改めて、しみじみと、精神医療の世界はとんでもなく罪深いことをしているのではないか?薬害と向き合っている皆さんの生の声は生命を揺さぶるものがあります。
うつ病は必ず治る、薬に頼らない
昨日、島根オルタナティブ協議会準備会の「うつ、薬を飲む前に知って欲しい」~精神医療や薬害問題、勉強会・体験報告・情報交換会~が開催され、お二人の方の赤裸々な体験報告に耳をそばだてました。
勉強会では、NPO再チャレンジ東京の発刊した「こころの健康手帳」から、うつ病の原因と対策、うつ・自殺が減らない理由、また、世界メンタルヘルスデーの講演から製薬会社と医療関係者やADHD学会等とのもたれ合い構造の現状などを学び合いました。
ここでは、うつ病は必ず治るので安易に薬に頼らないこと、医薬品添付文書はしっかり確認して対処すべきこと、精神科では、うつの原因は解消しないこを確認しました。
また、精神治療薬市場は、ここ15年余りの間に抗うつ剤が8倍に、抗不安薬・睡眠薬が4倍に、統合失調症治療薬が1.7倍に急成長しているとともに、ADHDの処方薬・ストラテラの売り上げは09年の5.4億円が14年には139億円にほぼ倍々ゲームのように急伸しています。
これは、精神医療の方向性は、厚労省が専門家の意見を聞いて決めるが、影響力を持つ精神科医は、毎年、製薬会社から多額の講演料や監修料を貰っていることが大きいと指摘されています。ADHD学会も製薬会社から、多額の寄付金や学会共催費を貰ってるんですね。
1年前はしんどかった。2年前はもっとしんどかった
その陰で、患者や家族は地獄のような苦しみを味わっている。
岡山から駆けつけてくださった米田さんの話を聞くのは1年ぶり。うつと診断されて薬を飲み始めたのが11年前。今、断薬から3年、見違えるほど回復されている様子に見えました。
しかし、1年前、本当によくなったと思っていたが、今、振り返ってみると1年前はしんどかった。2年前はもっとしんどかった。薬を飲んでいた時はもっともっとしんどかったと。
今も困っているのは、感情面、不安、恐怖、マイナス感情が出やすい。楽しい、感動したと思うことはほとんどないが、無理やり笑うことで気持ちが楽になる。
息子さんがうつと診断され、精神医療に身を置くことになって13年になるという松江の一番星さんは、米田さんは辛いかもしれないけれど、希望があるからずっといいと。
息子さんの壮絶な13年を赤裸々に語ってくださいましたが、患者の人権や、患者や家族の思いは全く斟酌されていない現実に耳を疑いたくなります。その息子さんは、いまだ精神医療に囚われています。
精神医療は牧畜だ!
向精神薬・パキシルの添付文書を読むと、重要な注意事項の(6)には、家族等に重篤な副作用が現れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導することと書かれています。
一番星さんは、そんな説明は受けたことがないし、参加していた看護師も、医療現場でそのような説明が家族にされるのを聞いたことがないと仰っていましたが、そんな時間はないだろうと思います。
特に、精神医療現場では、カウンセリング等の保険点数が低く抑えられているため、薬偏重にならざるを得ないし、「精神医療は牧畜だ!」と言い放った日本医師会の武見太郎元会長に象徴されるように、国ぐるみで人権とかけ離れた感覚を醸成してきたわけですから、そんな無駄なことに時間を割くはずはないですよねえ。
私たちは、そんな現実をしっかり知らないと、自身が、また愛する家族が家畜同然、否、家畜以下の囚われの身になりかねません。