常茶飯事であるためまともな家庭をもつこともなく、ヤクザの親分の用心棒などもしていたとの噂もある。お寺の一角に住まい、庭掃除などをしていたとの噂もあった。

私は彼が国際プロレスのリングに上がっていた頃、一回だけ試合を生で見たことがある。中盤の試合であったが、試合が荒れそうになるとリングに出てきて場をまとめるような試合ぶりが印象に残っている。もうベテランといって良い年齢であったが、技が切れるでもなく、またかつての怪腕ぶりも鳴りを潜めてしまったが、彼が登場すると若手の選手たちがお行儀よくなる雰囲気があった。

ギャンブル狂いを別とすれば、威張り散らすこともない温和な先輩レスラーとして敬意を払われていた印象がある。実際、リング上でも通路でも穏やかな笑顔が記憶に残る不思議な人だったと思います。怖さは感じなかったが、他人から敬意を払われる珍しいプロレスラーでした。

21世紀になる少し前に亡くなったそうですが、ギャンブルのために借金しまくり、返せなかったダメ人間であるにも関わらず、あまり悪口を聞いたことがない稀有な人でした。ギャンブルさえなければ、もっと成功していたでしょうね。まぁ豊登本人は「そりゃ無理だよう」と苦笑していたと思いますがね。

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サッカーのTV中継

2024-09-18 09:29:35 | スポーツ

新参者はつらい。

サッカーの世界では、長い間日本は無名であった。特にワールドカップ大会においては、フランス大会までまったく知られていなかった。

実はチャンスはあった。フランス人のルメールがサッカーの世界大会を企画した20世紀初頭、日本にも招待状を送っている。しかし世界大恐慌による経済不況が、チームを送ることを断念せざるを得なかった。これが後々にまで祟るとは、日本人の誰も予想していなかった。

なぜなら20世紀初頭の頃までは、オリンピックこそが最大のスポーツの祭典であったからだ。そして20世紀初頭において、サッカーは必ずしも世界的な人気を得ていた訳ではない。サッカーが世界的な人気を得たのはブラジルの英雄ペレのおかげである。

ご存知の通りペレは黒人系のブラジル人であった。だからこそ第三社会(アラブ、アフリカ、南米、中南米)から憧れの目で見られた。その卓越した身体能力から繰り出す人間離れしたサッカーの技量は、ヨーロッパの人たちをも魅了した。

気が付いたら20世紀中盤には、世界最大の人気のスポーツとなっていた。だが日本は蚊帳の外であった。実はイギリスの影響から国内でのサッカー競技の芽は育っていた。しかし、その価値が分かっていなかった。

ここで独断と偏見にあふれる私の悪意あふれる評を述べさせてもらいます。サッカーとは、ヨーロッパの貴族いや、エリート階級が利用する世界最大の興行に他なりません。本来スポーツとは、貴族のものであったのですが、大量消費社会を迎え大衆にパンとサーカスを与える必要を活用した新たなサーカスであることが本質です。

そのサーカスの興行主たちは、いずれもヨーロッパのエリートたちです。アメリカですら、この高慢にして独善的なエリートの中にはなかなか入れない。サッカーとオリンピックはいずれも世界最大級の興行であり、その利権構造は闇に包まれている。

そんなスポーツ興行の泥のなかに入り込んだのがコンサルタント業界だ。彼らの目的は自分たちにも利益を寄越せである。その手口が放送権である。IOCやFIFAは競技の主催団体であるだけでなく、その主宰競技の放送権をも独占している。

これをコンサル会社が高額で買い占め、出場チームの所属する国の放送業界へ高額で転売する。オリンピックにせよ、ワールドカップ大会にせよ視聴者が好きな試合、競技を自由に見れないのは、このコンサル会社の独占のせいである。

おかげで現在、ワールドカップ大会アジア予選の最終予選の試合の地上波放送はない。あまりに高額過ぎてNHKも民放も手を出せずにいるからだ。また日本サッカー協会はDAZNとネット配信の独占契約10年を2100億円で契約してる.そのため試合を視聴できるのは一部のサッカーファンに限られる。

