もう一眠りしちゃった。朝が来ているかと思ってた。なんだ、まだ10時半か。これからどうしよう。温泉にはいれるのは10時まで。もう過ぎている。夕食は食べ過ぎないですんだ。ご馳走というご馳走はなかった。佃煮類が多かった。安い宿代だからそれは仕方がない。余所の半値ほどのところである。贅沢は言えない。贅沢をしようと思って来たのではない。旅の気分が少しだけ味わえたらそれでいいのである。淋しい。淋しいが、ハーモニカは吹けない。この時間だと人様の迷惑になりそうだ。クレヨン水彩の道具を持ってくればよかった。自転車を積み込むのも忘れてしまった。明日は散歩に出るしかない。海辺を歩き回ってみよう。この部屋にはトイレがない。廊下の突き当たりまで行くのがどうも億劫だ。
小浜温泉にやって来た。あちらに断られこちらに断られして、やっと。三連休だからだろう、どちらの宿も満室状態。そりゃそうだろう、お昼くらいになって決断したんだから。そして九州の温泉場に問い合わせてみた。見つかってよかった。有明海を左に見ながら愛車を運転した。4時間近くかかった。途中ラーメン屋に立ち寄ったのだけど。宿の駐車場はいっぱい。杖をついていたので、部屋を1階にところ替えしてくださった。12畳は一人では広すぎるくらいだ。さっそく湯を浴びて来た。あつ湯だ。ひろびろとしている。泉質もよさそう。宿代も安い。ここに連泊することにした。ご馳走は望まない。どうせ年寄りは食べきれない。わずかでいい。宿のすぐ前は海である。おいしい魚が食べられそうだ。