![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/74/c2869691ac57282099641e9ae5ac5961.jpg)
もう、上はとてもこんな雪の量ではないはずだ。多分、この写真は今年2日、里へ帰る時に撮ったものだろう。冬ごもりの日々にあってはここへ載せる写真にも事欠くわけで、致し方ない。
この辺りは西側の鞍部から吹き寄せる風の影響で雪だまりができる。そのため冬はその手前で車を乗り捨て、小屋まで約1.5㌔ほどを歩くことが多かった。
ところが、夜半に雪が降りだし、その雪で里に帰れなくなるかも知れないと、吹雪の中の暗い雪道を慌てて車まで戻るという散々な目にあったことも、実は一度だけではない。それも今となっては懐かしくさえある。
先ほど、家の前で出会った近所の人から「今年も上に行くのかね」などと聞かれ、なんと応えたらよいのか返答に窮した。不確定なことを多く残しているが、こっちまでは何も聞こえてこないからだ。
明日東京へ行く用事がなければ、天気はしばらく好天が続きそうだし、きょうあたり上に様子を見に出掛けていくのには絶好の日和だが、残念ながらそれも思うに任せない。
それにしても、男女の関係においては別れた途端に、それまでの一切の関係が霧散して、出会う以前と変わらぬ関係に戻れるという話も聞く。特に女性は。
しかし、少なくともあの牧場や周囲の自然に対して、そういう気持ちにはとてもなれない。なれなくて構わない。
確かに、一介の牧守が今さら何を言ってみてもと観念はしている。それに、思い残すことよりか、やれるだけのことはまずまずやったという思いの方が強くある。その上でなお、18年の歳月を忘れるわけにはいかない。
あの牧柵、あの細い作業道、あの沢の流れ、あの草原、あの広い空、あの星空、のんびりと草を食む牛たちの群れ、どれもこれも牧守だけに見せてくれた美しくも気高い入笠の裸身である。
そんなわけで、明日から14日の金曜日まで3日ほど、この独り言を休止します。多分上に行くのは次の週になると思いますが、そうなれば3月まではもう手の届く先、ちょうどそのころに題名を「春」にすればと考えています。
本日はこの辺で。