これに危機感を覚えるサッカー関係者は多い。2千億に目がくらんだ日本サッカー協会が悪いのはもちろんだが、このままでは一般のスポーツファンが離れていくことが明白なため、選手やチーム運営者などからは不満を訴える人が少なくない。

金こそ持っているが、スポーツ興行の闇の深さ、汚泥のぬかるみの濃さを知らなかった日本なんて狡猾なスポーツ貴族どもの手ごろな鴨に過ぎない。正直言って、アマチュア集団である日本サッカー協会単独で解決できる問題ではない。

国際的に、特に欧州にも名が通った政治家でないと無理でしょうね。まぁ現実にはいません。法制度上ダメなのですが、欧州に名の通った政治家となると、実は天皇家が一番です。天皇本人は無理ですけど、せめて皇族の誰かに問題提起でもしていただけないでしょうかと無理難題を言いたくなる私です。

 

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ロングパス

2024-09-12 09:26:48 | スポーツ

さすがに驚いた。

ワールドカップ大会アジア最終予選の第二戦は、アウェイでのバーレーン戦である。バーレーンは難敵なので、この試合は見逃せないと思い、21時に就寝して25時起床してネットでの観戦である。

結果は既報のとおり5-0の圧勝である。初戦の中国戦に続く大量得点には呆れたが、実際試合を観ていた人は分かると思うが前半は激戦であった。

もし上田のPKでの先制点がなかったら、引き分けもしくは敗戦も考えられるほど前半戦は苛烈であった。でもあの暑さの中での激戦であるから、あのペースで試合が進む訳がないと思っていた。

案の定、後半は勢いが減じたバーレーンの隙をつく形で4得点である。でも闘志を失わないバーレーンの選手は疲労からプレーがラフになり、反則気味のプレーが増えた。特に伊東に蟹ばさみを掛けるような形になったプレーは本当に悪質だと思う。

ただこれは認めなければいけないが、ウズベキスタンの審判団のジャッジはかなり公正であったと思う。あの暑さの中で正確なジャッジをするのは本当に大変だと思います。でも、あれはレッドカードものだと私は思いますけどね。

私がこの試合で一番驚いたのは、後半40分の久保のプレーだ。ほぼ50メートルはあるロングパスである。遂に日本人選手もここまでレベルが上がったのかと鳥肌が立ったほどの驚きである。

ただ力任せに蹴るだけのロングキックならいくらでもある。しかし、勝利に結びつける意思を感じるロングパスを蹴れる選手は少ない。私が初めて見たロングパスは1980年代のトヨタカップだ。ジーコ率いるフラメンゴとイングランドのリバプールの試合であった。

大柄なリバプールの選手3人に囲まれながらジーコは、いきなりロングキックを蹴った。え!?と思ったら、そのボールの先にはFWのレナトがいて、その足元にピッタリとボールは収まった。この一発でリバプールの選手の足が止まり、前線への攻撃参加が激減した。正確なロングパスは相手選手の闘志をも削る。これこそ本当のキラーパスである。

後にJリーグが始まり、平塚ベルマーレに入団した中田英は、しばしばロングキックを多用したが、これを一々キラーパスだと叫ぶアナウンサーに閉口したものだ。ただの正確なロングパスに過ぎないからだ。中田は当時、一番基礎的なパスが優れたJリーガーであったと思う。でもキラーパスには遠かった。

久保のロングパスで、どうしても得点が欲しいバーレーンの選手は、このパスを恐れて守備を重視せざる得なくなった。久保はラフプレーの対象になりやすい選手だが、あの位置まで下がれば相手もそうそう削ってこれない。試合終盤での極めて効果的なプレーであったと思います。

とはいえ、最終予選はまだ序盤。有利な立場にいる日本ですが油断大敵。しっかりと勝って兜の緒を締めて欲しいと思います。

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パリ五輪サッカーの総括

2024-08-08 09:09:01 | スポーツ

積み重ねた歴史の差が出た試合だった。

パリ五輪の男子サッカーは、スペインに0-3で敗れた。A代表同様に勝利を期待した人も多かろうと思うが、私は厳しいだろうと思っていた。

とはいえ、個々人の能力差はあまり強く感じなかった。感じたのは戦術の差というか、チームとしての共通理解の差であった。若きスペインの選手たちには、ゴールに向かっての共通の理解があった。だから正確で素早いテクニックを駆使しての戦術に、日本とは格段の差があった。

元々スペインは3-4-3のシステムをジュニアからA代表まで一貫して使っている。戦術の理解度は誰がピッチに入っても変らないレベルまで磨かれている。しかし、日本は違う。残念ながら日本人監督及びコーチには、世界の一流国に通じるだけの試合経験が圧倒的に不足している。

一言で言えば、戦術の引出が少ない。だからこそ森保監督の「戦術・伊東」とか個人の資質を最大限に活かしたうえでのチーム戦術となる。現状、このやり方がベストであることは、先のカタール・ワールドカップ大会での成果をみれば分かる。

基本、今回の五輪サッカーチームの監督を務めた大岩氏も同様の戦い方をしている。日本と云えばチームプレーが有名なのだが、こと戦術面に関して云えば、個人を活かす戦術であり、誰を中心にもってくるかで戦い方ががらりと変わる。勤勉でコミュニケーションが強みの日本チームだからこそ出来る戦術でもある。

これはハマると強い。あのドイツやスペインに勝てたのだから確かだ。でも忘れてはいけないのは、カタール大会でコスタリカに負けていることだ。チーム戦術よりも個々の選手の閃きと展開力に頼る柔軟な戦い方をするチームに、即座に対応するだけの戦術指導は出来ないのが、日本サッカーの弱点だ。

これは一朝一夕で解決できる弱点ではない。おそらく海外リーグで活躍し、その上海外でのコーチ経験のある日本人が出てこないと厳しいと思う。単に勝利を稼ぐだけなら優秀な外国人監督に任せれば良いのだが、それだといつまでたっても日本人の指導者が育たない。

やはり長い目で見ていかざるを得ないことが確認できたパリ五輪でした。

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パリ五輪サッカー序盤

2024-07-29 12:45:59 | スポーツ

週末の驚き、どういっても差し支えない。

パリで開催された五輪のサッカーにおいて、日本がパラグアイに5-0、マリに1-0で勝利して予選突破を決めた。これで決勝トーナメント進出である。

早朝に行われた試合をネット配信で視たが、パラグアイは10番の選手が退場しての数的有利さを活かしての勝利。次戦のマリはかなりの強豪で、けっこう押されていたが、日本の守りが堅かった。

特に小久保ブライアンの鉄壁のGKとしての活躍が大きかったと思う。正直、A代表のGKたちよりも良く見えたほどだ。既にマスコミの一部は勝手に盛り上がっている。

ただ、これだけは言いたい。サッカーの世界では五輪大会の評価は辛い。若手の登竜門との扱いさえなく、むしろ未知の若手を発掘する機会程度の位置づけなのが実情だ。

実際、サッカーの強豪国のA代表のエースクラスはチーム入りさえしていない。過去の五輪サッカーの優勝国で、その成果がワールドカップ大会に繋がったチームは、ほぼ皆無であるのが冷徹な現実である。

それを承知の上で云わせてもらうが、このU23主体のチームのうち、2~3人はそう遠くない将来にA代表入りすると期待している。特に藤田チマや小久保ブライアンたちは今後レベルアップ次第で主戦力に成り得る逸材だと思う。

ただ現時点では有望な若手に過ぎない。願わくばおバカなマスコミの煽動に乗せられず、選手として精進を地道に続けて欲しい。過去の有望選手の多くがマスコミに過剰に持ち上げられて、その才能を潰している。

そこだけが心配な私です

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